方程式 x2−xy+y2=3 の表す座標平面上の曲線で囲まれた図形を D とする。
(1) この方程式を y について解くと,
y=21{x±3(4−x2)}
となることを示しなさい。
(2) 3≦ x≦2 をみたす実数 x に対し,f(x)=21{x−3(4−x2)} とする。f(x) の最大値と最小値を求めなさい。また,そのときの x の値を求めなさい。
(3) 0≦ x≦2 をみたす実数 x に対し,g(x)=21{x+3(4−x2)} とする。g(x) の最大値と最小値を求めなさい。また,そのときの x の値を求めなさい。
(4) 図形 D の x≧0,y≧0 の部分の面積を求めなさい。
二次方程式の解の公式
(1)から始めます。ここは y について解の公式を用いるだけです。
x2−xy+y2=3
y2−xy+x2−3=0
y=2x±x2−4(x2−3)
ルートの中は
x2−4(x2−3)=x2−4x2+12
=12−3x2=3(4−x2)
となるので
y=21{x±3(4−x2)} (証明終わり)
式を微分する
(2)に進みます。
(1)で求めた関数は,プラスのときとマイナスのときで 2 つのグラフができます。今回の問題は,(2)と(3)でその 2 つのグラフの形を求め,(4)で積分して面積を求めるという流れです。
このままではグラフの形が分からないので,微分して極値を考えていきましょう。
いったん式変形してから微分します。
f(x)=21{x−3(4−x2)}
=2x−23(4−x2)21
式を微分すると
f′(x)=21−43(4−x2)−21(−2x)
(4−x2)21 は合成関数だから,微分したときに
4−x2 を微分した
−2x をかけるのを忘れずに。
=21+24−x23x
極値を求めます。
21+24−x23x=0 として
24−x23x=−21
3x=−4−x2 ・・・①
両辺を 2 乗します。ただし,符号に注意する必要があります。
3x2=4−x2
4x2=4
x=±1
x=1 のとき①は
3⋅1=−4−12
3=−3
となり,矛盾する。よって,x=1 は不適。
また,x=−1 のとき①は
3⋅(−1)=−4−(−1)2
−3=−3
恒等式が成り立つ。よって,x=−1
増減表は
x f′(x) f(x)(−1)(0)⋯30⋯+
21
そうね。実は
f′(x) の
24−x23x の部分って
3<x<2 の範囲では常にプラスだから,ホントは極値求めなくても関数は単調増加であるとして,最大・最小求められた。最初に気づけば良かったのだけど。
気づかないかもね。その前提でいくと上のような増減表ができあがる。別にこれでも良い。
あと,今回は
3≦ x≦2 という条件があって,いわばグラフが途中で切れている形。こういうとき,グラフの端点は微分不能であることにも注意してね。
f(3)=21{3−3(4−3)}
=21⋅0=0
f(2)=21{2−3(4−4)}
=21⋅2=1
したがって
最大値は x=3 のとき,0。最小値は x=2 のとき,1。(答え)
もう一つの式を微分する
(3)に進みます。
g(x)=21{x+3(4−x2)}
=2x+23(4−x2)21
式を微分すると
g′(x)=21+43(4−x2)−21(−2x)
=21−24−x23x
極値を求めます。
21−24−x23x=0 として
24−x23x=21
3x=4−x2 ・・・②
両辺を 2 乗して
3x2=4−x2
4x2=4
x=±1
(2)と同じように符号を検証します。
x=1 のとき,②は
3⋅1=4−1
3=3
恒等式が成り立つ。
また,x=−1 のとき,②は
3(−1)=4−1
−3=3
となり,矛盾する。よって,不適。
増減表は
x g′(x) g(x)03⋯+
102⋯−
21
g(0)=21{0+3(4−0)}
=21⋅23=3
g(1)=21{1+3(4−1)}
=21(1+3)=2
g(2)=21{2+3(4−4)}
=1
したがって
最大値は x=1 のとき,2。最小値は x=2 のとき,1。(答え)
置換積分
(4)に進みます。
(2)と(3)で作った増減表をもとにグラフを描くと上のようになります。もちろん,実際に試験問題を解いているときには,おおまかな形で構いません。
ここから,面積を求めるために,f(x) を g(x) を使って積分していくことになりますが,先に 3(4−x2) の部分を処理しておいた方が良さそうです。
∫3(4−x2) dx
=3∫4−x2 dx
ルートの中が ○○ −x2 という形になっていたら,sin で置換します。パターンとして覚えておくべきものです。
ただし,今回は x=2sinθ で置換します。
4 をルートの外に追い出すため。やってるの見たら分かる。
x=2sinθ として
dx=2cosθ dθ
3∫4−4sin2θ⋅2cosθ dθ
3∫4(1−sin2θ)⋅2cosθ dθ
=43∫1−sin2θ⋅cosθ dθ
=43∫cos2θ⋅cosθ dθ
=43∫cos2θ dθ
sin2 や cos2 が来たら,半角の公式に持ち込みましょう。
=43∫21+cos2θ dθ
=23∫1+cos2θ dθ
=23(θ+21sin2θ)+C
=3(2θ+sin2θ)+C (Cは積分定数) ・・・③
面積を求めましょう。式は以下のようになります。
S=∫02 g(x) dx−∫32f(x) dx
いったん,二つに分けて計算します。
∫02 g(x) dx
=21∫02 x dx+21∫023(4−x2) dx
③を利用して
x θ00→→22π
=21[2x2]02+23[2θ+sin2θ]02π
=21(2−0)+23π
=1+23π
また
∫32 f(x) dx
=21∫32 x dx−21∫323(4−x2) dx
③を利用して
x θ33π→→22π
=21[2x2]32−23[2θ+sin2θ]3π2π
=21(2−23)−23(π+0−32π−23)
=41−23(3π−23)
=41−63π+43
=1−63π
したがって,面積は
S=1+23π−1+63π
=323π (答え)
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