【スマホで復習!高校化学】有機化合物教科書まとめ
カルボン酸・エステル・油脂
カルボン酸
カルボキシル基 $-\text{COOH}$ を持つ化合物をカルボン酸という。
- $-\text{COOH}$を1個持つものを1価カルボン酸といい,鎖式の1価カルボン酸を脂肪酸という。
- $-\text{COOH}$を2個持つものを2価カルボン酸,3個持つものを3価カルボン酸という。
- 炭素数6以上の脂肪酸を高級脂肪酸,それより少ないものを低級脂肪酸という。
- 低級脂肪酸は水に溶け,弱酸性を示す。
$\text{R}-\text{COOH}\rightleftarrows\text{R}-\text{COO}^-+\text{H}^+$ - カルボン酸は炭酸よりは強い酸なので,炭酸水素ナトリウムと反応して $\text{CO}_2$ を発生する。有機化合物中の $-\text{COOH}$ 基の検出に用いられる。
- ギ酸 $\text{HCOOH}$ 無色の液体で刺激臭をもつ。分子中にアルデヒド基をもつので,還元性を示す。
- 酢酸 $\text{CH}_3\text{COOH}$ 無色・刺激臭の液体で,食酢の成分。アセトアルデヒドを酸化して得られる。
- マレイン酸・フマル酸 マレイン酸を加熱すると,分子内で脱水反応が起こり無水マレイン酸が得られる。一方,フマル酸では 2 個のカルボキシ基がたがいに離れているため,無水物は生じない。
不正炭素原子・鏡像異性体
中央の炭素原子に4つの異なる原子や原子団が結合しているとき,この炭素原子を不斉炭素原子という。不斉炭素原子を持つ化合物は立体的な配置の異なる2種類の異性体が存在し,これを鏡像異性体という。
乳酸 $\text{C}_3\text{H}_6\text{O}_3$ は鏡像異性体を持つ。
エステル
- カルボン酸とアルコールが脱水縮合反応するとエステル結合 $-\text{COO}-$ を持つエステルが生成する。
$\underset{\sf{酢酸}}{\text{CH}_3-\text{CO}\boxed{\text{OH}}}+\underset{\sf{エタノール}}{\text{CH}_3-\text{CH}_2-\text{O\boxed{\text{H}}}}\xrightarrow{\sf{濃H}_2\text{SO}_4}\underset{\sf{酢酸エチル}}{\text{CH}^3-\text{COO}-\text{CH}^2-\text{CH}_3}+\boxed{\text{H}_2\text{O}}$ - 加水分解 エステルに希塩酸などを加え加熱すると,エステル化の逆反応が起こり,カルボン酸とアルコールになる。これを加水分解という。
油脂
- 高級脂肪酸と 1,2,3-プロパントリオール(グリセリン)をエステル化すると油脂が生成される。
- 飽和脂肪酸 炭素原子間に二重結合を持たないもの。飽和脂肪酸を多く含む油脂を脂肪といい,常温で固体である。牛脂,豚脂(ラード),バターなど。
- 不飽和脂肪酸 炭素原子間に二重結合を持つもの。不飽和脂肪酸を多く含む油脂を脂肪油といい,常温で液体である。ごま油,大豆油など。
- 脂肪油の二重結合に水素を付加すると,不飽和脂肪酸の一部が飽和脂肪酸に代わり固化する。これを硬化油といい,マーガリンの原料。
セッケン
- 油脂に水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱するとけん化されてセッケンを生じる。
- 弱酸と強塩基の塩であり,水溶液は弱塩基性を示す。そのため,動物性繊維(羊毛や絹)には使えない。
- $\text{Ca}^{2+}$ $\text{Mg}^{2+}$ を含む硬水中では,これらのイオンと反応し不溶性の塩の沈殿をつくるので使用できない。
- 酸性の水溶液中で使うと,脂肪酸が遊離し洗浄力を失う。
- 水になじみにくい疎水基の炭化水素基 $\text{R}-$ と,水になじみやすい親水基 $-\text{COO}^-$ をもつ。このような物質を界面活性剤といい,水の表面張力を低下させることで,繊維の内部まで浸透する。
- セッケンは水中で疎水基を内側に向け,親水基を外側に向けて集まり,ミセルという集合体をつくる。
- 乳化作用 セッケン水に油を入れてふると,油はミセルの疎水基側と引き合い,繊維の表面からはがされたあと,ミセルの内部に取り込まれ,微粒子となって水中に分散する。このような作用を乳化作用といい,得られる溶液を乳濁液という。
- 合成洗剤 親水基と疎水基をもつように合成された化合物。水溶液は中性を示し,中性洗剤ともよばれる。そのため,動物性繊維や硬水中でも使用できる。
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