【スマホで復習!高校化学】有機化合物教科書まとめ

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成分元素の確認

  • 水素 H 完全燃焼→ $\text{H}_2\text{O}$ が発生。生じた液体は硫酸銅(II)無水塩青色に変える。または塩化コバルト紙淡赤色に変える。
  • 炭素 C 完全燃焼→二酸化炭素 $\text{CO}_2$ が発生。発生した気体を石灰水に通じると白濁する。
  • 窒素 N  水酸化ナトリウム NaOH を加えて加熱→アンモニア $\text{NH}_3$ が発生。赤色リトマス紙を近づけると青色に変わる
  • 硫黄 S ナトリウムを加えて加熱・融解→硫化ナトリウム $\text{Na}_2\text{S}$ が生じる。生成物を水に溶かして酢酸塩(II)水溶液を加えると黒色沈殿が生じる。
  • 塩素 Cl 焼いた銅線につけて加熱→塩化銅(II) $\text{CuCl}_2$が生じる。青紫色炎色反応を示す。

アルカン・アルケン・アルキン

すべて単結合からなる鎖式炭化水素をアルカンという。また,炭素間に二重結合を1つもつものをアルケン三重結合を1つもつものをアルキンという。

アルカン

  • 炭素原子間の単結合はそれを軸に回転できる

  • 炭素原子数が4以上のアルカンには構造異性体が存在する。

  • 常温・常圧では,炭素原子数 1 ~ 4 のものは気体,5 ~ 17 のものは液体,18 以上のものは固体
  • 極性が小さく水にほとんど溶けないが,ヘキサン・ベンゼン・エーテルなどの有機溶媒によく溶ける
  • 燃焼すると多量の熱+二酸化炭素+水を生じる。
  • 置換反応 塩素や臭素の混合気体に光を照射すると,水素原子が塩素原子に置き換わる。



    反応が進むと $\underset{\sf{メタン}}{\text{CH}_4}\rightarrow\underset{\sf{クロロメタン}}{\text{CH}_3\text{Cl}}\rightarrow\underset{\sf{ジクロロメタン}}{\text{CH}_2\text{Cl}_2}\rightarrow\underset{\sf{トリクロロメタン}}{\text{CHCl}_3}\rightarrow\underset{\sf{テトラクロロメタン}}{\text{CCl}_4}$ となる。
  • 炭素原子が単結合環状構造を持つものをシクロアルカンという。

アルケン

  • 代表的なアルケンとしてエチレンがある。

  • アルケンの $\sf{C=C}$ の二重結合はアルカンのように回転できない
  • エチレンの製法 エタノール濃硫酸の混合物を約170℃に加熱するとエチレン(気体)が発生する。

    $\underset{\sf{エタノール}}{\text{C}_2\text{H}_5\text{OH}}\xrightarrow[\small{\sf{約170℃}}]{\small{\text{濃H}_2\text{SO}_4}}\underset{\sf{エチレン}}{\text{C}_2\text{H}_4}+\underset{\text{水}}{\text{H}_2\text{O}}$
  • エチレンの反応 水素$\text{H}_2$,水$\text{H}_2\text{O}$,臭素$\text{Br}_2$,塩素$\text{Cl}_2$ などと反応する。付加重合するとポリエチレンが生成する。

    $\underset{\sf{エチレン}}{\text{CH}_2=\text{CH}_2}$
    $\xrightarrow{\small{\text{H}_2\sf{付加}}}\underset{\sf{エタン}}{\text{CH}_3\text{CH}_3}$
    $\xrightarrow{\small{\text{H}_2\text{O}\sf{付加}}}\underset{\sf{エタノール}}{\text{CH}_3\text{CH}_2\text{OH}}$
    $\xrightarrow{\small{\text{Br}_2\sf{付加}}}\underset{\sf{1,2-ジブロモエタン}}{\text{CH}_2\text{Br}-\text{CH}_2\text{Br}}$
    $\xrightarrow{\small{\text{Cl}_2\sf{付加}}}\underset{\sf{1,2-ジクロロエタン}}{\text{CH}_2\text{Cl}-\text{CH}_2\text{Cl}}\xrightarrow{\small{-\text{HCl}}}\underset{\sf{塩化ビニル}}{\text{CH}_2=\text{CHCl}}$
    $\xrightarrow{\small{\sf{付加重合}}}\underset{\sf{ポリエチレン}}{\sout{[}\text{CH}_2-\text{CH}_2\sout{]}}$
  • シス・トランス異性体(幾何異性体) 同じ原子が同じ側にあるものをシス形,異なる側にあるものをトランス形という。


    2-ブテンは2番目と3番目のCのあいだに二重結合があることを示す。
  • 付加反応 二重結合が切れ,他の原子などと結びつく反応。



    臭素は赤褐色だが,反応によって生成する1,2-ジブロモエタンは無色である。二重結合や三重結合(不飽和結合)の検出に用いる。
  • 酸化反応 過マンガン酸カリウム $\text{KMnO}_4$ 水溶液(イオン化して $\text{K}^+$ と ${\text{MnO}_4}^-$ (赤紫色)となる) と反応させると,赤紫色が消え,酸化マンガン(IV)の黒色沈殿を生じる。不飽和結合の検出に用いる。

アルキン

  • 代表的なアルキンとしてアセチレンがある。

  • アセチレンの製法 炭化カルシウム(カーバイド)に水を加えるとアセチレン(気体)が発生する。

    $\underset{\sf{炭化カルシウム}}{\text{CaC}_2}+\underset{\sf{水}}{2\text{H}_2\text{O}}\rightarrow\underset{\sf{アセチレン}}{\text{CH}\equiv\text{CH}}+\underset{\sf{水酸化カルシウム}}{\text{Ca}(\text{OH})_2}$
  • アセチレンの反応 アセチレン $\text{C}_2\text{H}_2$ は水素$\text{H}_2$,塩化水素$\text{HCl}$,シアン化水素$\text{HCN}$,酢酸$\text{CH}_3\text{COOH}$,水$\text{H}_2\text{O}$,臭素$\text{Br}_2$と付加反応をおこし,付加重合によって高分子化合物を生じる。

    $\underset{\sf{アセチレン}}{\text{CH}\equiv\text{CH}}$
    $\xrightarrow{\small{\text{H}_2\sf{付加}}}\space\underset{\sf{エチレン}}{\text{CH}_2=\text{CH}_2}\space\xrightarrow{\small{\text{H}_2\sf{付加}}}\space\underset{\sf{エタン}}{\text{CH}_3\text{CH}_3}$
    $\xrightarrow{\small{\text{H}_2\text{O}\sf{付加}}}\space\underset{\sf{ビニルアルコール}}{\text{CH}_2=\text{CH}-\text{OH}}\xrightarrow{\small{\sf{不安定ですぐに変化}}}\space\underset{\sf{アセトアルデヒド}}{\text{CH}_3\text{CHO}}$
    $\xrightarrow{\small{2\text{Br}_2\sf{付加}}}\space\underset{\sf{1,1,2,2-テトラブロモエタン}}{\text{CHBr}_2-\text{CHBr}_2}$
    $\xrightarrow{\small{\text{HCl}\sf{付加}}}\space\underset{\sf{塩化ビニル}}{\text{CH}_2=\text{CHCl}}\space\xrightarrow{\small{\sf{付加重合}}}\underset{\sf{ポリ塩化ビニル}}{\sout{[}\text{CH}_2\text{CHCl}\sout{]}_n}$
    $\xrightarrow{\small{\sf{酢酸付加}}}\space\underset{\sf{酢酸ビニル}}{\text{CH}_2=\text{CHOCOCH}_3}\space\xrightarrow{\small{\sf{付加重合}}}\underset{\sf{ポリ酢酸ビニル}}{\sout{[}\text{CH}_2\text{CHOCOCH}_3\sout{]}_n}$
    $\xrightarrow{\small{\sf{HCN付加}}}\space\underset{\sf{アクリルニトル}}{\text{CH}_2=\text{CHCN}}\space\xrightarrow{\small{\sf{付加重合}}}\underset{\sf{ポリアクリルニトル}}{\sout{[}\text{CH}_2\text{CHCN}\sout{]}_n}$
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