数III横浜国立大高校数学の解法

横浜国立大2018理系第1問 x/cos2xの積分/f(x)に∫f(t)が含まれる式の解き方( k でおくべし)

次の問いに答えよ。

(1) 定積分 $\displaystyle\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}\cfrac{x}{\cos^2x}\space dx$ を求めよ。

(2) $-\cfrac{\pi}{2}<x<\cfrac{\pi}{2}$ で定義された関数 $f(x)$ が

$\displaystyle f(x)\cos^2x=\pi-\cfrac{x}{\log 2}\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}f(t)\space dt$ をみたすとき,$f(x)$ を求めよ。

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部分積分

(1)から始めます。

ここは,$\tan x$ の微分の公式を用いて,部分積分にもちこみましょう。

$\tan x$ の微分
$(\tan x)’=\cfrac{1}{\cos^2x}$

$\displaystyle\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}\cfrac{x}{\cos^2x}\space dx$
$\displaystyle=\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}x(\tan x)’\space dx$

部分積分法
$\displaystyle\int_a^b f(x)g'(x)dx=\Big[f(x)g(x)\Big]_a^b-\int_a^b f'(x)g(x)dx$

$\displaystyle=\Big[x\tan x\Big]_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}-\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}(x)’\tan x\space dx$
$\displaystyle=\cfrac{\pi}{3}\tan\cfrac{\pi}{3}-\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}\tan x\space dx$
$\displaystyle=\cfrac{\pi}{3}\cdot\sqrt{3}-\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}\cfrac{\sin x}{\cos x}\space dx$
$=\cfrac{\sqrt{3}}{3}\pi+\Big[\log(\cos x)\Big]_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}$

この積分,意味が分かりません。

$\tan x$ の積分は問題集通りだし,基本だから覚えて。

$\log(\cos x)$ を微分してみると分かります。これは合成関数なので,微分したときに中ビブンの $(\cos x)’$ をかけるのを忘れないようにしましょう。

$\{\log(\cos x)\}’=\cfrac{1}{\cos x}\cdot(\cos x)’$
$=-\cfrac{\sin x}{\cos x}$

微分の逆が積分だから,$\cfrac{\sin x}{\cos x}$ を積分したら,$-\log(\cos x)$ になると言えます。

$=\cfrac{\sqrt{3}}{3}\pi+\log\Big(\cos\cfrac{\pi}{3}\Big)-\log(\cos0)$
$=\cfrac{\sqrt{3}}{3}\pi+\log\cfrac{1}{2}-\log1$

ここは,公式 $\log\cfrac{M}{N}=\log M-\log N$ と,$\log1$ は 0 なるのを思い出すこと。

$=\cfrac{\sqrt{3}}{3}\pi+\log1-\log2$
$=\cfrac{\sqrt{3}}{3}\pi-\log2$ (答え)

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f(x)の中にf(t)の積分が含まれる式

(2)に進みます。

$\displaystyle f(x)\cos^2x=\pi-\cfrac{x}{\log 2}\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}f(t)\space dt$

このような形がきたら,積分のところをいったん $k$ と置きましょう。そのあと,$f(x)$ を $f(t)$ に放り込むという流れです。この辺りは解法なので,暗記すべきところです。

イミフです。

まあ,実際やってるのを見ていって。

$\displaystyle\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}f(t)\space dt=k$ とすると

$\displaystyle f(x)\cos^2x=\pi-\cfrac{x}{\log 2}\space k$ ・・・①

$f(t)$ というのは具体的な形は分からないのですが,たとえば $f(t)=3t^2-2t-1$ のようになっていて,式の中に $x$ を含みません。つまり,この式は $x$ の値に関係なく一定の値であると言えます。そのような値を定数と言います。

練習だけど,$x$ の関数において $k$ が定数だとして,$k$ を積分したら?

$kx$ ですか?

正解。$\cfrac{k^2}{2}$ としないように。$x$ の関数では,積分する対象はあくまで $x$ だから,$k$ 自体を積分しないようにするってのが大事なところ。

①は

$f(x)\cos^2x=\pi-\cfrac{kx}{\log2}$
$f(x)=\cfrac{\pi}{\cos^2x}-\cfrac{k}{\log2}\cdot\cfrac{x}{\cos^2x}$

こうやって,いったん $f(x)$ を求める。そして,これを $k$ に放り込んでいくのが次のステップ。 手順覚えて。

$f(x)$ を $f(t)$ として $k$ に代入すると

$\displaystyle k=\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}f(t)\space dt$
$\displaystyle=\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}\cfrac{\pi}{\cos^2t}-\cfrac{k}{\log2}\cdot\cfrac{t}{\cos^2t}\space dt$
$\displaystyle=\pi\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}\cfrac{1}{\cos^2 t}\space dt-\cfrac{k}{\log2}\int_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}\cfrac{t}{\cos^2t}\space dt$

$k$ は積分の前に出していいんですね。

そう。定数だから,積分の前における。

(1)の結果を利用して

$=\pi\Big[\tan t\Big]_0^{\small{\frac{\pi}{3}}}-\cfrac{k}{\log2}\Big(\cfrac{\sqrt{3}}{3}\pi-\log2\Big)$

$k=\sqrt{3}\pi-\cfrac{k}{\log2}\Big(\cfrac{\sqrt{3}}{3}\pi-\log2\Big)$

ここから,$k$ を求めていきます。

$k=\sqrt{3}\pi-\cfrac{\sqrt{3}k\pi}{3\log2}+k$
$\sqrt{3}\pi-\cfrac{\sqrt{3}k\pi}{3\log2}=0$
$\sqrt{3}\pi=\cfrac{\sqrt{3}k\pi}{3\log2}$
$1=\cfrac{k}{3\log2}$
$k=3\log2$

①に代入すると

$f(x)\cos^2x=\pi-\cfrac{x}{\log 2}\space \cdot3\log2$
$=\pi-3x$

したがって

$f(x)=\cfrac{\pi-3x}{\cos^2x}$ (答え)

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