投資の対象になりつつある高級ブランドバッグの世界 ネットで手軽に判定できるツールが作られる

アメリカで高級バッグの買取・販売を手がけているRebagがデータベースを用いてバッグの買取価格を査定するClairというツールを公開しました。バッグを売りたい人はウェブサイト上から自分の持っているバッグの価値を簡単に知ることができます。

”新しいツールClairの導入により、高級品中古販売業者のRebagは、買取の時期が来たとき、潜在的な新規購入が価値のあるものかどうかを即座に知ることができます。”

急速に拡大する再販市場と不透明な買取システム

アメリカでは衣料品の再販市場が大きな成長を遂げており、2019年にはその評価額は240億ドル(約2兆5000億円)あり、今後5年間で2倍以上になると予測されています。

エルメスなどの高級ブランドのバッグはもはや投資の対象とも言える状況になっています。こうした高級バッグはいわゆる普段使いではありません。傷をつけないように細心の注意を払って丁寧に扱われ、クローゼットの中に大切に保管されます。そして新しいバッグが発売されると、それを購入する資金を得るために大切に保管しておいたバッグを売却するのです。

しかし宝石類に比べ、高級ブランドバッグの販売価格についてはこれまで指標となる価格が存在せず、売りに出したい人が業者に査定に出しても、その金額が果たして妥当なのかどうかを知ることは困難でした。

資産価値が下がらないブランドはエルメス

そこでRebagは数年かけて顧客からの購入データと業界のトレンドなどを分析し、50以上のブランドの10,000を超える商品についてネット上で簡単に査定価格を示してくれるツールを開発しました。ユーザーはウェブサイトにアクセスし、ブランド、モデル、スタイル、サイズを選択し、バッグの色と状態を入力すると、そのバッグの中古市場での価値をその場で表示します。

興味深いことに、こうして集められたデータから最も価値が下がりにくいブランドはエルメスであることが分かりました。エルメスはもともとの値段も高いのですが、その一方で最大で元の価格の90%で売ることができます。パーティーで1度だけ使ってさっさと売りに出すつもりならば、エルメスのバッグは案外安くつくのかもしれません。

ニューヨークウォールストリートのエルメスショップ。購入されたバッグはときには指紋の跡すら綺麗に拭き取られ大切に保管される。

Rebagは高級バッグ市場に買取の適性価格を示すことで、安心してRebagにバッグを売りに出してくれる顧客が増えることを期待しています。そして、市場を透明化することで高級ブランドバッグが金やプラチナと同じように投資の対象として取引されるようになることを狙っているのです。