【IA】定点を通る二次関数と直線との交点の個数(東京都立大2015文系第4問)
座標平面において曲線 $y=k(1-x^2)-1$ ($k$ は正の定数)を $C_1$ とし,曲線 $y=1-|x|$ を $C_2$ とする。このとき,以下の問いに答えなさい。(東京都立大2015)
(1) $C_1$ は $k$ の値によらない定点を通る。この定点の座標をすべて求めなさい。
(2) $C_1$ と $C_2$ が共有点をもつような正の定数 $k$ の値の範囲を求めなさい。
(3) 正の定数 $k$ が(2)で求めた範囲になるとき,$C_1$ と $C_2$ の共有点の個数を求めなさい。
k が消える場合を考える
(1)から始めます。
$k$ の値によらないということは,式から $k$ の値が消えるということと同じだと考えましょう。
式の形から,$1-x^2$ が 0 になれば,$k\times0$ となって,$k$ が消えます。
つまり
$1-x^2=0$
$x^2=1$
$x=\pm1$
このとき,$k(1-x^2)$ は 0 になるので,どちらも $y=-1$ となります。
したがって
$(1,-1),\space(-1,-1)$ (答え)
判別式を作る
(2)に進みます。
交点を求めるので,式を連立します。ただし,式に絶対値があるので,$x$ が正の場合と負の場合に分けて考えましょう。
(i) $x\geqq0$ のとき
式を連立して
$k(1-x^2)-1=1-x$
$k-kx^2-1=1-x$
$kx^2-x+2-k=0$
共有点を持つということは,判別式が 0 以上と考えることができます。この辺りもセオリーとして覚えましょう。
$D=(-1)^2-4k(2-k)\geqq0$
$1-8k+4k^2\geqq0$
$4k^2-8k+1=0$ とすると
$k=\cfrac{4\pm\sqrt{16-4}}{4}$
$=\cfrac{4\pm2\sqrt{3}}{4}$
$=\cfrac{2\pm\sqrt{3}}{2}$
$k\leqq\cfrac{2-\sqrt{3}}{2}$,$\cfrac{2+\sqrt{3}}{2}\leqq k$
(ii) $x<0$ のとき
$k(1-x^2)-1=1+x$
$k-kx^2-1=1+x$
$kx^2+x+2-k=0$
$D=1-4k(2-k)\geqq0$
(i)と同じ式になったので,$k$ の範囲も同じです。
$k\leqq\cfrac{2-\sqrt{3}}{2}$,$\cfrac{2+\sqrt{3}}{2}\leqq k$
最後に,$k$ は正の定数であることに注意して
$0<k\leqq\cfrac{2-\sqrt{3}}{2}$,$\cfrac{2+\sqrt{3}}{2}\leqq k$
(答え)
共有点の個数を考える
(3)に進みます。
ここは実際にグラフを描いて考えると,理解しやすいでしょう。
(i) $k=\cfrac{2-\sqrt{3}}{2}$ のとき
まず,$D=0$ の場合から考えると良いでしょう。
また,$k=\cfrac{2+\sqrt{3}}{2}$ のときも $D=0$ となるので,共有点は 2 個です。
(ii) $0<k<\cfrac{2-\sqrt{3}}{2}$ のとき
判別式としては $D>0$ だから,共有点は 2 個ですが,上と同様に $x\geqq0$ のときと,$x<0$ のときで 2 個ずつできます。合わせて 4 個です。
また,判別式から考えて,$\cfrac{2+\sqrt{3}}{2}<k$ のときも共有点は 4 個できます。ただし,これには注意が必要です。
(iii) $k=2$ のとき
$C_1$ と $y$ 軸との交点は $k-1$ であり,$k=2$ のとき,$k-1=1$ となります。これは $C_2$ 上の点でもあります。
(iv) $k>2$ のとき
さらに注意が必要な場合が,$k>2$ のときです。
したがって
$0<k<\cfrac{2-\sqrt{3}}{2}$ のとき 4 個。
$k=\cfrac{2\pm\sqrt{3}}{2}$ のとき 2個。
$\cfrac{2+\sqrt{3}}{2}<k<2$ のとき 4 個。
$k=2$ のとき 3 個。
$k>2$ のとき 2 個。
(答え)
2 次関数のグラフが $y$ 軸上の $k-1$ を通ることと,$(1,-1),\space(-1,-1)$ を通ることに注意して,どのような曲線ができるかを細かく調べていきましょう。
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