数III 高校数学の解法

【数Ⅲ積分】対数log を積分する(2) 置換積分

次に置換積分を用いる問題を考えてみましょう。

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置換積分を用いる問題その1

$\displaystyle \int\frac{\log(\log x)}{x}\enspace dx$

こういうのが出てきたら、とりあえず $\log$ を置換してみるといいよ。

$\log x=t$ として両辺を微分すると

$\displaystyle\frac{1}{x}dx=dt\\dx=x\enspace dt$


そうそう、学校で習ったからそうしてるけど、何で $dx$ とか $dt$ を付けていいのか分からない。

例えば、$y=x^2+3$ という関数があったとして、これを微分すると $y’=2x$ となります。そして、$y’$ は $\displaystyle\frac{dy}{dx}$ と表すこともできます。つまり、

$\displaystyle\frac{dy}{dx}=2x\\dy=2x\enspace dx$

とすることができるのです。

両辺に $dx$ をかけるんですね。

厳密に言うと違うけど、そのイメージで問題ないよ。


問題に戻りましょう。
$\displaystyle \int\frac{\log(\log x)}{x}\enspace dx$

ここで、$\log x=t$、$dx=x\enspace dt$ より
$\displaystyle=\int\frac{\log t}{x}x\enspace dt=\int\log t\enspace dt$
あとは前回解いた $\log x$ の問題と同じです。よって、
$=t\log t-t+C$
最後に $ t $ をもとに戻すのを忘れずに、
$=\log x\cdot\log(\log x)-\log x+C\\=\log x\{\log(\log x)-1\}+C$
(答え)

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置換積分を用いる問題その2

$\displaystyle\int\frac{dx}{x(3\log x+1)^2}$

一見複雑そうだけど、とにかく $\log x$ を置換。

$\log x=t$ とすると
$\displaystyle\frac{1}{x}dx=dt\\dx=x\enspace dt$
よって
$\displaystyle\int\frac{dx}{x(3\log x+1)^2}\\\displaystyle=\int\frac{x\enspace dt}{x(3t+1)^2}\\\displaystyle=\int\frac{dt}{(3t+1)^2}$

うまいこと約分できたね。

こういうのって、あらかじめ分かる方法あるんですか?

慣れると頭の中で二手三手先が見えてくるから、頭のいい人は分かると言えば分かるんじゃない?でも、我々平民には想像つかないから、分かんないけどとりあえず $\log$ を置換したらたまたま約分できたから、ラッキー!ってなるのが普通。

たまたまラッキー!にならなかったら?

置換するヤツを別なものにするとか作戦を変えると良い。積分はパズルと同じで何度もトライして突破するものなの。入試レベルの問題とか特にだけど、問題パッと見でいきなり模範解答通りの解法がひらめくことなんてまずないから、作戦変えながら何度もトライするの大事よ。

で、ここからどうするんですか?

作戦としては2つあって、$3t+1=u$ としてさらに置換かけていく方法と、そのまま解いていく方法がある。ただ、このくらいの積分ならそのまま解ける方がいいね。だからそっちでいくよ。

$\displaystyle\int\frac{dt}{(3t+1)^2}\\\displaystyle=\int(3t+1)^{-2}dt\\\displaystyle=\frac{(3t+1)^{-1}}{-1}\cdot\frac{1}{3}+C$

ここは合成関数の積分。関数を積分したあとにいわゆる中微分の逆数をかける(ここでは$\displaystyle\frac{1}{3}$)ってヤツを忘れないようにね。

よって
$\displaystyle=-\frac{1}{3(3t+1)}+C\\\displaystyle=-\frac{1}{3(3\log x+1)}+C$
(答え)

置換積分を用いる問題その3

では最後の問題。

$\displaystyle\int\frac{\log(\sin^2x)}{\tan x}dx$

何していいか全然想像つかないです。

これも解き方一通りではないし、色んな部分を置換して突破の道を探るべし。今回は $\sin$ のところを置換したら分子が $\log t$ みたいに単純な形になるじゃない?解けるかどうか分かんないけど、とりあえずそれで攻めてみようか。

$\sin^2x=t$ とすると
$2\sin x\cos x\enspace dx=dt\\\displaystyle dx=\frac{1}{2\sin x\cos x}\enspace dt$

ここも合成関数の微分だから、微分したときにうしろに $\cos x$ を付けるの忘れないようにね。

よって
与式 $\displaystyle=\int\frac{\log t}{\tan x}\cdot\frac{1}{2\sin x\cos x}\enspace dt\\\displaystyle=\int\frac{\log t}{\frac{\sin x}{\cos x}}\cdot\frac{1}{2\sin x\cos x}\enspace dt\\\displaystyle=\int\frac{\cos x\cdot\log t}{\sin x}\cdot\frac{1}{2\sin x \cos x}\enspace dt$
約分して整理すると
$\displaystyle=\int\frac{\log t}{2\sin^2 x}\enspace dt$
ここで、上で一度 $\sin^2 x=t$ としていたのを思い出しましょう。
$\displaystyle=\int\frac{\log t}{2t}\enspace dt\\\displaystyle=\frac{1}{2}\int\frac{\log t}{t}\enspace dt$
ここで計算が止まりました。

どうしたらいいの?

今までの経験則から言って、$\log$ を置換すればいけるんじゃない?

$\log t=u$ として
$\displaystyle\frac{1}{t}\enspace dt=du\\dt=t\enspace du$
よって
$\displaystyle=\frac{1}{2}\int\frac{u}{t}\cdot t\enspace du\\\displaystyle=\frac{1}{2}\int u\enspace du\\\displaystyle=\frac{1}{2}\cdot\frac{u^2}{2}+C\\\displaystyle=\frac{u^2}{4}+C$
ここから文字をもとに戻していきます。
$\displaystyle=\frac{(\log t)^2}{4}+C\\\displaystyle=\frac{\{\log (\sin^2 x)\}^2}{4}+C\\\displaystyle=\frac{\{2\log|\sin x|\}^2}{4}+C$

ん?何やってるか分からない。

対数の公式を思い出して。例えば $\log 3^2=2\log 3$ だったよね。ここでも、真数の $\sin$ が2乗になってるから、その2を前に下している。あと、真数は常に正じゃないとダメっていうルールがあったよね? $\sin$ は-1から1の間の数をとるから、絶対値を付けて常に正になるようにしているのよ。

よって
$=\{\log|\sin x|\}^2+C$
(答え)

手ごわい問題が並んでいますが、こうした問題を解く場合には $\log$ を置換するというイメージを頭の中に描きながら取り組んでみましょう。

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