教養

「速読」は本当に可能か? 科学者は否定的

驚くほどの超スピードで「速読」できると謳う本を書店の棚に見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。インターネットの普及した現代において、私たちが莫大なテキストから情報を効率よく取得することは生き残るための重要な能力かもしれません。あなたは忙しい生活を送る中で、「もし文章を素早く読む方法があるとしたら」と、速読に興味を抱くでしょう。

しかしながら、科学者の研究によると、読解のスピードは訓練によって多少は速くなるものの、劇的にスピードアップすることはないようです。

”動作のすべての形態の中にあったように、読み取りの速度と精度の間にはトレードオフの関係がありる。それゆえ、単語に出会う速度を上げると、テキストをどれだけよく理解して覚えるかに影響がある。”

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速く読むほど理解のレベルは下がる

研究者は速読を行っている人について調査を行っています。近年では、人間の目の動きを高速で記録することができる技術が確立されているため、人間がどのようにして文章を読んでいるかを詳細に追跡することができます。

私たちが文章を読むとき、単語を目で追って理解しながら文法の規則に沿ってその意味を把握します。そして、頻繁に前の単語にさかのぼって単語と単語のつながりを解釈しています。私たちがある程度複雑な文を読むとき、その意味をつかむためには文の前後の目の動きが必要になります。

研究者は、速読ができると主張している人々が実際にはスキミングと呼ばれる文の重要な箇所だけを抜き出して読む方法を行っていると考えています。その一方で、訓練をすることによって文の中から重要な単語やセンテンスを拾い上げる能力を身につけることは可能ですが、その詳細についての理解のレベルは下がります。速読を行う人は段落の初めの部分については良く理解していても、段落全体についてはあまり理解していないことが明らかにされています。

また、速読のテクニックとして、頭の中で文章を音声にして理解しないようにするというものがあります。黙読をしながら頭の中でそれを声にして読む読解のスピードが遅くなるので、声にしないで読むとスピードが上がると言われます。しかし、これもまた文章の理解のレベルを下げることになると研究者は主張しています。

結論としては、速く読む方法を用いればそれだけ理解のレベルは下がるということです。速読を謳う人々は、文章を読むスピードが驚くほど改善することを主張して商売をしていることを知っておいたほうが良いでしょう。

速く読むほど理解のレベルは下がる。多くの情報に触れることより、良質な情報に触れることが大切である。
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文章を速く読むには

あなたがそれでも文章を速く読みたいと思うなら、唯一の解決策は文をたくさん読むことです。文を多く読むことによって理解のスピードは改善します。しかしながら、そのスピードが劇的に改善することはないことも理解すべきでしょう。

私たちはなるべく良質な情報をどのようにして取り入れるかについて考えた方が生産的であると言えるのかもしれません。

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