人口は多い方が良いは本当か? 人口の少なさは幸福につながる

皆さんは人口の多い国、人口の少ない国を比べた場合、どちらが幸福だと思いますか?

一般的には、人口が多いほど都会であって、反対に人口が少ないほど田舎、と考えるので、人口が多いほうが良いと考えることが多いのではないでしょうか。

しかし、必ずしもこの考えは正しいと言えないのかもしれません。

“小さな国の市民ほど誇りとつながりを感じている。その人口が十分に少なければ、地域社会の要求を考慮に入れた公共政策を注意深く考える。保健サービスと教育サービスは日常の生活からあまり離れていない。人々はより関りを持ち尊重されていると感じている。私はたった人口500万人のスコットランドがそれをどのように達成するかを想像できる。しかし,残りの私たちはどうだろうか。(明治大)”

人口が多いほど豊か、ではない

例えば、スウェーデンなどの北欧諸国やスイスはいずれも人口が1000万人を下回る国家です。しかし、これらの国々は一人あたりのGDPが日本を上回っています。必ずしも人口が多いほど豊かであるというわけではないのです。

小さな社会の利点は、そこに住む一人一人が尊重されるということです。社会の中で何か問題が起こったとしてもそのことを身近な問題として捉えることができるので、小さな社会の方がより個人としての人間に即した政策を打ち出すことができるのです。

一方で、小さな社会は市場規模に限りがあるので経済的に繁栄するための選択肢が乏しくなります。北欧諸国やスイスには英語が堪能な人々が多く存在し、グローバル経済に対応することが可能であるからこそ豊かさを維持できていることも忘れてはなりません。

日本は人口減少社会に入り、今の豊かさを維持できないのではないか、という不安が私たちを覆いつつあります。その一方で、小さな社会で一人一人を大切にしながら、グローバル経済と結びつくことによって豊かさを維持している国々が存在していることを忘れるべきではないでしょう。