将来AIに仕事を奪われない子どもを育てるために教師は何を教えるべきか
アメリカで教育に関する研究活動を行っているweTHINK Inc.の代表カトリーナ・サラサルは,テレビゲームを通じて生徒に教えることができる15のスキルを紹介しています。
サラサルはeスポーツのようにプレイヤー同士がチームを作り,仲間と交信しならが相手と対戦するゲームを用い,それを通じて従来の試験勉強で教えることができず,教師が評価できなかった能力を育てることができると主張しています。
Embed from Getty Imagesサラサルはあらかじめ生徒たちにこれらのスキルを説明し,ゲームを終えたあとにそれぞれの項目を自己評価させました。生徒たちはゲームを繰り返すことでそれらの能力が向上していく過程を実感することができました。
AIによる自動化が進んでいく中で,将来多くの仕事がAIに置き換えられると言われています。そのような時代において,以下に示したスキルは機械に仕事を奪われることのない人材を育てる上で必要なものになると,サラサルは述べています。
リーダーシップ
自分の意見を述べる能力
相手を尊重しながら,自分の気持ちや必要とするものを直接表現する。
意思決定
最適なものの考え方や行動に到達するために,利用可能なすべての情報を慎重に評価する。
情報管理
より良い準備をするために,利用可能な情報源の一覧を作り,記録し,積極的に意識する。
チームワーク
協調
全員が望む目標を達成するために他の人と協力する。
衝突を解決する能力
交渉や取引,妥協など,積極的な戦略を使用して個人またはグループ間の不和を治める。
適応能力
与えられた状況に対して最適な方法で感情的な反応を調整したり,不利な状況からうまく回復したり,変化に積極的に適応したりする能力。
コミュニケーション
積極的に傾聴する能力
相手の言いたいことや感情を理解するために,相手の話を注意深く聞き,必要に応じて質問をする作業を行う。
共感する能力
他人の感情や考え,経験を理解し,それに気付き,敏感になり,自分の体験としてとらえる能力。
親しみやすさ
周囲の人から好感を持たれ,信頼できると思われ,相手を思いやり,相手を尊重していることを示す資質。
問題解決能力
創造性
独創的な作品や理論,技術,思考を生み出し,発展させる能力。
批判的思考
結論を出したり,判断を下したりするために,客観的な方法で情報を概念化したり,分析,総合化,適用したりする作業を行う。
目標設定
達成したいことを特定し,その目標を達成するための手続きを体系的に計画する作業を行う。
人格
あきらめない精神
困難な課題に直面しても粘り強く続け,目標達成を成功させる能力。
責任感
特定の結果に対する自分の行動や貢献に責任を持つこと。
自己統制
特に困難な状況や対立が生じている状況で,精神的,感情的に,また行動に基づいて自分自身をコントロールする能力。
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