三角関数と二次関数の融合問題(東京都立大2016文系第4問)
$\theta$ は $0\leqq\theta<2\pi$ をみたす実数とする。
$f(x)=x^2-(2\cos\theta)x-\sin^2\theta+\sin\theta+\cfrac{1}{2}$
とおくとき,以下の問いに答えなさい。(東京都立大2016)
(1) 放物線 $y=f(x)$ の頂点を求めなさい。
(2) 方程式 $f(x)=0$ が異なる 2 つの実数解をもつような $\theta$ の範囲を求めなさい。
(3) $\theta$ が(2)で求めた範囲を動くとき,放物線 $y=f(x)$ と $x$ 軸で囲まれる図形の面積を $S(\theta)$ とする。$S(\theta)$ を最大にする $\theta$ の値と,$S(\theta)$ の最大値を求めなさい。
平方完成
(1)から始めます。
頂点を求めるので,式を平方完成しましょう。
$f(x)=(x-\cos\theta)^2-\cos^2\theta-\sin^2\theta+\sin\theta+\cfrac{1}{2}$
$=(x-\cos\theta)^2-1+\sin\theta+\cfrac{1}{2}$
$=(x-\cos\theta)^2+\sin\theta-\cfrac{1}{2}$
頂点の座標は $\Big(\cos\theta,\space\sin\theta-\cfrac{1}{2}\Big)$ (答え)
判別式を求める
(2)に進みます。
判別式を作り,$D>0$ であれば異なる 2 つの実数解が存在することになります。
$\cfrac{D}{4}=\cos^2\theta+\sin^2\theta-\sin\theta-\cfrac{1}{2}$
$=1-\sin\theta-\cfrac{1}{2}$
$=\cfrac{1}{2}-\sin\theta>0$
$\sin\theta<\cfrac{1}{2}$
$0\leqq\theta<2\pi$ より
$0\leqq\theta<\cfrac{\pi}{6}$,$\cfrac{5\pi}{6}<\theta<2\pi$ (答え)
6分の1公式で面積を求める
$f(x)=0$ の解を $\alpha,\beta$ とすると,6分の1公式を使って面積を求めることができます。
6分の1公式
$S=\cfrac{(\beta-\alpha)^3}{6}$ $(\alpha<\beta)$
$\theta=\cfrac{3\pi}{2}$ のとき,$\Big|\sin\theta-\cfrac{1}{2}\Big|$ は最大となるので,$S(\theta)$ も最大となる。
これを当てはめて面積を求めましょう。まず,$\beta-\alpha$ を考えます。
$\alpha=\cos\theta-\sqrt{\frac{D}{4}}$
$\beta=\cos\theta+\sqrt{\frac{D}{4}}$
よって
$\beta-\alpha=2\sqrt{\frac{D}{4}}$
(2)で $\cfrac{D}{4}$ を求めています。
$=2\sqrt{\cfrac{1}{2}-\sin\theta}$
$\theta=\cfrac{3\pi}{2}$ より
$=2\sqrt{\cfrac{1}{2}+1}$
$=2\sqrt{\cfrac{3}{2}}$
$=2\cdot\cfrac{\sqrt{6}}{2}$
$=\sqrt{6}$
したがって
$S(\theta)=\cfrac{(\sqrt{6})^3}{6}$
$=\sqrt{6}$ (答え)
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