さいころを投げるゲームと条件付き確率(横浜国立大2017理系第2問(文系第3問))

円卓に A,B,C,D,E,F の 6 人が下の図のように座っており,さいころが 1 個ある。

このとき,次の試行(*)を繰り返し,得点を獲得していくゲームを考える。ただし,ゲーム開始時は,A がさいころを持っており,各自の持ち点は 0 点であるとする。

(*)さいころを持っている人が,そのさいころを 1 回投げて,出た目を $k$ とする。このとき,投げた人から時計回りに $k$ 人目の人がさいころを受け取り,さいころを受け取った人の持ち点に $k$ 点が加算される。

たとえば,A がさいころを投げて 5 の目が出た場合は,F がさいころを受け取り,F の持ち点に 5 点が加算される。

試行(*)を 4 回繰り返してゲームを終了する。次の問いに答えよ。

(1) ゲーム終了時に A の持ち点が 0 点である確率を求めよ。

(2) ゲーム終了時に A の持ち点が 5 点である確率を求めよ。

(3) ゲーム終了時に A の持ち点が 5 点であるとき,E の持ち点が 3 点である条件付き確率を求めよ。

A 以外になる確率

この問題は案外あっさり終わります。(1)から始めましょう。

さいころを投げて A 以外がさいころを受け取ることを $a$ と表す。

A の持ち点が 0 点であるということは,4 回とも A 以外ということだから

$aaaa$

$\Big(\cfrac{5}{6}\Big)^4$ (答え)

A が 5 点である確率

(2)に進みます。

A は 4 回の合計で 5 点になれば良いので,1 回で 5 点になる場合や,2 点+3 点=5 点などのパターンが考えられます。順番に考えてみましょう。

・1 回で 5 点

この場合,B → A で 5 点です。それ以外は 0 点となるので

$\boxed{\text{BA}}aa$

の組み合わせです。そして,これには

$a\boxed{\text{BA}}a$
$aa\boxed{\text{BA}}$

のパターンもあるのを見逃さないようにしましょう。

したがって

$_3C_1\Big(\cfrac{1}{6}\Big)^2\Big(\cfrac{5}{6}\Big)^2=\cfrac{75}{6^4}$

・1 点と 4 点

$\boxed{\text{FA}}\space\boxed{\text{CA}}$

1 点となるのは F → A のとき。4 点となるのは C → A のときです。したがって

$\Big(\cfrac{1}{6}\Big)^4\times2=\cfrac{2}{6^4}$

・2 点と 3 点

$\boxed{\text{EA}}\space\boxed{\text{DA}}$
$\Big(\cfrac{1}{6}\Big)^4\times2=\cfrac{2}{6^4}$

これ以外にも,$1+1+1+2=5$ 点などの組み合わせも考えられますが,A → A と進むと 6 点になってしまうので,このような組み合わせは作れないことが分かります。

そうやって考えると上の組み合わせで全てです。

したがって

$\cfrac{75}{6^4}+\cfrac{2}{6^4}+\cfrac{2}{6^4}=\cfrac{79}{1296}$ (答え)

条件付き確率を求める

(3)に進みます。

条件としては A が 5 点かつ E が 3 点となるので

$\boxed{\text{BE}}\space\boxed{\text{BA}}$

の組み合わせしかありません。よって

$\Big(\cfrac{1}{6}\Big)^2\Big(\cfrac{1}{6}\Big)^2\times2=\cfrac{2}{6^4}$

したがって,条件付き確率は

$\cfrac{\space\cfrac{2}{6^4}\space}{\cfrac{79}{6^4}}=\cfrac{2}{79}$ (答え)