さいころを 4 回振る場合の等式・不等式が成り立つ確率(基本レベル)(神戸大2016文系第3問)
さいころを 4 回振って出た目を順に $a,b,c,d$ とする。以下の問に答えよ。
(1) $ab\geqq cd+25$ となる確率を求めよ。
(2) $ab=cd$ となる確率を求めよ。
不等式が成り立つ確率
(1)から始めます。
$ab\geqq cd+25$
さいころなので,$a,b,c,d$ はそれぞれ 1 から 6 のどれかです。さいころ 2 つの目をかけ算すると,もっとも小さな値は $1\times1=1$,もっとも大きな値は $6\times6=36$ です。
$cd$ の最小は 1 だから
$ab\geqq 1+25$
$ab\geqq26$
ということになります。
これが成り立つ $a,b$ の組み合わせは
$(a,b)=(5,6),(6,5),(6,6)$
(i) $(a,b)=(5,6),(6,5)$ のとき
$5\times6\geqq cd+25$
$30\geqq cd+25$
$cd\leqq5$
これが成り立つ $c,d$ の組み合わせは
$(c,d)=(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(2,1),(2,2),(3,1),(4,1),(5,1)$
の 10 通りです。
$a,b$ は $(5,6),(6,5)$ の 2 通りあるので,合計 20 通りです。
(ii) $(a,b)=(6,6)$ のとき
$36\geqq cd+25$
$cd\leqq11$
これが成り立つ $c,d$ の組み合わせは
$(c,d)=(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(1,6),(2,1),(2,2),(2,3),(2,4),(2,5),(3,1),(3,2),(3,3),(4,1),(4,2),(5,1),(5,2),(6,1)$
の 19 通りです。
したがって,求める確率は
$\cfrac{20+19}{6^4}=\cfrac{13}{432}$ (答え)
等式が成り立つ確率
(2)に進みます。
$ab=cd$
$ab$ の取りうる値を考えると,$1\leqq ab\leqq36$ です。
たとえば,$ab=1$ のとき,$cd=1$ となるのは $(c,d)=(1,1)$ の 1 通りしかありません。
$ab=2$ のとき,$cd=2$ だから $(c,d)=(1,2),(2,1)$ の 2 通りです。$ab=3$ のときも,やはり 2 通りです。
$ab=4$ のときはどうでしょうか?この場合,$(c,d)=(1,4),(2,2),(4,1)$ の 3 通りです。
こうやって,1 から 36 について検討していくと
$ab=1,9,16,25,36$ のとき $c,d$ の組み合わせは 1 通り。
このとき,$ab$ の組み合わせも 1 通りです。
$ab=2,3,5,8,10,15,18,20,24,30$ のとき 2 通り。
たとえば,$ab=2$ となる組み合わせは $(a,b)=(1,2),(2,1)$ の 2 通りあるので,$c,d$ の組み合わせをさらに 2 倍する必要があります。
$ab=4$ のとき,3 通り。
同様に,$a,b$ の組み合わせも 3 通りあるので,さらに 3 倍する必要があります。
$ab=6,12$ のとき,4 通り。
したがって,求める確率は
$\cfrac{5+10\times2\times2+3\times3+2\times4\times4}{6^4}$
$=\cfrac{43}{648}$ (答え)
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