【スマホで読む・わかりやすい】共通テスト数学IA2022追試【解説・正解・問題】
第4問 正解
ア 3 イ 6 ウ 6 エ 2
オ,カ 4, 5 キ 3 ク 5
ケコサ 191
(1)
一般に,次のことが成り立つ。
$m$ を正の整数とし,2 つの整数 $a,b$ を $m$ で割った余りを,それぞれ $r,r’$ とすると
≪1≫ $a+b$ を $m$ で割った余りは,$r+r’$ を $m$ で割った余りに等しい。
≪2≫ $a-b$ を $m$ で割った余りは,$r-r’$ を $m$ で割った余りに等しい。
≪3≫ $ab$ を $m$ で割った余りは,$rr’$ を $m$ で割った余りに等しい。
≪4≫ $a^k$ を $m$ で割った余りは,$r^k$ を $m$ で割った余りに等しい。
$77k=5\times15k+2k$
$5\times15k$ は 5 で割り切れる(余りは 0)。よって,[1]より $2k$ を 5 で割った余りが 1 となれば良い。
ここで,$k=3$ のとき
$2\times3=6$
$6=5\times1+1$
となり,余りが 1 になる。
したがって $k=3$
・・・ア
(2)
$\cfrac{k}{5}+\cfrac{\ell}{7}+\cfrac{m}{11}-\cfrac{1}{385}$ が整数で,その整数を $n$ とすると
$\cfrac{k}{5}+\cfrac{\ell}{7}+\cfrac{m}{11}-\cfrac{1}{385}=n$
移項して
$\cfrac{k}{5}+\cfrac{\ell}{7}+\cfrac{m}{11}=\cfrac{1}{385}+n$ ・・・②
となる。②の両辺に 385 を掛けて
$77k+55\ell+35m=1+385n$ ・・・③
移項して
$77k=-55\ell-35m+385n+1$
$77k=5(-11\ell-7m+77n)+1$
(1)より,$77k$ は $k=3$ のときに 5 で割った余りが 1 になるので,上の等式が成り立つのは $k=3$ のときであることが分かる。
また,$55\ell=7(-11k-5m+55n)+1$ について考える。
(1)と同様にして,$55\ell$ を 7 で割った余りが 1 になるときを考える。
$55\ell=7\times7\ell+6\ell$
となり,$6\ell$ を 7 で割った余りを求めると
$\ell=6$ のとき
$6\ell=6\times6=36$
$36=7\times5+1$
となる。したがって,$\ell=6$
・・・イ
さらに,$35m=11(-7k-5\ell+35n)+1$ について考えると
$35m=11\times3m+2m$
$2m$ を 11 で割った余りが 1 になるのは,$m=6$ のとき。
・・・ウ
なお,$k=3,\ell=6,m=6$ を③に代入すると
$77\times3+55\times6+35\times6=1+385n$
$771=1+385n$
$385n=770$
$n=2$
となる。
(3)
$77\times3\times x+55\times6\times y+35\times6\times z$
$=77\times3\times x+5\times(11\times6\times y+7\times6\times z)$
$5\times(11\times6\times y+7\times6\times z)$ は 5 で割り切れる(余りは 0)。
よって,$77\times3\times x$ を 5 で割った余りが 2 であれば,式全体を 5 で割った余りも 2 となる。
$77\times3\times x=231\times x$
$=5\times46\times x+x$
$x$ を 5 で割った余りが 2 となるのは,$x=2$ のとき。
・・・エ
同様にして
$77\times3\times x+35\times6\times z$
は 7 で割り切れるので,あとは $55\times6\times y$ を 7 で割った余りが 4 となれば良い。
$55\times6\times y=330\times y$
$=7\times47\times y+ y$
$y$ を 7 で割った余りが 4 となるのは,$y=4$ のとき。
・・・オ
さらに
$77\times3\times x+55\times6\times y$
は 11 で割り切れるので,あとは $35\times6\times z$ を 11 で割った余りが 5 となれば良い。
$35\times6\times z=210\times z$
$=11\times19\times z+z$
$z$ を 11 で割った余りが 5 となるのは,$z=5$ のとき。
・・・カ
5, 7, 11 の最小公倍数は $5\times7\times11=385$ だから $385r$ は 5, 7, 11 のいずれでも割り切れる。よって,$M=p+385r$ は 5, 7, 11 で割った余りがそれぞれ 2, 4, 5 になる。
(4)
$p=77\times3\times2+55\times6\times4+35\times6\times5$
(3)より,$p$ を 5 で割った余りは 2 である。
≪4≫より,$p^a$ を 5 で割った余りは,$2^a$ を 5 で割った余りと等しい。
$a=2,3,4,\cdots$ の場合を,それぞれ求めると
$2^2=4$ ⇒ 5 で割った余りは 4
$2^3=8$ ⇒ 5 で割った余りは 3
$2^4=16$ ⇒ 5 で割った余りは 1
したがって,$p^a$ を 5 で割った余りが 1 となる正の整数 $a$ のうち,最小のものは $a=4$ である。
また
$p$ を 7 で割った余りは 4 である。
上と同様に,$4^b$ を 7 で割った余りを求めると良い。
$b=2,3,4,\cdots$ をそれぞれ求めると
$4^2=16$ ⇒ 7 で割った余りは 2
$4^3=64$ ⇒ 7 で割った余りは 1
したがって,$p^b$ を 7 で割った余りが 1 となる正の整数 $b$ のうち,最小のものは $b=3$ となる。
・・・キ
さらに
$p$ を 11 で割った余りは 5 である。
$5^c$ を 7 で割った余りを考える。
$c=2,3,4,\cdots$ をそれぞれ求めると
$5^2=25$ ⇒ 11 で割った余りは 3
$5^3=125$ ⇒ 11 で割った余りは 4
$5^4=625$ ⇒ 11 で割った余りは 9
$5^5=3125$ ⇒ 11 で割った余りは 1
したがって,$p^c$ を 11 で割った余りが 1 となる正の整数 $c$ のうち,最小のものは $c=5$ である。
・・・ク
まとめると
$p^4$ を 5 で割った余りは 1
$p^3$ を 7 で割った余りは 1
$p^5$ を 11 で割った余りは 1
これらを利用する。
まず,$p^8=(p^4)^2$ である。
≪4≫より,$p^8$ を 5 で割った余りは,$1^2=1$ を 5 で割った余りの 1 に等しい。
また,$p^8=(p^3)^2\times p^2$ である。
≪4≫より,$(p^3)^2$ を 7 で割った余りは,$1^2=1$ を 7 で割った余り 1 に等しい。
$p$ を 7 で割った余りは 4 だから,≪4≫より,$p^2$ を 7 で割った余りは,$4^2=16$ を 7 で割った余り 2 に等しい。
よって,≪3≫より,$p^8$ を 7 で割った余りは,$1\times2=2$ を $7$ で割った余り 2 に等しい。
さらに,$p^8=p^5\times p^3$ である。
$p$ を 11 で割った余りは 5 だから,≪4≫より,$p^3$ を 11 で割った余りは,$5^3=125$ を 11 で割った余り 4 に等しい。
よって,≪3≫より,$p^8$ を 11 で割った余りは,$1\times4=4$ を 11 で割った余り 4 に等しい。
まとめると
$p^8$ を 5 で割った余りは 1
$p^8$ を 7 で割った余りは 2
$p^8$ を 11 で割った余りは 4
ここで,(3)より
$t=77\times3\times x+55\times6\times y+35\times6\times z$
とする。$x=1$ として,$77\times3\times1$ を 5 で割ると,余りは 1 である。よって,$t$ を 5 で割った余りは 1 である。
同様に $y=2$ とすると,$t$ を 7 で割った余りは 2 であり,$z=4$ とすると,$t$ を 11 で割った余りは 4 になる。
ここで
$t=77\times3\times1+55\times6\times2+35\times6\times4$
とすると,5, 7, 11 で割った余りがそれぞれ 1, 2, 4 である整数は
$N=t+385r$
と表すことができる。よって
$p^8=t+385r$
とおく。
$t+385r$ を 385 で割った余りは,$t$ を 385 で割った余りに等しい。$t$ を求めると
$t=1731$
$t=385\times4+191$
となるので,$q=191$
・・・ケコサ
問題文
第3問~第5問は,いずれか2問を選択し,解答しなさい。
第4問
(1) 整数 $k$ が $0\leqq k < 5$ を満たすとする。$77k=5\times15k+2k$ に注意すると,$77k$ を 5 で割った余りが 1 となるのは $k=\boxed{\textsf{ア}}$ のときである。
(2) 三つの整数 $k$,$\ell$,$m$ が
$0\leqq k<5$,$0\leqq\ell<7$,$0\leqq m<11$
を満たすとする。このとき
$\cfrac{k}{5}+\cfrac{\ell}{7}+\cfrac{m}{11}-\cfrac{1}{385}$ ・・・①
が整数となる $k$,$\ell$,$m$ を求めよう。
① の値が整数のとき,その値を $n$ とすると
$\cfrac{k}{5}+\cfrac{\ell}{7}+\cfrac{m}{11}=\cfrac{1}{385}+n$ ・・・②
となる。②の両辺に 385 を掛けると
$77k+55\ell+35m=1+385n$ ・・・③
となる。これより
$77k=5(-11\ell-7m+77n)+1$
となることから,$77k$ を 5 で割った余りは 1 なので $k=\boxed{\text{ア}}$ である。
同様にして
$55\ell=7(-11k-5m+55n)+1$
および
$35m=11(-7k-5\ell+35n)+1$
であることに注意すると,$\ell=\boxed{\textsf{イ}}$ および $m=\boxed{\textsf{ウ}}$ が得られる。なお,$k=\boxed{\text{ア}}$,$\ell=\boxed{\text{イ}}$,$m=\boxed{\text{ウ}}$ を ③ に代入すると $n=2$ であることがわかる。
(3) 三つの整数 $x$,$y$,$z$ が
$0\leqq x<5$,$0\leqq y<7$,$0\leqq x<11$
を満たすとする。次の形の整数
$77\times\boxed{\text{ア}}\times x+55\times\boxed{\text{イ}}\times y+35\times\boxed{\text{ウ}}\times z$
を 5,7,11 で割った余りがそれぞれ 2,4,5 であるとする。このとき,$x$,$y$,$z$ を求めよう。$77\times\boxed{\text{ア}}\times x$ を 5 で割った余りが 72 であることから $x=\boxed{\textsf{エ}}$ となる。同様にして $y=\boxed{\textsf{オ}}$,$z=\boxed{\textsf{カ}}$ となる。$x$,$y$,$z$ を上で求めた値として,整数 $p$ を
$p=77\times\boxed{\text{ア}}\times x+55\times\boxed{\text{イ}}\times y+35\times\boxed{\text{ウ}}\times z$
で定める。このとき,5,7,11 で割った余りがそれぞれ 2, 4,5 である 整数 $M$ は,ある整数 $r$ を用いて $M=p+385r$ と表すことができる。
(4) 整数 $p$ を (3) で定めたものとする。$p^a$ を 5 で割った余りが 1 となる正の整数 $a$ のうち,最小のものは $a=4$ である。また,$p^b$ を 7 で割った余りが 1 となる正の整数 $b$ のうち,最小のものは $b=\boxed{\textsf{キ}}$ となる。さらに,$p^c$ を 11 で割った余りが 1 となる正の整数 $c$ のうち,最小のものは $c=\boxed{\textsf{ク}}$ である。
$p^8$ を 385 で割った余りを $q$ とするとき,$q$ を求めよう。$p^8$ を 5,7,11 で割った余りを利用して (3) と同様に考えると,$q=\boxed{\textsf{ケコサ}}$ であることがわかる。
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