【数IA】二重根号の公式って何で成り立つの?
二重根号の公式が成り立つ仕組み
まずは公式のおさらいから。
$\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}$ (ただし $a>0,b>0$)
たとえば,$\sqrt{7+2\sqrt{10}}$ なら $2+5=7$,$2\times5=10$ だから,$=\sqrt{2}+\sqrt{5}$ が成り立ちます。
二重根号の計算は因数分解を使ってあっさり解決できます。
ルートの中の部分で考えましょう。
$7+2\sqrt{10}$
$=2+5+2\sqrt{2\times5}$
ここで $2$ は $(\sqrt{2})^2$ に書き換えることができます。$5$ も $(\sqrt{5})^2$ と同じことです。
$=(\sqrt{2})^2+(\sqrt{5})^2+2\times\sqrt{2}\times\sqrt{5}$
並べかえて
$=(\sqrt{2})^2+2\times\sqrt{2}\times\sqrt{5}+(\sqrt{5})^2$
因数分解の公式 $a^2+2ab+b^2=(a+b)^2$ を使うと
$=(\sqrt{2}+\sqrt{5})^2$
となります。つまり
$\sqrt{2+5+2\sqrt{2\times5}}$
$=\sqrt{(\sqrt{2}+\sqrt{5})^2}$
$=\sqrt{2}+\sqrt{5}$
引き算の場合は注意が必要
二重根号の引き算のパターンも同じです。
$\sqrt{7-2\sqrt{10}}$
$=\sqrt{2+5-2\sqrt{2\times5}}$
$=\sqrt{(\sqrt{5})^2-2\times\sqrt{5}\times\sqrt{2}+(\sqrt{2})^2}$
$=\sqrt{(\sqrt{5}-\sqrt{2})^2}$
$=\sqrt{5}-\sqrt{2}$
$\sqrt{2}-\sqrt{5}$ は負の数になります。しかし,$(\sqrt{2}-\sqrt{5})^2$ のように何かの数を 2 乗したものは必ず正の数となるので
$=\sqrt{(\sqrt{2}-\sqrt{5})^2}$ ⇒ルートの中は正の数
$=\sqrt{2}-\sqrt{5}$ ⇒負の数
となって矛盾します。ルートの中が正の数なら,ルートを外した数も必ず正の数になります。したがってルートを外すときには
$=\sqrt{5}-\sqrt{2}$ ⇒正の数
とするのが正解なのです。
例えば,かっこの中が負の数だとしても
$\sqrt{(-3)^2}$
$=\sqrt{9}$
$=3$
となります。
こうして考えていくと,ルートを外したときに答えが負の数になるのはあり得ないということが分かってくると思います。
$-\sqrt{9}=-3$
$-\sqrt{(-3)^2}$
$=-\sqrt{9}$
$=-3$
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