第4問 正解
ア 4 イ 8 ウ 7 エ 3 オ 4
カ,キ 2,2 ク 1 ケ 7 コ 9
サ 4 シスセ 137
(1)
会話をヒントにして考えると良い。
自転車が歩行者を追いかけるときに,間隔が 1 分間に 1 ずつ縮まっていく。
自転車が出発したとき歩行者は y=2 の地点にいるので,出発して 2 分後に追いつくことになる。このとき自転車は y=2×2=4 進む。また,自転車は x=2 のときに出発するので,2 分後に追いつくなら x=2+2=4 のときに追いつく。
よって,自転車が最初に歩行者に追いつくときの時刻と位置を表す点の座標は (4,4) である。
・・・ア
また,実際にグラフに数値を書き込んでいくと,a2,b2 の値がわかる。
a2=8,b2=7
・・・イ,ウ
次に,自宅を出発した自転車が歩行者に追いつくときの時刻と位置を表す点の座標を求める。
時刻 an に自転車が出発したとき,歩行者は bn の地点にいる。自転車は 1 分間に距離を 1 ずつ縮めるので,bn 分後に歩行者に追いつくことになる。
よって,自転車が歩行者に追いつく時刻は an+bn
また,自転車は 1 分間に距離 2 ずつ進むので,bn 分間に 2bn 進む。
したがって座標は
(an+bn,2bn)
・・・エ,オ
さらに,an,bn の漸化式を求める。
ここも,実際にグラフに値を書き込んでみると良い。
an+1=an+bn+1+bn+1
=an+2bn+2 ・・・①
・・・カ,キ
bn+1=2bn+bn+1
=3bn+1 ・・・②
・・・ク
bn の一般項を求める。特性方程式を用いて
α=3α+1 とすると
2α=−1
α=−21
−)bn+1αbn+1−α===3bn3α3(bn−α)++11
bn+1+21=3(bn+21)
ここで,bn+21=cn とすると
c1=b1+21=2+21=25
よって,cn の一般項は
cn=25⋅3n−1
bn+21=25⋅3n−1
bn=25⋅3n−1−21
・・・ケ
次に,an の一般項を求める。
an+1=an+2bn+2
=an+5⋅3n−1−1+2
=an+5⋅3n−1+1
この場合,5⋅3n−1+1 は階差数列である。
数列 {an} の階差数列を {bn} とすると
n≧2 のとき an=a1+k=1∑n−1bk
an=a1+k=1∑n−1(5⋅3k−1+1)
ここで,k=1∑n−15⋅3k−1 は等比数列の和だから,公式を用いて
an=2+3−15(3n−1−1)+n−1
=25(3n−1−1)+n+1
=25⋅3n−1−25+n+1
=25⋅3n−1+n−23
・・・コ
(2)
自転車が歩行者に追いつくとき,y=2bn である。よって,不等式
2bn<300
を満たす最も大きな n を求めれば良い。
2bn=2(25⋅3n−1−21)
=5⋅3n−1−1<300
5⋅3n−1<301
3n−1<60.2
不等式を満たす最大の n は 4 だから
自転車が歩行者に追いつく回数は 4 回である。
・・・サ
また,4 回目に自転車が歩行者に追いつく時刻を求めると
x=a4+b4
=25⋅33+4−23+25⋅33−21
=5⋅33+2
=135+2
=137
・・・シスセ
問題文
第4問 (第3問~第5問は,いずれか2問を選択し,解答しなさい。)
以下のように歩行者と自転車が自宅を出発して移動と停止を繰り返している。歩行者と自転車の動きについて,数学的に考えてみよう。
自宅を原点とする数直線を考え,歩行者と自転車をその数直線上を動く点とみなす。数直線上の点の座標が y であるとき,その点は位置 y にあるということにする。また,歩行者が自宅を出発してから x 分経過した時点を時刻 x と表す。歩行者は時刻 0 に自宅を出発し,正の向きに毎分 1 の速さで歩き始める。自転車は時刻 2 に自宅を出発し,毎分 2 の速さで歩行者を追いかける。自転車が歩行者に追いつくと,歩行者と自転車はともに 1 分だけ停止する。その後,歩行者は再び正の向きに毎分 1 の速さで歩き出し,自転車は毎分 2 の速さで自宅に戻る。自転車は自宅に到着すると,1 分だけ停正した後,再び毎分 2 の速さで歩行者を追いかける。これを繰り返し,自転車は自宅と歩行者の問を往復する。
x=an を自転車が,n 回目に自宅を出発する時刻とし,y=bn をそのときの歩行者の位置とする。
(1) 花子さんと太郎さんは,数列 {an},{bn} の一般項を求めるために,歩行者と自転車について,時刻 x において位置 y にいることを O を原点とする座標平面上の点 (x,y) で表すことにした。
a1=2,b1=2 により,自転車が最初に自宅を出発するときの時刻と自転車の位置を表す点の座標は (2,0) であり,そのときの時刻と歩行者の位置を表す点の座標は (2,2) である。また,自転車が最初に歩行者に追いつくときの時刻と位置を表す点の座標は (ア,ア) である。よって
a2=イ,b2=ウ
である。
自転車が n 回目に自宅を出発するときの時刻と自転車の位置を表す点の座標は (an,0) であり,そのときの時刻と歩行者の位置を表す点の座標は (an,bn) である。よって,n 回目に自宅を出発した自転車が次に歩行者に追いつくときの時刻と位置を表す点の座標は,an,bn を用いて,(エ,オ) と表せる。
エ,オ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
以上から,数列 {an},{bn} について,自然数 n に対して,関係式
an+1=an+カ bn+キ ・・・①
bn+1=3bn+ク ・・・②
が成り立つことがわかる。まず,b1=2 と②から
bn=ケ (n=1,2,3,⋯)
を得る。この結果と,a1=2 および①から
an=コ (n=1,2,3,⋯)
がわかる。
ケ,コ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
(2) 歩行者が y=300 の位置に到着するときまでに,自転車が歩行者に追いつく回数は サ 回である。また,サ 回目に自転車が歩行者に追いつく時刻は,x=シスセ である。
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