【スマホで読む・わかりやすい】共通テスト数学IA2022本試【解説・正解・問題】
第4問 正解
ア,イウ 1, 39 エオ 17
カキク 664 ケ,コ 8,5
サシス 125 セソタチツ 12207
テト 19 ナニヌネノ 95624
(1)
$5^4$ を $2^4$ で割ったときの余りは 1 に等しい。このとき商は 39 である。よって
$5^4=2^4\cdot39+1$
と表すことができる。
これを①から引くと
$\begin{aligned}&5^4x&-&2^4y&=&1\\-)&5^4&-&2^4\cdot39&=&1\\\hline&5^4(x-1)&-&2^4(y-39)&=&0\end{aligned}$
移項して
$5^4(x-1)=2^4(y-39)$ ・・・(A)
5 と 2 は互いに素だから,$x-1$ は $2^4$ の倍数である。$k$ を整数として
$x-1=2^4k$
これを,(A)に代入すると
$5^4\cdot2^4k=2^4(y-39)$
$5^4k=y-39$
$y=5^4k+39$
よって
$\begin{cases}x=2^4k+1\\y=5^4k+39\end{cases}$ ($k$ は整数)
が成り立つ。
$x$ が正の整数で最小になるのは,$k=0$ のときだから,それぞれに代入して
$x=2^4\cdot0+1=1$
・・・ア
$y=5^4\cdot0+39=39$
・・・イウ
また,①の整数解のうち,$x$ が 2 桁の正の整数で最小になる場合を求める。$k=1$ とすると
$x=2^4\cdot1+1=17$
・・・エオ
$y=5^4\cdot1+39=664$
・・・カキク
(2)
(1)の問題文より,$5^4=625$ だから
$625^2=(5^4)^2=5^8$
・・・ケ
また,$m=39$ とすると,(1)で求めた商と余りの関係
$5^4=2^4\cdot39+1$ より
$5^4=2^4m+1$
両辺をそれぞれ 2 乗して
$(5^4)^2=(2^4m+1)^2$
$625^2=2^8m^2+2\cdot2^4m+1$
$625^2=2^8m^2+2^5m+1$
・・・コ
(3)
②を移項すると
$5^5x=2^5y+1$ ・・・(B)
となるので,$5^5x$ を $2^5$ で割った余りは 1 となる。
また,(2)より
$625^2=2^8m+2^5m+1$ ・・・(C)
である。そして,(B),(C)を $5^5x-625^2$ に代入すると
$5^5x-625^2$
$=2^5y+1-2^8m^2-2^5m-1$
$=2^5y-2^8m^2-2^5m$
$=2^5(y-2^3m^2-m)$
となる。試験中に実際にこの計算をするのではなく,引き算することで余りの 1 が消去されることが理解できれば良い。
また
$5^5x-625^2$
$=5^5x-5^8$
$=5^5(x-5^3)$
と表すこともできるので,$5^5x-625^2$ は $5^5$ でも $2^5$ でも割り切れる。
また,$5$ と $2$ は互いに素なので,それぞれ 5 乗した $5^5$ と $2^5$ も互いに素である。
ここで互いに素であるということは,5 は 2 で割り切れないということでもある。そこで,$5^5$ と $2^5$ で割り算すると
$\cfrac{5\cdot5\cdot5\cdot5\cdot5}{2\cdot2\cdot2\cdot2\cdot2}$
となるので,同じように割り切れないことが確かめられる。これは 5 乗に限らず何乗でも成り立つ。
よって,$5^5x-625^2$ は $5^5\cdot2^5$ の倍数である。
上記をふまえた上で,②の整数解を考えていく。
$5^5x-625^2$ は $5^5\cdot2^5$ の倍数であることから,$k$ を整数として
$5^5x-625^2=5^5\cdot2^5k$
とすると
$5^5x-5^8=5^5\cdot2^5k$
両辺を $5^5$ で割ると
$x-5^3=2^5k$
$x=2^5k+5^3$
$x=2^5k+125$
ここで,$k=0$ とすると
$x=125$
・・・サシス
$x=125=5^3$ を②に代入すると
$5^5\cdot5^3-2^5y=1$
$5^8-2^5y=1$
$2^5y=5^8-1$
このまま $y$ を求めても良いが,(C)を利用することができる。
$625^2=2^8m^2+2^5m+1$
$5^8=2^8m^2+2^5m+1$
だから,これを代入すると
$2^5y=2^8m^2+2^5m+1-1$
$2^5y=2^8m^2+2^5m$
両辺を $2^5$ で割ると
$y=2^3m^2+m$
$=2^3\cdot39^2+39$
$=12207$
・・・セソタチツ
(4)
(3)で行ったことをもとにして考えていく。
$11^4$ を $2^4$ で割ったときの余りは 1 に等しいことから,$k$ を整数として
$11^4=2^4k+1$
両辺を 2 乗すると
$11^8=2^8k^2+2^5k+1$ ・・・(D)
となる。また
$11^5x-2^5y=1$
を移項すると
$11^5x=2^5y+1$ ・・・(E)
となるので,$11^5x$ を $2^5$ で割った余りは 1 である。
ここで,(3)と同じように余りの 1 を消去することを考えると良い。(E) から (D) をひくと
$11^5x-11^8=2^5y+1-2^8k^2-2^5k-1$
$=2^5y-2^8k^2-2^5k$
$=2^5(y-2^3k^2-k)$
となるので,$11^5x-11^8$ は $2^5$ で割り切れる。また
$11^5x-11^8=11^5(x-11^3)$
とすることもできるので,$11^5x-11^8$ は $11^5$ で割り切れる。
つまり,$11^5x-11^8$ は $2^5\cdot11^5$ の倍数である。
$n$ を整数として
$11^5x-11^8=2^5\cdot11^5n$
とすると
$11^5x=2^5\cdot11^5n+11^8$
両辺を $11^5$ で割ると
$x=2^5n+11^3$
$=32n+1331$
ここで $x$ が正の整数で最小になるように $n$ の値を考えると,$n=-41$ となる。
$x=32(-41)+1331$
$=-1312+1331$
$=19$
・・・テト
$x=19$ を $11^5x-2^5y=1$ に代入すると
$11^5\cdot19-2^5y=1$
$2^5y=11^5\cdot19-1$
$32y=161051\cdot19-1$
$32y=3059969-1$
$32y=3059968$
$y=95624$
・・・ナニヌネノ
問題文
第4問(第3問~第5問は,いずれか2問を選択し,解答しなさい。)
(1) $5^4=625$ を 21 で割ったときの余りは 1 に等しい。このことを用いると,不定方程式
$5^4x-2^4y=1$ ・・・①
の整数解のうち,$x$ が正の整数で最小になるのは
$x=\boxed{\enspace\textsf{ア}\enspace}$,$y=\boxed{\enspace\textsf{イウ}\enspace}$
であることがわかる。
また,①の整数解のうち,$x$ が 2 桁の正の整数で最小になるのは
$x=\boxed{\enspace\textsf{エオ}\enspace}$,$y=\boxed{\enspace\textsf{カキク}\enspace}$
である。
(2) 次に $625^2$ を $5^2$ で割ったときの余りと, $2^5$ で割ったときの余りについて考えてみよう。
まず
$625^2=5^{\boxed{\textsf{ケ}}}$
であり,また,$m=\boxed{\enspace\text{イウ}\enspace}$ とすると
$625^2-2^{\boxed{\text{ケ}}}m^2+2^{\boxed{\textsf{コ}}}m+1$
である。これらより,$625^2$ を $5^2$ で割ったときの余りと,$2^5$ で割ったときの余りがわかる。
(3) (2) の考察は,不定方程式
$5^5x-2^5y=1$ ・・・②
の整数解を調べるために利用できる。
$x,y$ を②の整数解とする。$5^5x$ は $5^5$ の倍数であり,$2^5$ で割ったときの余りは 1 となる。よって,(2) により,$5^5x-625^2$ は $5^5$ でも $2^5$ でも割り切れる。$5^5$ と $2^5$ は互いに素なので,$5^5x-625^2$ は $5^5\cdot2^5$ の倍数である。
このことから,② の整数解のうち,$x$ が 3 桁の正の整数で最小になるのは
$x=\boxed{\enspace\textsf{サシス}\enspace}$,$y=\boxed{\enspace\textsf{セソタチツ}\enspace}$
であることがわかる。
(4) $11^4$ を $2^4$ で割ったときの余りは 1 に等しい。不定方程式
$11^5x-2^5y=1$
の整数解のうち,$x$ が正の整数で最小になるのは
$x=\boxed{\enspace\textsf{テト}\enspace}$,$y=\boxed{\enspace\textsf{ナニヌネノ}\enspace}$
である。
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