【数IA整数】正の約数の個数の求めかたをざっくり復習する(千葉大2019第3問)

正の約数の個数がちょうど mm 個であるような,1900 以上の自然数の中で最小のものを dmd_m とする。

(1) d5d_5 を求めよ。

(2) d15d_{15} を求めよ。

約数の個数の求めかた

(1) d5d_5 を求めよ。

約数の数ってどうやって考えるんでしたっけ?

約数の数について簡単におさらいしましょう。

例えば,24 の約数を考えてみましょう。24 を素因数分解すると

24=23×324=2^3\times3

となります。あとは,2 と 3 の組合せで約数が作れます。

20×30,21×30,22×30,23×302^0\times3^0,2^1\times3^0,2^2\times3^0,2^3\times3^0
20×31,21×31,22×31,23×312^0\times3^1,2^1\times3^1,2^2\times3^1,2^3\times3^1

計算すると 1,2,4,8,3,6,12,241,2,4,8,3,6,12,24 となり,これですべての約数が作れました。約数は 8 個です。

組合せを考えると,202^0232^3 の 4 通り,303^0 から 313^1 の 2 通り,つまり 4 通り × 2 通り= 8 通り,という計算ができます。

~乗のところを 1 個増やせばいいんですね。

おさらいが終わったところで,d5d_5,つまり約数が 5 個になる場合を考えてみましょう。

上でやったように,ある数が 2 種類の素数の積で表せるとします。上の例なら,23×32^3\times3 なら 4×2=84\times2=8 通りです。

○×△= 5 通り,というパターンを考えると,1 通り × 5 通り = 5 通りしかありません。

しかし上の例でやったように,素数が 3 なら 303^0313^1 の 2 通りが出てきます。つまり 1 通りをつくることができないのです。

ということは約数が 5 個になるパターンは,何らかの素数の 4 乗のときだけ,ということになります。

この条件で 1900 以上の最も小さい数を求めると

54=6255^4=62574=24017^4=2401

よって,d5=2401d_5=2401 (答え)

2 つの素数の組合せで考える

(2) d15d_{15} を求めよ。

(1)でやったことをさらに進めていきましょう。

もし,ある数が素数 1 個の積で表せる場合,もっとも小さい値は

214=163842^{14}=16384

です。これはさすがに大きすぎる感じがします。

では,素数 2 個の組合せならどうでしょうか。

この場合は,5 通り × 3 通り = 15 通りとなるパターンが作れます。

これを,x4y2x^4\cdot y^2 とすると

2432=1442^4\cdot3^2=144
2452=4002^4\cdot5^2=400
2472=7842^4\cdot7^2=784
24112=19362^4\cdot11^2=1936

よって,d15=1936d_{15}=1936 (答え)