【数IIB】絶対値のついた 2 次関数と解の個数を求める(千葉大2019第2問)
次の関数のグラフに関する以下の問いに答えよ。ただし,$m$ は実数とする。
$y=|x^2-2mx|-m$
(1) $m=1$ のときのグラフの概形をかけ。
(2) グラフと $x$ 軸の共有点の個数を求めよ。
グラフを描く
(1) $m=1$ のときのグラフの概形をかけ。
$m=1$ とすると
$y=|x^2-2x|-1$
絶対値の中身が正のときと負のときでわけて考えましょう。
(i) $x^2-2x\geqq0$ のとき
$x(x-2)\geqq0$
$x\leqq0,x\geqq2$
また
$y=x^2-2x-1$
平方完成して頂点の座標を求めます。
$=(x-1)^2-2$
$x$ 軸との交点を求めます。
$x^2-2x-1=0$ とすると
$x=1\pm\sqrt{1+1}=1\pm\sqrt{2}$
(ii) $x^2-2x<0$ のとき
$x$ の範囲は,$0<x<2$ です。
$y=-x^2+2x-1$
$=-(x^2-2x)-1$
$=-(x-1)^2$
頂点が (1,0) になるので,これが $x$ 軸との交点になります。
したがって
2 次関数の解の個数を考える
(2) グラフと $x$ 軸の共有点の個数を求めよ。
この問題は,$|x^2-2mx|-m=0$ の解の個数を求めることと同じです。これを変形して
$|x^2-2mx|=m$
としておきます。
(i) $m<0$ のとき
$|x^2-2mx|\geqq0$
$|x^2-2mx|=m$ を考えると,右辺がマイナスで左辺が 0 以上の値とすると,この方程式を満たす $x$ はありません。
よって,共有点は 0 個。
(ii) $m=0$ のとき
$|x^2-2mx|=m$ は
$|x^2|=0$
$x=0$
共有点は 1 個。
(iii) $m>0$ のとき
この場合は少し考える必要があります。
$y=|x^2-2mx|$ として
$x^2-2mx\geqq0$ のとき
$x(x-2m)\geqq0$
$x\leqq0,x\geqq2m$
平方完成して
$y=x^2-2mx$
$=(x-m)^2-m^2$
頂点の座標は $(m,-m^2)$ です。
また,$x^2-2mx<0$ のとき
$0<x<2m$
$y=-x^2+2mx$
$=-(x^2-2mx)$
$=-(x-m)^2+m^2$
頂点の座標は $(m,m^2)$ です。
$m$ の値によって共有点の個数が変わります。
$0<m<m^2$ のとき
グラフから,共有点は 4 個です。$m$ の範囲を求めましょう。
不等式を変形すると
$m^2-m>0$
$m(m-1)>0$
$m<0,m>1$
$m<0$ は不適なので,$m>1$
$m=m^2$ のとき
共有点は 3 個です。
$m^2-m=0$
$m(m-1)=0$
$m=0,1$
$m=0$ は不適なので,$m=1$
$m>m^2$ のとき
共有点は 2 個です。
$m^2-m<0$
$m(m-1)<0$
$0<m<1$
以上をまとめると
$m<0$ のとき,共有点は 0 個。
$m=0$ のとき,共有点は 1 個。
$0<m<1$ のとき,共有点は 2 個。
$m=1$ のとき,共有点は 3 個。
$m>1$ のとき,共有点は 4 個。
(答え)
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