長方形を 1 回転させてできる図形の面積
問題文の条件をもとに図を描くと上のようになります。今回のポイントは点 D が x 軸より上にあるか下にあるかでもとめる図形の形が異なるところです。
点 D が x 軸より上にあるとき
このように,大きな円から小さな円の面積を引いたものが S になります。大きな円の半径は OA で,小さな円の半径は点D の y 座標となります。
点 D が x 軸より下にあるとき
今度は OA を半径とする円の面積を求めれば良いことになります。
まず,ABCD の座標を求めましょう。
A(t,−t2+2a)
B(−t,−t2+2a)
C(−t,2t2−a)
D(t,2t2−a)
また,2 点 A,D の x 座標は等しく,かつ正である,という条件から
t>0 ・・・①
が成り立ちます。
さらに,点 A の y 座標は点 D の y 座標より大きい,という条件から
−t2+2a>2t2−a
3t2<3a
t2<a
−a<t<a ・・・②
①,②より
0<t<a
次に円の半径を求めましょう。
OA2=t2+(−t2+2a)2
=t2+t4−4at2+4a2
=t4+(1−4a)t2+4a2 ・・・③
OD2=t2+(2t2−a)2
=t2+4t4−4at2+a2
=4t4+(1−4a)t2+a2 ・・・④
ここから,点 D が x 軸より上にあるとき,つまり大きな円から小さな円の面積を引くパターンを考えてみましょう。
(i) 2t2−a≧0 のとき
2t2≧a
t2≧2a
t>0 より
t≧2a
このとき
S=πOA2−πOD2
=π{t4+(1−4a)t2+4a2}−π(2t2−a)2
=π{t4+(1−4a)t2+4a2−4t2+4at2−a2}
=π(−3t4+t2+3a2)
次に,点 D が x 軸より下にあるときを求めます。
(ii) 2t2−a<0 のとき
2t2<a
t2<2a
t>0 より
t<2a
このとき
S=πOA2
=π{t4+(1−4a)t2+4a2}
したがって
S=π(−3t4+t2+3a2) (2a≦t<a)
S=π{t4+(1−4a)t2+4a2} (0<t<2a)
(答え)
最大値を求める
(1)で求めた通り,S は 2 パターンあるので,それぞれについて最大値を求め,それらのうち大きな方を S 最大値とします。
(i) 2a≦t<a のとき
S=π(−3t4+t2+3a2)
ここで −3t4+t2+3a2 について
t2=k として
−3k2+k+3a2
平方完成すると
=−3(k2−3k)+3a2
=−3(k−61)2+121+3a2
よって最大値は π(121+3a2)
(ii) 0<t<2a のとき
S=π{t4+(1−4a)t2+4a2}
t4+(1−4a)t2+4a2 について
t2=k として
k2+(1−4a)k+4a2
=(k+21−4a)2−4(1−4a)2+4a2
=(k+21−4a)2−41−8a+16a2−16a2
=(k+21−4a)2+48a−1
=(k+21−4a)2+2a−41
今度は下に凸のグラフなので,頂点は最小値を表します。グラフの軸は −21−4a です。
−21−4a=24a−1
=2a−21
ここで 61<a<41 という条件を考えると,
a<41
2a<21
2a−21<0
となるので,頂点は y 軸より左側になります。一方で,t は正の数だから 0<t<2a の区間でグラフは単調増加です。
よって,π(121+3a2) が最大値です。
最大値は k=61 のとき π(121+3a2) (答え)
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