整数が割り切れるとき,余りが出るときの確率(東京都立大2019文系第3問)
1 から 6 の目が出る確率が等しいさいころが 1 個ある。A,B の 2 人がそれぞれ 1 回さいころを投げ,出た目をそれぞれ $a,b$ とする。$a\leqq b$ のときは,$b$ を $a$ で割った余りを A の得点とし,B の得点は $-1$ とする。$a>b$ のときは,$a$ を $b$ で割った余りを B の得点とし,A の得点は $-1$ とする。A,B の得点をそれぞれ $r,s$ とする。以下の問いに答えなさい。(東京都立大2019)
(1) $r=0$ となる確率を求めなさい。
(2) 積 $rs$ が 0 となる確率を求めなさい。
(3) 1 以上 6 以下の整数 $n$ であって「$r=n$ となる確率が正」となるもののうち,最大のものを求めなさい。
割り切れるときの確率
(1)から始めます。
$r$ は A の得点です。$a>b$ のときはつねに $r=-1$ となるので,考えるのは $a\leqq b$ のときです。
問題文から,$b$ を $a$ で割った余りを $r$ とするので,$r=0$ ということは,割った余りが 0 である,つまり割り切れるという意味になります。
割り切れる $a$ と $b$ の組み合わせを数えてみると
(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5),(1,6)
(2,2),(2,4),(2,6)
(3,3),(3,6)
(4,4)
(5,5)
(6,6)
合わせて 14 通りです。さいころを 2 回投げたときの場合の数は 36 通りだから,確率は
$\cfrac{14}{36}=\cfrac{7}{18}$ (答え)
積が 0 となる確率
(2)に進みます。
積が 0 になるのは,$r=0$ または $s=0$ のときです。また,問題文からして A も B のどちらも 0 になることはありません。
$r=0$ となる確率は(1)で求めました。あとは $s=0$ の場合を考えます。
$a>b$ のとき
$a$ を $b$ で割った余りが 0 になる,つまり割り切れる組み合わせは
(2,1),(3,1),(4,1),(5,1),(6,1)
(4,2),(6,2)
(6,3)
合わせて 8 通りです。よって,確率は
$\cfrac{8}{36}=\cfrac{2}{9}$
したがって,確率は
$\cfrac{7}{18}+\cfrac{2}{9}=\cfrac{11}{18}$ (答え)
余りを考える
(3)に進みます。
(i) $r=1$ のとき
(2,3),(2,5),(3,4),(4,5),(5,6)
(ii) $r=2$ のとき
(3,5),(4,6)
したがって,整数 $n$ の最大は 2。(答え)
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