北海道大数IAIIB高校数学の解法

北海道大2021文系第3問【IIB三角関数】加法定理と半角の公式を使う・三角関数の最大最小(国公立レベルにチャレンジ)

教科書で加法定理や半角の公式が使えるようになったところで,少しレベル上げて国公立レベルの問題にチャレンジ。

実数 $x$ に対して,

$f(x)=\sqrt{3}\Big(x+\cfrac{\pi}{6}\Big)+2\sin^2\Big(x+\cfrac{2\pi}{3}\Big)+4\cos\Big(2\pi+\cfrac{\pi}{3}\Big)$

とおく。(北海道大2021)

(1) $t=\sin\Big(x+\cfrac{\pi}{6}\Big)$ とおく。$\sin^2\Big(x+\cfrac{2\pi}{3}\Big)$ と $\cos\Big(2x+\cfrac{\pi}{3}\Big)$ をそれぞれ $t$ の式で表せ。

(2) $0\leqq x\leqq\pi$ のとき,方程式 $f(x)=0$ の解をすべて求めよ。

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加法定理と半角の公式を使う

(1)から始めます。

解き方 1 通りではないのだけど,今回は加法定理と半角の公式使って突破してみる。

$\sin^2\Big(x+\cfrac{2\pi}{3}\Big)$

半角の公式

$\sin^2\theta=\cfrac{1-\cos2\theta}{2}$,$\cos^2\theta=\cfrac{1+\cos2\theta}{2}$

半角の公式より

$=\cfrac{1-\cos\Big(2x+\cfrac{4}{3}\pi\Big)}{2}$

加法定理

$\sin(\alpha\pm\beta)=\sin\alpha\cos\beta\pm\cos\alpha\sin\beta$
$\cos(\alpha\pm\beta)=\cos\alpha\cos\beta\mp\sin\alpha\sin\beta$

加法定理より

$=\cfrac{1}{2}-\cfrac{1}{2}\Big(\cos 2x\cos\cfrac{4}{3}\pi-\sin 2x\sin\cfrac{4}{3}\pi\Big)$
$=\cfrac{1}{2}-\cfrac{1}{2}\Big(-\cfrac{1}{2}\cos2x+\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin2x\Big)$
$=\cfrac{1}{2}-\cfrac{1}{4}(\sqrt{3}\sin2x-\cos2x)$ ・・・①

次に $t$ を 2 乗してみると良いでしょう。

$t^2=\sin^2\Big(x+\cfrac{\pi}{6}\Big)$

これ,ひらめかない。

実際,これに行きつくまでには試行錯誤は必要だろうね。2 乗すると半角の公式から $\cos2x$ の部分ができるから,要するにどうやって①の形に合わせようかって考えるの。

半角の公式より

$=\cfrac{1-\cos\Big(2x+\cfrac{\pi}{3}\Big)}{2}$

加法定理より

$=\cfrac{1}{2}-\cfrac{1}{2}\Big(\cos2x\cos\cfrac{\pi}{3}-\sin2x\sin\cfrac{\pi}{3}\Big)$
$=\cfrac{1}{2}-\cfrac{1}{2}\Big(\cfrac{1}{2}\cos2x-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin2x\Big)$
$=\cfrac{1}{2}+\cfrac{1}{4}(\sqrt{3}\sin2x-\cos2x)$

よって

$\cfrac{1}{4}(\sqrt{3}\sin2x-\cos2x)=t^2-\cfrac{1}{2}$ ・・・②

①に代入して

$\sin^2\Big(x+\cfrac{2}{3}\pi\Big)=\cfrac{1}{2}-t^2+\cfrac{1}{2}$

$=1-t^2$ (答え)

今度は,$\cos\Big(2x+\cfrac{2}{3}\pi\Big)$ を求めます。

$\cos\Big(2x+\cfrac{2}{3}\pi\Big)$

加法定理より

$=\cos2x\cos\cfrac{\pi}{3}-\sin2x\sin\cfrac{\pi}{3}$
$=\cfrac{1}{2}\cos2x-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin2x$
$=-\cfrac{1}{2}(\sqrt{3}\sin2x-\cos2x)$ ・・・③

ここで,②を変形すると

$-\cfrac{1}{2}(\sqrt{3}\sin2x-\cos2x)=1-2t^2$ ・・・④

③に代入して

$\cos\Big(2x+\cfrac{2}{3}\pi\Big)=1-2t^2$ (答え)

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三角関数の最大最小

(2)に進みます。

(1)の結果を用いて,$f(x)$ を $t$ の式に置き換えていきましょう。

$f(t)=\sqrt{3}t+2(1-t^2)+4(1-2t^2)$
$=\sqrt{3}t+2-2t^2+4-8t^2$
$=-10t^2+\sqrt{3}t+6$

右辺を $=0$ として,方程式の解を求めていきます。

$-10t^2+\sqrt{3}t+6=0$ として

$10t^2-\sqrt{3}t-6=0$
$t=\cfrac{\sqrt{3}\pm\sqrt{(\sqrt{3})^2+4\cdot10\cdot(-6)}}{20}$
$t=\cfrac{\sqrt{3}\pm\sqrt{243}}{20}$
$t=\cfrac{\sqrt{3}\pm9\sqrt{3}}{20}$
$=\cfrac{10\sqrt{3}}{20},\space-\cfrac{8\sqrt{3}}{20}$
$=\cfrac{\sqrt{3}}{2},\space-\cfrac{2\sqrt{3}}{5}$

答え出た。

まだ。これはあくまで $t$ の値。求めるのは $x$ の値だから注意。


$t=\sin\Big(x+\cfrac{\pi}{6}\Big)$ より

$\sin\Big(x+\cfrac{\pi}{6}\Big)=\cfrac{\sqrt{3}}{2}$ とすると

$x+\cfrac{\pi}{6}=\cfrac{\pi}{3},\space\cfrac{2\pi}{3}$

ここは当てはまる $\sin$ が 2 個出てくるところに注意。

第 1 象限と第 2 象限か。

$x=\cfrac{\pi}{3}-\cfrac{\pi}{6},\space\cfrac{2\pi}{3}-\cfrac{\pi}{6}$
$=\cfrac{\pi}{6},\space\cfrac{\pi}{2}$

また,$\sin\Big(x+\cfrac{\pi}{6}\Big)=-\cfrac{2\sqrt{3}}{5}$ とすると

$x+\cfrac{\pi}{6}$ 求められないですよ。

そうだね。ここで一回手詰まりになるかも。こうなったら問題文もう一度読み直して,ヒントを探す。

$0\leqq x\leqq\pi$ より

$\cfrac{\pi}{6}\leqq x+\cfrac{\pi}{6}\leqq\cfrac{7\pi}{6}$
$-\cfrac{1}{2}\leqq\sin\Big(x+\cfrac{\pi}{6}\Big)\leqq1$

実はさっき出した $x=\cfrac{\pi}{6},\space\cfrac{\pi}{2}$ もこの範囲に入っているかちゃんと確認する必要がある。

範囲入ってますね。

じゃあ,オッケーということで。次に $-\cfrac{2\sqrt{3}}{5}$ がこの範囲に入るかどうか確かめると良い。


$-\cfrac{2\sqrt{3}}{5}$ と $-\cfrac{1}{2}$ の大小を比べてみましょう。平方根が含まれているので,2 乗します。

$\cfrac{12}{25}$ $\cfrac{1}{4}$
$\cfrac{48}{100}>\cfrac{25}{100}$

となります。つまり

$-\cfrac{2\sqrt{3}}{5}<-\cfrac{1}{2}$

もともとの値にはマイナスがついてるから,大小関係が逆になる。

よって,式を満たす $x$ は存在しない。

したがって $x=\cfrac{\pi}{2},\space\cfrac{\pi}{6}$ (答え)

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