【数II高次方程式】工夫が必要な高次方程式の解き方(右辺を移項/平方の差)

ここでは,高次方程式の解き方に工夫が必要なものを取り上げてみます。

右辺を移項する

[問題] $8x^3=1$

$x=\cfrac{1}{2}$ って解ですよね。
そうね。それは式の見た目で分かるね。でも他にもあるよ。

この問題は右辺を移項するのがポイントです。

$8x^3-1=0$

これを $(2x)^3-1^3=0$ とすると公式が使えます。

公式 $a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)$

$(2x-1)(4x^2+2x+1)=0$

$4x^2+2x+1=0$ とすると解の公式より

$x=\cfrac{-1\pm\sqrt{1-4}}{4}$
$=\cfrac{-1\pm\sqrt{3}i}{4}$

したがって,方程式の解は

$x=\cfrac{1}{2},\cfrac{-1\pm\sqrt{3}i}{4}$ (答え)

平方の差に持ち込む

[問題] $x^4+5x^2+9=0$

$x$ に値入れても $=0$ になるヤツが見つからないです。
そういうときに使えるのが平方の差。

少し分かりやすくするために,$x^2=X$ としておきます。

$X^2+5X+9=0$

これを平方の差に持ち込みます。考え方としては,平方完成したときに $+9$ が消えるように調節するとよいでしょう。

$(X+3)^2=X^2+6X+9$ だから,式を変形して

$X^2+6X+9-X=0$
$(X+3)^2-X=0$

なんかヘンな感じ。
そうだね。結構ムリヤリに式変形している感じ。テクニックとして知らない限り,考えて思いつくようなものではないかも。

$X$ をもとに戻して

$(x^2+3)^2-x^2=0$

ここから,因数分解の公式を用います。

[公式] $a^2-b^2=(a+b)(a-b)$ より

$(x^2+3+x)(x^2+3-x)=0$

ここで,$x^2+x+3=0$ とすると解の公式より

$x=\cfrac{-1\pm\sqrt{1-12}}{2}$
$=\cfrac{-1\pm\sqrt{11}i}{2}$

また,$x^2-x+3=0$ とすると解の公式より

$x=\cfrac{1\pm\sqrt{1-12}}{2}$
$=\cfrac{1\pm\sqrt{11}i}{2}$

したがって,方程式の解は

$x=\cfrac{1\pm\sqrt{11}i}{2},\cfrac{-1\pm\sqrt{11}i}{2}$ (答え)