北海道大数IAIIB高校数学の解法

北海道大2016理系第3問【数IA確率】メダルの色の組み合わせ・それぞれのメダルを区別するかしないか,中学校に戻って考える

机のひきだし A に 3 枚のメダル,ひきだし B に 2 枚のメダルが入っている。ひきだし A の各メダルの色は金,銀,銅のどれかであり,ひきだし B の各メダルの色は金,銀のどちらかである。(北海道大2016)

(1) ひきだし A のメダルの色が 2 種類である確率を求めよ。

(2) ひきだし A,B をあわせたメダルの色が 2 種類である確率を求めよ。

(3) ひきだし A,B をあわせてちょうど 3 枚の金メダルが入っていることがわかっているとき,ひきだし A のメダルの色が 2 種類である確率を求めよ。

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メダルを 1 枚ずつ引く作業を想像する

(1)から考えます。

ひきだし A における 2 種類の組み合わせは,金銀,金銅,銀銅の 3 通りです。

ただし,金銀の組み合わせには,金 1 枚・銀 2 枚,金 2 枚・銀 1 枚の 2 通りがあるので,全部で $2\times3=6$ 通りです。

たとえば,金 1 枚・銀 2 枚の確率を考えると,1 枚のメダルが金である確率は $\cfrac{1}{3}$,銀である確率も $\cfrac{1}{3}$ です。

そして,3 枚のメダルの組み合わせとしては,金銀銀,銀金銀,銀銀金の 3 通りがあります。

$\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times3=\cfrac{1}{9}$

単に $\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3$ はダメですか?

確かに,イメージ分かりにくいよね。


ここは単にひきだしの中のメダルを一度に見るのではなく,そのメダルを選ぶ作業を考えると良いでしょう。たとえば,金銀銅のメダルをそれぞれ $\cfrac{1}{3}$ の確率で選んで,1 枚ずつひきだしの中に入れるとします。

このとき,金 1 枚,銀 2 枚を引くとしたら,金→銀→銀,銀→金→銀,銀→銀→金 の順で引く場合があることが分かります。この場合なら,3 をかけなければならないことが想像できると思います。

メダルの組み合わせは 6 通りあるので

$\cfrac{1}{9}\times6=\cfrac{2}{3}$ (答え)

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メダルを区別するかしないか

だったら,1 枚ずつじゃなくて一度に 3 枚引いたらダメですか?

確かに,メダル 3 枚の組み合わせを樹形図を作って数えると 10 通りが考えられるはずです。おそらく,そのとき解は $\cfrac{6}{10}=\cfrac{3}{5}$ です。しかし,10 を分母にするのは間違っています。なぜなら,順番を無視して考えたときに,たとえば金金金の組み合わせを引く確率と金金銀の組み合わせを引く確率は同じではないからです。考えられる組み合わせがすべて同じ確率で出現するならば分母を 10 にしても良いのですが,今回のケースはそうではないことに注意してください。

確率違うの?

中学校の話に戻りましょう。大小 2 つのさいころをふって,1-1 が出る場合と 2-3 が出る場合を考えます。

2 つのさいころを区別するなら,1-1 が出る場合は大 1,小 1 の 1 通りしかなく,2-3が出る場合は大 2,小 3 または 大 3,小 2 の 2 通りがあります。

ですね。

そして,実際のところ,さいころの目の組み合わせは,さいころの大きさが同じでも違っていても,それで確率が変わることはありません。つまり,1-1 が出る確率と 2-3 が出る確率は同じではないのです。だから,2-3の組み合わせがでる確率を単純に $\cfrac{1}{6^2}$ とすることはできません。正しくは,$\cfrac{2}{6^2}$ です。

確率が異なるのは,1-1 の組み合わせの場合,大きなさいころは 1 でなければならないのに対し,2-3 の場合は大きなさいころが 2 のときと 3 のときがあるからです。つまり,当てはまる範囲がそれだけ広くなるからだ,と考えると納得がいくかもしれません。

このへん,中学校で確率習ったとき何となくで通り過ぎたかもしれないけど,実は直感的な感覚に反する部分だよね。数学ってそういうのを発見していく学問。

したがって,同じように金金金のメダルを引く場合と,金金銀のメダルを引く確率は同じではないと言えるのです。

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組み合わせを場合分けして考える

(2)に進みます。

(1)と同じように,メダルを選んでひきだしの中に入れる作業をイメージすると良いでしょう。

ここは,2 種類の組み合わせを地道に考えていく必要があります。

(i) A 金金金,B 金銀または銀銀のとき

A が 金金金 のとき,確率は $\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3$ です。

B は金,銀の 2 通りから選ぶので確率がそれぞれ $\cfrac{1}{2}$ になることに注意しましょう。また,B が金銀のとき,組み合わせは金→銀または銀→金の 2 通りなので,2 をかけましょう。

$\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^2\times2=\cfrac{1}{36}$

(ii) A 銀銀銀,B 金銀または金金のとき

(i)と同様に $\cfrac{1}{36}$

(iii) A 金金銀のとき

この場合は,B が金金や金銀,銀銀いずれでも条件に当てはまるので,B は何でも良いことになります。

また,A は組み合わせが金→金→銀,金→銀→金,銀→金→金の 3 通りあるので,3 をかけましょう。

$\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times3\times1=\cfrac{1}{9}$

(iv) A 金銀銀のとき

(iii)と同様に $\cfrac{1}{9}$

(v) A 金金銅のとき

この場合,B は金金の組み合わせしかありません。

$\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times3\times\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^2=\cfrac{1}{36}$

(iv) A 金銅銅のとき

(v)と同様に $\cfrac{1}{36}$

(vii) A 銀銀銅のとき

この場合,Bは銀銀の 1 通りです。

(v)と同様に $\cfrac{1}{36}$

(viii) A 銀銅銅のとき

(v)と同様に $\cfrac{1}{36}$

(ix) A 銅銅銅のとき

この場合,B は金金または銀銀です。

$\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^2\times2=\cfrac{1}{54}$

これで組み合わせがすべてそろいました。

したがって,求める確率は

$\cfrac{1}{36}\times6+\cfrac{1}{9}\times2+\cfrac{1}{54}$
$=\cfrac{9+12+1}{54}=\cfrac{11}{27}$ (答え)

条件付き確率を求める

(3)に進みます。

問題文の表現から,条件付き確率の問題であることをつかみましょう。

まずは,A,B をあわせてちょうど 3 枚の金メダルが入っている確率を求めます。

ここも,(1)(2)と同様にメダルを引いてひきだしに 1 枚ずつ入れていく作業をイメージします。

そうすると,A には金が少なくとも 1 枚は入ることが分かります。そこで,A に金が 1 枚入るとき,2 枚,3 枚のときを順番に考えます。

(i) A に金が 1 枚のとき

A は,金銀銀,金銅銅,金銀銅のいずれかです。また,B は金金の組み合わせになります。

A 金銀銀

$\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times3\times\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^2=\cfrac{1}{36}$

A 金銅銅 $\cfrac{1}{36}$

A 金銀銅 $\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times3!\times\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^2=\cfrac{2}{36}$

よって

$\cfrac{1}{36}+\cfrac{1}{36}+\cfrac{2}{36}=\cfrac{1}{9}$

(ii) A に金が 2 枚のとき

このとき,B は金が 1 枚になるので,金銀の組み合わせになります。

A 金金銀 $\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times3\times\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^2\times2=\cfrac{1}{18}$

A 金金銅 $\cfrac{1}{18}$

$\cfrac{1}{18}+\cfrac{1}{18}=\cfrac{1}{9}$

(iii) A に金が 3 枚のとき

このとき,B は銀銀の組み合わせになります。

$\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^2=\cfrac{1}{108}$

(i)~(iii)の確率をあわせると

$\cfrac{1}{9}+\cfrac{1}{9}+\cfrac{1}{108}=\cfrac{25}{108}$

これが条件付き確率の分母の側になります。今度は分子の側を求めます。

(iv) A に金が 1 枚のとき

ひきだし A のメダルの色が 2 種類だから

A 金銀銀 か A 金銅銅のいずれか

また,B は金金の組み合わせです。

$\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^3\times3\times2\times\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^2=\cfrac{1}{18}$

(v) A に金が 2 枚のとき

このとき,Bは金銀の組み合わせです。計算は結局,(ii)と同じになるので

$\cfrac{1}{9}$

A に金が 3 枚のときは条件に当てはまらないので考える必要はありません。

分子側は

$\cfrac{1}{18}+\cfrac{1}{9}=\cfrac{1}{6}$

したがって,条件付き確率は

$\cfrac{\enspace\cfrac{1}{6}\enspace}{\cfrac{25}{108}}=\cfrac{18}{25}$ (答え)

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