【数Ⅱ軌跡と領域】領域はタテ方向で考える 線形計画法における最大・最小の求め方
点$(x,y)$がこの領域$D$を動くとき、$3x+2y$の最大値と最小値を求めよ。(京都教育・改)
まずは領域の作りかたをマスター
まずは領域の作りかたから復習していきます。
$x\text≧ 0,y\text≧ 0$は以下のようになります。
ここがつまづきやすいポイントです。
$x+3y\text≦ 15$を変形すると$\displaystyle y\text≦ -\frac{1}{3}x+5$となります。
このとき、例えば$x$が$3$だったとしましょう。このとき$y$の値は$\displaystyle -\frac{1}{3}\cdot3+5=4$になります。
これは点$(3,4)$ということになります。
このとき、また別に例えば$x$は$3$で$y$は$2$という点があったとします。
$y$の値が小さい点は、下の方向に移動することになります。
また、$2x+y\text≦ 10$の領域はこうなります。
数字をいったん固定するためにkを用いる
ここで、$3x+2y=k$とします。
ここで、例えば$3x+2y$が$1$だとしましょう。式変形すると$\displaystyle y=-\frac{3}{2}x+\frac{1}{2}$になります。これをグラフで表すと次のようになります。
このとき、$\displaystyle y=-\frac{3}{2}x+\frac{1}{2}$は、もともと$3x+2y=1$だったので、この直線上の点はどこでも1になります。
そうすると、領域$D$と重なる範囲が絞られてきます。$\displaystyle 0\text≦ x\text≦ \frac{1}{3},0\text≦ y \text≦ \frac{1}{2}$のときに領域$D$と重なります。このようにして、いったん$x$と$y$の範囲を絞っていきます。
k がいろいろな値になるケースを考える
さらにここから、$3x+2y$が色んな数になる場合を考えてみましょう。
最大値は17、最小値は0…(答え)
となる。
最大・最小を式で表す
実際の証明の進め方はこうなります。
最大値を求める。
$3x+2y=k$として、
$\displaystyle y=-\frac{3}{2}x+\frac{1}{2}k$
点$(3,4)$を通るので、
$\displaystyle 4=-\frac{3}{2}\cdot3+\frac{1}{2}k$
より
$k=17$
最小値を求める。
$3x+2y=k$は点$(0,0)$を通るので、
$\displaystyle 0=-\frac{3}{2}\cdot 0+\frac{1}{2}k$より
$k=0$
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