千葉大数IAIIB高校数学の解法

【数IAIIB確率・整数】二項定理を利用して式を整理する方法(千葉大)

さいころを $n$ 回($n$ ≧ $2$)投げ,$k$ 回目($1$ ≦ $k$ ≦ $n$)に出る目を $X_k$ とする。(千葉大2012)

(1) 積 $X_1X_2$ が $18$ 以下である確率を求めよ。

(2) 積 $X_1X_2\cdots X_n$ が偶数である確率を求めよ。

(3) 積 $X_1X_2\cdots X_n$ が $4$ の倍数である確率を求めよ。

(4) 積 $X_1X_2\cdots X_n$ を $3$ で割ったときの余りが $1$ である確率を求めよ。

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余事象を利用して確率を求める

(1)から考えます。$X_1X_2$ とは,さいころを $2$ 回投げてかけ算した答えということですが,場合の数は $19$ 以上のほうが少なくなるので,余事象を求めて1から引いたほうがよいでしょう。

積が $19$ 以上となるのは
$(4,5),(4,6),(5,4),(5,5),(5,6),(6,4),(6,5),(6,6)$ の8通り
したがって求める確率は
$1-\cfrac{8}{6^2}=\cfrac{28}{36}=\cfrac{7}{9}$ (答え)

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偶数にならない場合を考える

(2)に進みます。

かけ算の答えが偶数になるときってどんなとき?

偶数×偶数とか。

もう少し掘り下げると
奇×奇=奇,奇×偶=偶
偶×奇=偶,偶×偶=偶
の組み合わせになります。
つまり,かけ算の中に偶数が1つでもあれば積は偶数になるということです。
余事象はすべて奇数の場合。よって求める確率は
$1-\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^n=1-\cfrac{1}{2^n}$ (答え)

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4の倍数の余事象を考える

(3)に進みます。ここでも余事象として4の倍数でない場合を考えると良いでしょう。

積が4の倍数になるのは,かけ算の中に因数として2を2つ以上含む場合です。つまり,4を1つでも含めば4の倍数になり,2か6が2つ以上あれば4の倍数になります。

逆に4の倍数にならない場合は?

4がなくて,2か6が1個のとき?

近いけど,それだけでは不十分。

正確には「2,4,6を1個も含まない,または2か6を1個含み残りはすべて奇数」です。
ここで,「2,4,6を1個も含まない」は,すべて奇数ということだから確率は $\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^n$ です。
「2か6を1個含み残りはすべて奇数」は,反復試行の確率を用います。

反復試行の確率 $_nC_rp^r(1-p)^{n-r}$

2か6が出る確率は $\cfrac{2}{6}=\cfrac{1}{3}$ です。それ以外は奇数だから $\cfrac{1}{2}$ です。つまり
$_nC_1\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^1\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^{n-1}$
$=n\cdot\cfrac{1}{3}\cdot\cfrac{1}{2^{n-1}}$
$=\cfrac{n}{3}\cdot\cfrac{1}{\cfrac{2^n}{2}}$
$=\cfrac{n}{3}\cdot\cfrac{1\times2}{\cfrac{2^n}{2}\times2}$
$=\cfrac{n}{3}\cdot\cfrac{2}{2^n}$
$=\cfrac{2n}{3\cdot 2^n}$
したがって,求める確率は
$1-\cfrac{1}{2^n}-\cfrac{2n}{3\cdot2^n}$
$=1-\cfrac{2n+3}{3\cdot2^n}$ (答え)

二項定理の公式を利用する

(4)に進みます。
まず,3で割ると余りが出るということは,3または6を含まないというのが条件になります。つまり,1,2,4,5の組み合わせを考えることになります。

余りはどうなるの?

例えば,全部1なら $1\times1\times1\times\cdots=1$ だから,3で割った余りは1だよね。そして,1の中に2が1個あるなら $1\times1\times\cdots2=2$で余りは2,2が2個あったら $1\times1\times\cdots2\times2=4$ で余りは1。2が3個あったら8だから余りは2。余りが色々出てくる。

4,5の場合はどうしようか?

$4\times5=20$ だから余りは2です。
$4\times5$ は $(3+1)(3+2)$ と考えるともう少し整理できます。
$(3+1)(3+2)=3^2+5\times3+1\times2=3(3+5)+2$

結局どうしたらいいの?

結局,3の倍数の部分は無視して余りの部分だけを考えていけばよいことになる。1と4は余り1,2と5は余り2として考える。

例えば,$1\times1\times2\times4\times5$ は $1\times1\times2\times1\times2$ と書き直せます。どちらも,3で割った余りは1になります。
こうしてかけ算の式は1と2のかけ算になり,その中に2がいくつ含まれるかによって余りが1になるか2になるかが決まります。

さっき考えたけど,2が偶数個なら余りは1で,奇数個ならあまりは2になる。

今回は余りが1の場合を求めるので2が偶数個ある場合で考えればよいことになります。

(i) $n$ が奇数のとき

$n$ 個の数をかけ算することを考えると,1が $n$ 個あるとき,2は $0$ 個です。また,2が $2$ 個あるときなら,1は $n-2$ 個です。これらを並べていくと
$1^n\cdot2^0,1^{n-2}\cdot2^2,1^{n-4}\cdot2^4,\cdots,1^1\cdot2^{n-1}$
となります。
1か4が出る確率は $\cfrac{1}{3}$,2か5が出る確率は $\cfrac{1}{3}$ です。よって反復試行の確率を用いると

$_n C_0\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^n\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^0+_n C_2\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^{n-2}\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^2+_n C_4\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^{n-4}\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^4+$ $\cdots+$ $_nC_{n-1}$ $\Big($ $\cfrac{1}{3}\Big)^1$ $\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^{n-1}$

$=\cfrac{1}{3^n}(_nC_0+_nC_2+_nC_4+\cdots+_nC_{n-1})$

$C$ がいくつも並んだ式で二項定理というものがあったことを思い出しましょう。

ここでテクニックなんだけど,$(1+1)^n$ として考えると良い。

たとえば
$(1+1)^7=_7C_0+_7C_1+_7C_2+_7C_3+_7C_4+_7C_5+_7C_6+_7C_7$

こんな感じで $1+1$ なら $C$ だけの式が作れる。

ここで $_7C_1=_7C_6$ などとして変形できるので
$=_7C_0+_7C_6+_7C_2+_7C_4+_7C_4+_7C_2+_7C_6+_7C_0$
よって
$2^7=2(_7C_0+_7C_2+_7C_4+_7C_6)$
同じように考えて
$(1+1)^n=_nC_0+_nC_1+_nC_2+\cdots+_nC_n$
$2^n=2(_nC_0+_nC_2+_nC_4+\cdots+_nC_{n-1})$
$_nC_0+_nC_2+_nC_4+\cdots+_nC_{n-1}=2^{n-1}$
よって
$\cfrac{1}{3^n}(_nC_0+_nC_2+_nC_4+\cdots+_nC_{n-1})$
$=\cfrac{2^{n-1}}{3^n}$

(ii) $n$ が偶数のとき

$\cfrac{1}{3^n}(_nC_0+_nC_2+_nC_4+\cdots+_nC_n)$
たとえば
$(1+1)^6=_6C_0+_6C_1+_6C_2+_6C_3+_6C_4+_6C_5+_6C_6$
今度は $_6C_1=_6C_5$ だから,奇数の部分がうまく消えません。そこで他の式を用意します。
$(1-1)^6=_6C_0-_6C_1+_6C_2-_6C_3+_6C_4-_6C_5+_6C_6$
よって
$2^6-0^6=2(_6C_0+_6C_2+_6C_4+_6C_6)$
$2^6=2(_6C_0+_6C_2+_6C_4+_6C_6)$
同じようにして
$2^n=2(_nC_0+_nC_2+_nC_4+\cdots+_nC_n)$
$_nC_0+_nC_2+_nC_4+\cdots+_nC_{n-1}=2^{n-1}$
よって
$\cfrac{1}{3^n}(_nC_0+_nC_2+_nC_4+\cdots+_nC_n)$
$=\cfrac{2^{n-1}}{3^n}$
(i),(ii) より,求める確率は
$\cfrac{2^{n-1}}{3^n}$ (答え)

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