数IAIIB 高校数学の解法

【数Ⅱ空間ベクトル】平面に垂線を下す問題 改めて s, t の意味を考える

ベクトルで平面に垂線下すとき $s, t$ 求めるじゃないですか?

ああ、$s\vec{a}+t\vec{b}$ のヤツね。

 $s, t$ ってどういうことか分からないです。

確かにベクトル色々やってるうちに意味を忘れがちよね。もう一度始めの話に戻ってみようか。

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$s+t=1$ が成り立つ仕組み

まずは、大事なこの関係から押さえましょう。

ベクトル $\overrightarrow{\text{OP}}=s\vec{a}+t\vec{b}$ において、点 P が直線 AB 上にあるとき、$s+t=1$。

そうそう、これ。何で足したら $1$ になるの?

内分点の話で考えるといいよ。

例えば、直線 AB を $3 : 2$ で内分する点 P を考えてみましょう。このとき公式を使えば、

$\displaystyle\frac{2\vec{a}+3\vec{b}}{3+2}=\frac{2}{5}\vec{a}+\frac{3}{5}\vec{b}$

となります。これは図で表すとこういうことです。

P にたどり着いた!

図を見て、内分点の公式が成り立つ仕組みを確認してね。

このとき $\displaystyle\frac{2}{5}+\frac{3}{5}=1$ です。いろいろ試してみると分かりますが、内分点だろうと外分点だろうとこの関係は常に成り立ちます

確かに $s+t=1$ になりますね。

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$s+t=1$ ではないときもある

逆に $s+t=1$ じゃないときもあったの覚えてる?

覚えてないです!

例えばこんなヤツ。

△OABについて、$\overrightarrow{\text{OP}}=s\vec{a}+t\vec{b}$ で与えられる点 P が次の条件を満たすとき、どのような図形上にあるか図示せよ。
$s+2t\text{≦}2,\enspace s\text{≧}0,\enspace t \text{≧}0$

全然イメージ湧かない。

原点 O からスタートして 点 P までたどり着く道筋をイメージするの。$s+t=1$ でどんピシャAB上でゴールするんだから、それ以外ならこうなる。

今回は $s+2t\text{≦}2$ で右辺が2だから直線 AB より遠いほうね。

$s$ と $t$ の係数も関係するんだけど、ざっくり言うとそういうイメージ。

では、問題を解いていきましょう。

$s+t$ が $1$ ではないパターンが出たときには、とりあえず右辺を 1 にするのが鉄則です。両辺を $2$ で割って

$\displaystyle\frac{1}{2}s+t\text{≦}1$

ここで、$\displaystyle s’=\frac{1}{2}s$ とすると

$\displaystyle 2s’=s$

また、$t=t’$ とすると

$\overrightarrow{\text{OP}}=s’2\vec{a}+t’\vec{b}$

なんでこんなことするの?

直線を出したいから。$s+t=1$ なら点 P は直線 AB 上にある、をひっくり返して考えて、直線 A’B’ 上に点 P があるなら、$s’+t’=1$ であるって言えるの。

頭こんがらがる!

よって、

ここで復習は終わりです。$s, t$ が指すもののイメージはつかめたでしょうか。$s, t$ はいろいろな値を取り得るのですが、もう一つ大事なポイントは$\overrightarrow{\text{OP}}=s\vec{a}+t\vec{b}$ の式において、$s, t$ にどんな値を代入してもその点はO, A, B を通る平面上にあるということです。このことを利用して、次の問題を考えていきましょう。

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平面に下した垂線のベクトル

O を原点とする座標空間に3つの点 A$(2, 1, 0)$, B$(5, 2, -1)$, C$(1, -5, 1)$ をとる。$\overrightarrow{\text{OA}}=\vec{a},\enspace \overrightarrow{\text{OB}}=\vec{b}, \enspace\overrightarrow{\text{OC}}=\vec{c}$ とし、また、3点 O, A, B を通る平面を S とする。このとき、点 C から平面 S に下した垂線と平面 S との交点を P とする。$\overrightarrow{\text{OP}}=s\vec{a}+t\vec{b}$ を満たす $s, t$ を求めよ。(岩手大・改)

ここでようやく本題です。図で表すとこのようなイメージです。

このとき、OA と CP は垂直の関係にあります。同様に OB と CP も垂直です。

交わってなくてもいいんだ。

ベクトルは位置は関係なくて向きと長さだけで考えるものだったよね。OA と CP は交わってないけど方向としては垂直の関係って考えるといいよ。

いったん、ベクトル CP を求めておきます。

$\overrightarrow{\text{CP}}=\overrightarrow{\text{OP}}-\overrightarrow{\text{OC}}$
$=s\vec{a}+t\vec{b}-\vec{c}$
$=(2s+5t-1,s+2t+5,-t-1)$

次に OA と CP は垂直の関係なので、内積が $0$ になる性質を利用します。

$\overrightarrow{\text{OA}}\cdot\overrightarrow{\text{CP}}=4s+10t-2+s+2t+5$
$5s+12t+3=0\cdots\text{①}$

同様に OB と CP で式を作ります。

$\overrightarrow{\text{OB}}\cdot\overrightarrow{\text{CP}}=10s+25t-5+2s+4t+10+t+1$
$12s+30t+6$
$2s+5t+1=0\cdots\text{②}$

ここで①、②で連立して $s, t$ を求めれば終わりです。

②を変形して

$\displaystyle s=\frac{-5t-1}{2}\cdots\text{③}$

①に代入して

$\displaystyle 5\cdot\frac{-5t-1}{2}+12t+3=0$
$-25t-5+24t+6=0$
$t=1$

③に代入して

$\displaystyle s=\frac{-5-1}{2}=-3$

よって、$(s,t)=(-3,1)$(答え)

・垂直のベクトルCPを求める。
・内積=0 を利用して、OA と OB で式を2つ作る。
・連立方程式にもちこんで、$s, t$ を求める。

解けた!

大事なのは $s, t$ がどんな値だろうと、ベクトル OP は平面上にあるってイメージを持つこと。それが分かっていればやってることがもう少し腑に落ちるようになると思うよ。

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