【数Ⅰ集合と命題】レポーターは標高何mにいる? 必要条件と十分条件の考え方
必要条件と十分条件がこんがらがって分からないです。
つまづきやすいところだから順番にやっていくよ。
はーい。
十分条件の考え方
例題を見てみましょう。
$x>4000$ は $x>2000$ であるための( )条件である。
このとき、$x$ を山の標高として考えます。
ある人がテレビ中継で「今、標高4000m以上まで来てます!」と言います。この人は標高2000m以上にいるでしょうか?
そりゃ、いるでしょ!
つまり、$x>4000$ なら $x>2000$ は必ず成り立つ。「必ず成り立つ」は言い換えると「条件を十分満たしている」ということだから、十分条件です。
なるほど。
今度は、逆にするよ。
必要条件の考え方
$x>2000$ は $x>4000$ であるための( )条件である。
今度は「今、標高2000m以上に来てます!」と言われても、標高4000m以上にいるとは限らないですよね。実際は2500mかもしれないし、4200mかもしれない。
このとき、$x>4000$ にとって $x>2000$ は必要な条件であるけれど、それだけでは必ず成り立つとは言えない=十分とは言えない。つまり、必要条件です。
なるほど。
他の例題で考えてみる
では、次のお題。
$x=2$ は $x^2=4$ であるための( )条件である。
まず、$x=2$ なら $x^2=4$ は必ず成り立ちます。
このとき、$x=2$ なら $x^2=4$ は「必ず成り立つ」=「十分である」から、十分条件です。
あー、そういうこと!
では、その逆。
$x^2=4$は$x=2$であるための( )条件である。
今度は $x^2=4$ は $x=\pm2$ だから$x=2$ ではない場合が出てきます。
$x=2$ にとって、「$x$ が $2$ か $-2$ のどちらかである」は、必要な条件ではあっても必ず成り立つとは言えない=十分な条件とは言えない。だから、必要条件です。
んー、だんだん分からなくなってきた。
はじめのうちは公式として対処する
最初は慣れないから公式として覚えるべし。
矢印の意味は必ず成り立つということです。「成り立つときもあるけど、成り立たないときもある」はアウトです。
そして、右向き矢印が成り立つなら十分条件。左向き矢印が成り立つなら必要条件と答えれば良いのです。
また、どちらの矢印も必ず成り立つなら、必要十分条件。どちらも必ず成り立たないときは、必要条件でも十分条件でもない、となります。
おー、便利!これならいけるけど、でもなんか頭の中がモヤモヤしちゃう。
最初はみんなそんなものよ。これは数学における論理的思考の大事なポイントだから、直感的判断の壁を超えるためのトレーニングだと思ってがんばって。
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