整式 f(x) は実数を係数にもつ 3 次式で,3 次の係数は 1,定数項は −3 とする。方程式 f(x)=0 は,1 と虚数 α,β を解にもつとし,α の実部は 1 より大きく,α の虚部は正とする。複素数平面上で α,β,1 が表す点を順に A,B,C とし,原点を O とする。以下の問に答えよ。
(1) α の絶対値を求めよ。
(2) θ を α の偏角とする。△ABC の面積 S を θ を用いて表わせ。
(3) S を最大にする θ (0≦θ≦2π) とそのときの整式 f(x) を求めよ。
3 次方程式の解
(1)から始めます。
1,α,β を解にもつ 3 次方程式は次のように表せます。
f(x)=(x−1)(x−α)(x−β)
展開すると
={x2−(1+α)x+α}(x−β)
=x3−(1+α+β)x2+(β+αβ+α)x−αβ
定数項は −3 だから
αβ=3
また,α と β はたがいに共役な複素数だから
β=α
と表せます。よって
∣α∣2=αα
=αβ=3
したがって
∣α∣=3 (答え)
絶対値に負の値はないから,
−3 は答えから外さないといけないよ。
三角形の面積を求める
(2)に進みます。
α を極形式で表すと
α=3(cosθ+isinθ)
でした。ここから,α の座標が (3cosθ,3sinθ) であることがわかります。
三角形の面積は
S=2⋅21(3cosθ−1)⋅3sinθ
=3sinθcosθ−3sinθ (答え)
最大値を求める
(3)に進みます。
g(θ)=3sinθcosθ−3sinθ
として,g(θ) の最大値を考えていきます。ここは微分して増減表を作っていきましょう。
g′(θ)=3{(sinθ)’cosθ+sinθ(cosθ)’}−3cosθ
=3(cos2θ−sin2θ)−3cosθ
=3{cos2θ−(1−cos2θ)}−3cosθ
=3(2cos2−1)−3cosθ
=6cos2θ−3cosθ−3
6cos2θ−3cosθ−3=0 とすると
cosθ=123±3+72
=123±53
=23,−33
α の実部は 1 より大きいので
α=3(cosθ+isinθ) より
3cosθ>1
となります。よって
cosθ>31
ここから,先ほどの方程式の解のうち負の方は不適となるので
cosθ=23
θ=6π
となります。
増減表は
θg′(θ)g(θ)0⋯+
6π0⋯−
(t)
(1)より
f(x)=x3−(1+α+β)x2+(β+αβ+α)x−αβ
でした。また,αβ=3 であることもわかっています。よって
f(x)=x3−(1+α+β)x2+(α+β+3)x−3
次に α+β を考えましょう。
α+β=α+α
となるので,これは α の実部を 2 倍したものということになります。
α=a+bi,β=a−bi とすると
α+β=a+bi+a−bi=2aってなるでしょ?つまり実部の2倍。
α=3(cos6π+isin6π) だから
実部は
3cos6π=3⋅23
=23
よって,実部の 2 倍は 3 です。
f(x)=x3−(1+3)x2+(3+3)x−3
=x3−4x2+6x−3 (答え)
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