【スマホで読む・わかりやすい】共通テスト試行H30年度数学IIB【解説・正解・問題】

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第３問は省略

第４問

太郎さんと花子さんは，数列の漸化式に関する問題 A，問題 B について話している。二人の会話を読んで，下の問いに答えよ。

(1)

問題 A　次のように定められた数列 ｛ana_n｝ の一般項を求めよ。

a1a_1＝6，an+1=3an−8a_{n+1}=3a_n-8　(nn＝1,2,3,⋯\cdots)

花子: これは前に授業で学習した漸化式の問題だね。まず，kk を定数として，an+1=3an−8a_{n+1}=3a_n-8 を an+1−k=3(an−k)a_{n+1}-k=3(a_n-k) の形に変形するといいんだよね。

太郎: そうだね。そうすると公比が 3 の等比数列に結びつけられるね。

(i) kk の値を求めよ。

k= ア k=\boxed{\text{ ア }}

(ii) 数列｛ana_n｝ の一般項を求めよ。

an= イ ⋅ ウ n−1+ エ a_n = \boxed{\text{ イ }}\cdot\boxed{\text{ ウ }}^{n-1}+\boxed{\text{ エ }}

正解と解説

ア 4　イ,ウ,エ 2, 3, 4

k=3k−8k=3k-8 とおいて k=4k=4

an+1=3an−8⋯a_{n+1}=3a_n-8\cdots①

4=3⋅4−8⋯4=3\cdot4-8\cdots②

①－②

an+1−4=3(an−4)a_{n+1}-4=3(a_n-4)

bn=an−4⋅b_n=a_n-4\cdot③ とおくと

bn+1=3bnb_{n+1}=3b_n

また，b1=a1−4=6−4=2b_1=a_1-4=6-4=2 より

｛bnb_n｝は初項 2，公比 3 の等比数列である。一般項を求めると

bn=2⋅3n−1b_n=2\cdot3^{n-1}

③に代入すると

an−4=2⋅3n−1a_n-4=2\cdot3^{n-1}

an=2⋅3n−1+4a_n=2\cdot3^{n-1}+4

(2)

問題 B　次のように定められた数列｛bnb_n｝の一般項を求めよ。

b1b_1＝4，bn+1=3bn−8n+6b_{n+1}=3b_n-8n+6　(nn＝1,2,3⋯\cdots)

花子: 求め方の方針が立たないよ。

太郎: そういうときは，nn＝1，2，3 を代入して具体的な数列の様子をみてみよう。

花子: b2=10b_2=10，b3=20b_3=20，b4=42b_4=42 となったけど…。

太郎: 階差数列を考えてみたらどうかな。

数列｛bnb_n｝の階差数列｛pnp_n｝を，pn=bn+1−bnp_n=b_{n+1}-b_n　(nn＝1，2，3，⋯\cdots) と定める。

(i) p1p_1 の値を求めよ。

p1= オ p_1=\boxed{\text{ オ }}

(ii) pn+1p_{n+1} を pnp_n を用いて表せ。

pn+1= カ pn− キ p_{n+1}=\boxed{\text{ カ }}p_n-\boxed{\text{ キ }}

(iii) 数列｛pnp_n｝ の一般項を求めよ。

pn= ク ⋅ ケ n−1+ コ p_n=\boxed{\text{ ク }}\cdot\boxed{\text{ ケ }}^{n-1}+\boxed{\text{ コ }}

正解と解説

オ,カ,キ,ク,ケ,コ 6, 3, 8, 2, 3, 4

階差数列の形を確かめるために，具体的に各項を求める

p1=b2−b1=10−4=6p_1=b_2-b_1=10-4=6

p2=b3−b2=10p_2=b_3-b_2=10

p3=b4−b3=22p_3=b_4-b_3=22

ここで，この数式が(1)の

an+1=3an−8a_{n+1}=3a_n-8

と同じ形になっていることに気づくと計算の手間が省ける。つまり

pn+1=3pn−8p_{n+1}=3p_n-8

(1)より

pn=2⋅3n−1+4p_n=2\cdot3^{n-1}+4

(3)

二人は問題 B について引き続き会話をしている。

太郎: 解ける道筋はついたけれど，漸化式で定められた数列の一般項の求め方は一通りではないと先生もおっしゃっていたし，他のやり方も考えてみようよ。

花子:でも，授業で学習した問題は，問題 A のタイプだけだよ。

太郎: では，問題 A の式変形の考え方を問題 B に応用してみようよ。問題B の漸化式 bn+1=3bn−8n+6b_{n+1}=3b_n-8n+6 を，定数 ss，tt を用いて

 サ =3( シ )\boxed{\text{ サ }}=3(\boxed{\text{ シ }})

の式に変形してはどうかな。

(i) qn= シ q_n=\boxed{\text{ シ }} とおくと，太郎さんの変形により数列｛qnq_n｝が公比 3 の等比数列とわかる。このとき， サ \boxed{\text{ サ }}， シ \boxed{\text{ シ }} に当てはまる式を，次の⓪〜③のうちから一つずつ選べ。ただし，同じものを選んでもよい。

⓪ bn+sn+tb_n+sn+t
① bn+1+sn+tb_{n+1}+sn+t
② bn+s(n+1)+tb_n+s(n+1)+t
③ bn+1+s(n+1)+tb_{n+1}+s(n+1)+t

(ii) ss，tt の値を求めよ。

s= スセ s=\boxed{\text{ スセ }}，t= ソ t=\boxed{\text{ ソ }}

正解と解説

サ,シ,スセ,ソ 3, 0, －4, 1

(1)で kk を用いた方法を参考にして，左辺に第 n+1n+1 項，右辺に第 nn の式を作るとよい。①と②では nn と n+1n+1 が混ざっているので，不適であると推測できる。左辺が③であるとすると，右辺は n+1n+1 を nn になおした，⓪であると考えられる。

この段階ではこの式は仮定に過ぎないが，最終的に一般項を求めた上で式がちゃんと成り立つことが確認できればよい。

bn+1+s(n+1)+t=3(bn+sn+t)b_{n+1}+s(n+1)+t=3(b_n+sn+t)

bn+1+sn+s+t=3bn+3sn+3tb_{n+1}+sn+s+t=3b_n+3sn+3t

bn+1=3bn+2sn−s+2tb_{n+1}=3b_n+2sn-s+2t

これと，bn+1=3bn−8n+6b_{n+1}=3b_n-8n+6 で式を比べると

2s=−82s=-8 より s=−4s=-4

また −s+2t=6-s+2t=6 より

4+2t=64+2t=6

t=1t=1

(4)

問題 B の数列は，(2)の方法でも(3)の方法でも一般項を求めることができる。数列｛bnb_n｝の一般項を求めよ。

bn= タ n−1+ チ n– ツ b_n=\boxed{\text{ タ }}^{n-1}+\boxed{\text{ チ }}n – \boxed{\text{ ツ }}

正解と解説

タ,チ,ツ 3, 4, 1

ここでは(3)の方法で解くことにする

(3)の式に ss＝－4，tt＝1 を代入して

bn+1−4(n+1)+1=3(bn−4n+1)b_{n+1}-4(n+1)+1=3(b_n-4n+1)

ここで bn−4n+1=cn⋯b_n-4n+1=c_n\cdots① とおくと

cn+1=3cnc_{n+1}=3c_n

また

c1=b1−4⋅1+1=4−4+1=1c_1=b_1-4\cdot1+1=4-4+1=1

よって，cnc_n は初項 1，公比 3 の等比数列である。したがって，一般項は

cn=3n−1c_n=3^{n-1}

①に代入すると

bn−4n+1=3n−1b_n-4n+1=3^{n-1}

bn=3n−1+4n−1b_n=3^{n-1}+4n-1

(5)

次のように定められた数列 ｛cnc_n｝がある。

c1c_1＝16，cn+1=3cn−4n2−4n−10c_{n+1}=3c_n-4n^2-4n-10　(nn＝1,2,3,⋯\cdots)

数列｛cnc_n｝の一般項を求めよ。

cn= テ ⋅ ト n−1+ ナ  n2+ ニ  n+ ヌ c_n=\boxed{\text{ テ }}\cdot\boxed{\text{ ト }}^{n-1}+\boxed{\text{ ナ }}\space n^2+\boxed{\text{ ニ }}\space n+\boxed{\text{ ヌ }}

正解と解説

テ,ト,ナ,ニ,ヌ 2, 3, 2, 4, 8

(1)～(4)で行ったことを参考にして式を作る

定数 ss，tt，uu を用いて

cn+1+s(n+1)2+t(n+1)+u=3(cn+sn2+tn+u)⋯c_{n+1}+s(n+1)^2+t(n+1)+u=3(c_n+sn^2+tn+u)\cdots①

ここから cn+1=3cn−4n2−4n−10c_{n+1}=3c_n-4n^2-4n-10 の形を意識しながら式を整理していくとよい

cn+1+sn2+2sn+s+tn+t+u=3cn+3sn2+3tn+3uc_{n+1}+sn^2+2sn+s+tn+t+u=3c_n+3sn^2+3tn+3u

cn+1+sn2+(2s+t)n+s+t+u=3cn+3sn2+3tn+3tc_{n+1}+sn^2+(2s+t)n+s+t+u=3c_n+3sn^2+3tn+3t

cn+1=3cn+2sn2+(−2s+2t)n−s−t+2uc_{n+1}=3c_n+2sn^2+(-2s+2t)n-s-t+2u

cn+1=3cn−4n2−4n−10c_{n+1}=3c_n-4n^2-4n-10 と比べると

2s=−42s=-4 より s=−2s=-2

また −2s+2t=−4-2s+2t=-4

s=−2s=-2 を代入して t=−4t=-4

さらに −s−t+2u=−10-s-t+2u=-10 より u=−8u=-8

①に代入すると

cn+1−2(n+1)2−4(n+1)−8=3(cn−2n2−4n−8)c_{n+1}-2(n+1)^2-4(n+1)-8=3(c_n-2n^2-4n-8)

ここで dn=cn−2n2−4n−8⋯d_n=c_n-2n^2-4n-8\cdots② とおくと

dn+1=3dnd_{n+1}=3d_n

ここで d1=c1−2−4−8=16−2−4−8=2d_1=c_1-2-4-8=16-2-4-8=2 より

dnd_n は初項 2，公比 3 の等比数列である。一般項を求めると

dn=2⋅3n−1d_n=2\cdot3^{n-1}

②に代入すると

cn−2n2−4n−8=2⋅3n−1c_n-2n^2-4n-8=2\cdot3^{n-1}

cn=2⋅3n−1+2n2+4n+8c_n=2\cdot3^{n-1}+2n^2+4n+8

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