【スマホで読む・わかりやすい】共通テスト試行H29年度数学IIB【解説・正解・問題】

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第2問

$a$ を定数とする。関数 $f(x)$ に対し,$\displaystyle S(x)=\int_a^x f(t)dt$ とおく。このとき,関数 $S(x)$ の増減から $y=f(x)$ のグラフの概形を考えよう。

(1)

$S(x)$ は3次関数であるとし,$y=S(x)$ のグラフは次の図のように,2点$(-1,0),(0,4)$を通り,点$(2,0)$で$x$軸に接しているとする。

このとき,$S(x)=\Big(x+\boxed{\text{ ア }}\Big)\Big(x-\boxed{\text{ イ }}\Big)^{\boxed{\text{ウ}}}$
である。$S(a)=\boxed{\text{ エ }}$ であるから,$a$ を負の定数とするとき,$a=\boxed{\text{ オカ }}$ である。


正解と解説

$\boxed{\text{ ア }},\boxed{\text{ イ }},\boxed{\text{ ウ }}$ $1$,$2$,$2$
$\boxed{\text{ エ }},\boxed{\text{ オカ }}$ $0$,$-1$

$S(x)$ は $x=-1,2$ のとき $S(x)=0$ となるので$S(x)=(x+1)(x-2)^2$ が成り立つ。$x$ に $-1,2$ を代入したとき,式が $0$ になることを確認する。

また,$\displaystyle S(a)=\int_a^a f(t)dt=0$ である。したがって

$S(a)=(a+1)(a-2)^2=0$
$a=-1,2$

となり,負の定数は $-1$ である。


関数 $S(x)$ は $x=\boxed{\text{ キ }}$ を境に増加から減少に移り,$x=\boxed{\text{ ク }}$ を境に減少から増加に移っている。したがって,関数 $f(x)$ について,$x=\boxed{\text{ キ }}$ のとき $\boxed{\text{ ケ }}$ であり,$x=\boxed{\text{ ク }}$ のとき $\boxed{\text{ コ }}$ である。また,$\boxed{\text{ キ }}<x<\boxed{\text{ ク }}$ の範囲では $\boxed{\text{ サ }}$ である。

$\boxed{\text{ ケ }}$,$\boxed{\text{ コ }}$,$\boxed{\text{ サ }}$ については,当てはまるものを,次の ⓪ 〜 ④ のうちから一つずつ選べ。ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。

⓪ $f(x)$ の値は $0$
① $f(x)$ の値は正
② $f(x)$ の値は負
③ $f(x)$ は極大
④ $f(x)$ は極小

$y=f(x)$ のグラフの概形として最も適当なものを,次の ⓪ 〜 ⑤ のうちから一つ選べ。$\boxed{\text{ シ }}$


正解と解説

$\boxed{\text{ キ }},\boxed{\text{ ク }},\boxed{\text{ ケ }},\boxed{\text{ コ }},\boxed{\text{ サ }},\boxed{\text{ シ }}$ $0$,$2$,$⓪$,$⓪$,$②$,$①$

グラフより,関数 $S(x)$ は $x=0$ を境に増加から減少に移り,$x=2$ を境に減少から増加に移っている。つまり,$x=0,2$ で極値をとる。

また,$S(x)$ を微分すると

$\displaystyle S'(x)=\cfrac{d}{dx}\int_a^x f(t)dt=f(x)$

となるので,$f(0)=0$,$f(2)=0$ が成り立つ。

さらに,グラフを見ると $0<x<2$ の範囲で減少しているので,$f(x)$ は負の値をとる。

$y=f(x)$ のグラフの概形を考えると,$S(x)$ は増加→減少→増加であるので,$f(x)$ は正の値→負の値→正の値と変化する。したがって,①があてはまる。

(2)

(1)からわかるように,関数 $S(x)$ の増減から $y=f(x)$ のグラフの概形を考えることができる。$a=0$ とする。次の ⓪ 〜 ④ は $y=S(x)$ のグラフの概形と $y=f(x)$ のグラフの概形の組である。このうち,$\displaystyle S(x)=\int_0^x f(t)dt$ の関係と矛盾するものを二つ選べ。 $\boxed{\text{ ス }}$


正解と解説

$\boxed{\text{ ス }}$ ①,④

$S(x)$ を微分した関数が $f(x)$ であるので,$S(x)$ が増加なら $f(x)$ は正の値,減少なら負の値をとる。この関係に矛盾するものを選べばよい。①は $0<x<1$ の範囲で,$S(x)$ は増加→減少と変化しているのに,$f(x)$ がつねに負の値をとっているので矛盾する。④は$x<0$ の部分で,$S(x)$ が減少しているのに,$f(x)$ が正の値をとっているので矛盾する。

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