【スマホで読む・わかりやすい】共通テスト数学IA2021第2日程【解説・正解・問題】
第4問 正解
ア,イ,ウ,エ 3,2,1,0 オ 3
カ 8 キ 4
クケ,コ,サ,シ 12,8,4,0
ス 3 セソタ 448
(1)
$m=14$ のとき
$a^2+b^2+c^2+d^2=14$
$a\geqq b\geqq c\geqq d\geqq0$ の条件のもと,$a^2,b^2,c^2,d^2$ にそれぞれ $0,4,9,16,\cdots$ を当てはめていくと
$9+4+1=14$ だから
$3^2+2^2+1^2+0^2=14$
したがって
$(a,b,c,d)=(3,2,1,0)$
・・・ア,イ,ウ,エ
また,$m=28$ のとき
$a^2+b^2+c^2+d^2=28$
式が成り立つ組み合わせは
$25+1+1+1=28$
$16+4+4+4=28$
$9+9+9+1=28$
したがって,①を満たす整数 $a,b,c,d$ の組の個数は 3 個である。
・・・オ
(2)
$k$ を整数として
$a^2-1=kh$
$a=2n+1$ とすると
$(2n+1)^2-1=kh$
$4n^2+4n+1-1=kh$
$4n^2+4n=kh$
$4n(n+1)=kh$
$n(n+1)$ は偶数だから,$\ell$ を整数として,偶数を $2\ell$ とすると
$4\cdot2\ell=kh$
$8\ell=kh$
このとき,$a$ は奇数だから,$\ell$ は 1 以上の整数であり,また $h$ は正の整数だから,$k$ も 1 以上の整数であることに注意する。
式がすべての奇数 $a$ で成り立つことから,$\ell=1$ のときも式は成り立つ。したがって
$8=kh$
となり,式が成り立つ最大の $h$ は 8 である。
・・・カ
さらに,$a$ が奇数のとき $a=2n+1$ とすると
$a^2=(2n+1)^2=4n(n+1)+1$
$n(n+1)$ は偶数だから $2\ell$ とすると
$=4\cdot2\ell+1=8\ell+1$
したがって,$a$ が奇数のとき,$a^2$ を 8 で割ったときの余りは 1 である。
また,$a$ が偶数のとき,$a=2n$ とすると
$a^2=(2n)^2=4n^2$
$n$ が奇数のとき,$n=2\ell+1$ とすると
$=4(2\ell+1)^2=16\ell^2+16\ell+4$
$=8(2\ell^2+2\ell)+4$
となり,8 で割ったときの余りは 4 である。
$n$ が偶数のとき,$n=2\ell$ とすると
$a^2=4(2\ell)^2=8\cdot2\ell^2$
となり,8 で割ったときの余りは 0 である。
したがって,$a$ が偶数のとき,$a^2$ を 8 で割ったときの余りは,0 または 4 のいずれかである。
(3)
$a^2+b^2+c^2+d^2$ が 8 の倍数であるとき,$a^2,b^2,c^2,d^2$ をそれぞれ 8 で割ったときの余りを足し合わせると,その合計は 8 で割り切れる。
また,$a^2+b^2+c^2+d^2$ は偶数だから,$a^2,b^2,c^2,d^2$ の組み合わせは
奇数+奇数+奇数+奇数
偶数+偶数+奇数+奇数
偶数+偶数+偶数+偶数
のいずれかである。
・奇数+奇数+奇数+奇数のとき
余りの合計は
$1+1+1+1=4$
となるので,不適。
・偶数+偶数+奇数+奇数のとき
(0または4)+(0または4)+1+1
合計は 2,6,10 のいずれかであるので,不適。
・偶数+偶数+偶数+偶数のとき
$4+4+0+0=8$
この組み合わせのとき,8 で割り切れる。
したがって,偶数であるものの個数は 4 個である。
・・・キ
(4)
$m=224$ として
$a^2+b^2+c^2+d^2=224$
また,(3)より,$a^2,b^2,c^2,d^2$ はすべて偶数であることに注意する。
当てはまる数を求めるには,$a^2$ が 224 以下でかつ 224 に最も近い数から考えると良い。
$14^2=196$ より
$224-196=28$
$4^2=16$ より
$28-16=12$
$2^2=4$ より
$12-4=8$
ここで,$14^2+4^2+2^2$ とすると $d$ を満たす整数が存在しないことが分かる。よって不適。
次に,$12^2=144$ より
$224-144=80$
$8^2=64$ より
$80-64=16$
$4^2=16$ だから
$12^2+8^2+4^2+0=224$
となる。
したがって,①を満たす整数 $a,b,c,d$ の組 $(a,b,c,d)$ は
$(12,8,4,0)$
・・・クケ,コ,サ,シ
(5)
896 を素因数分解すると
$896=2^7\times7$
7 の倍数で 896 の約数である正の整数の組は
$7,7\times2,7\times2^2,7\times2^3$
$7\times2^4,7\times2^5,7\times2^6,7\times2^7$
である。
・$m=7$ のとき
式を満たす整数 $a,b,c,d$ の組は
$(2,1,1,1)$
の 1 組だけである。よって,不適。
・$m=14$ のとき
(1)より,式を満たす整数 $a,b,c,d$ の組は 1 組だけである。よって,不適。
さらに,$m=28$ 以上の場合について考える。
ここで,(1)で求めた
$5^2+1+1+1=28$
$4^4+2^2+2^2+2^2=28$
$3^3+3^3+3^3+1=28$
を利用すると良い。$m=28$ のとき,①を満たす整数 $a,b,c,d$ の組の個数は 3 個である。
$28=2^2\times7$ であることに注意すると,両辺は因数として 7 を 1 個だけ含むことが分かる。
たとえば,両辺に 2 をかけると
$2(5^2+1+1+1)=2^3\times7$
$50+2+2+2=2^3\times7$
となる。しかし,$a^2=50$ を満たす整数は存在しないので,不適。
次に,両辺に $2^2$ をかけると
$2^2(5^2+1+1+1)=2^4\times7$
$(2\times5)^2+2^2+2^2+2^2=2^4\times7$
よって,$(a,b,c,d)=(10,2,2,2)$ が成り立つ。
このようにして考えると,両辺に $2^2,2^4$ をかけたときに左辺のそれぞれの項が整数の 2 乗の形となることが分かる。
これに $m=28$ のときを加えると
①を満たす整数 $a,b,c,d$ の組の個数が 3 個であるものの個数は 3 個である。
・・・ス
また,両辺に $2^4$ をかけると,右辺は
$2^4\times28=448$
・・・セソタ
問題文
第3問~第5問は,いずれか2問を選択し,解答しなさい。
第4問 (選択問題)
正の整数 $m$ に対して
$a^2+b^2+c^2+d^2=m$,$a\geqq b\geqq c\geqq d\geqq0$ ・・・・・・①
を満たす整数 $a$,$b$,$c$,$d$ の組がいくつあるかを考える。
(1) $m=14$ のとき,①を満たす整数 $a$,$b$,$c$,$d$ の組$(a,b,c,d)$は
$(\boxed{\sf{ア}},\boxed{\sf{イ}},\boxed{\sf{ウ}},\boxed{\sf{エ}})$
のただ一つである。
また,$m=28$ のとき,①を満たす整数 $a$,$b$,$c$,$d$ の組の個数は $\boxed{\sf{オ}}$ 個である。
(2) $a$ が奇数のとき,整数 $n$ を用いて $a=2n+1$ と表すことができる。このとき,$n(n+1)$ は偶数であるから,次の条件がすべての奇数 $a$ で成り立つような正の整数 $h$ のうち,最大のものは $h=\boxed{\sf{カ}}$ である。
条件:$a^2-1$ は $h$ の倍数である。
よって,$a$ が奇数のとき,$a^2$ を入力で割ったときの余りは 1 である。
また,$a$ が偶数のとき,$a^2$ を $\boxed{\text{カ}}$ で割ったときの余りは,0 または 4 のいずれかである。
(3) (2) により,$a^2+b^2+c^2+d^2$ が $\boxed{\text{カ}}$ の倍数ならば,整数 $a$,$b$,$c$,$d$ のうち,偶数であるものの個数は $\boxed{\sf{キ}}$ 個である。
(4) (3) を用いることにより,$m$が $\boxed{\text{カ}}$ の倍数であるとき,①を満たす整数 $a$,$b$,$c$,$d$ が求めやすくなる。
例えば,$m=224$ のとき,①を満たす整数 $a$,$b$,$c$,$d$ の組 $(a,b,c,d)$ は
$(\boxed{\sf{クケ}},\boxed{\sf{コ}},\boxed{\sf{サ}},\boxed{\sf{シ}})$
のただ一つであることがわかる。
(5) 7 の倍数で 896 の約数である正の整数 $m$ のうち,1 を満たす整数 $a$,$b$,$c$,$d$ の組の個数が $\boxed{\text{オ}}$ 個であるものの個数は $\boxed{\sf{ス}}$ 個であり,そのうち最大のものは $m=\boxed{\sf{セソタ}}$ である。
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