【スマホで読む・わかりやすい】共通テスト数学IIB2021本試【解説・正解・問題】

1 2 3 4 5

第3問 正解

ア 3 イウ 50 エ 5 オ 1
カ 2 キクケ 408 コサ.シ 58.8
ス 3 セ 3 ソ,タ 2,4(解答の順序は問わない)

(1)

生徒は読書をしたか全く読書をしなかったかのどちらかだから,$X$ は二項分布に従う。

母比率は $0.5$ だから,全く読書をしなかった生徒である確率は $0.5$ である。

したがって,$X$ は二項分布 $B(100,0.5)$ に従う。

・・・ア

また,$X$ の平均(期待値)は,公式 $E(X)=np$ を用いて

$E(X)=100\times0.5=50$

・・・イウ

標準偏差は,公式 $\sigma(X)=\sqrt{np(1-p)}$ を用いて

$\sigma(X)=\sqrt{100\times0.5\times(1-0.5)}$
$=\sqrt{100\times0.25}=\sqrt{25}$
$=5$

・・・エ

(2)

二項分布 $B(n,p)$ に従う確率変数 $X$ は,$n$ が十分に大きいとき,近似的に正規分布 $N(np,\sigma^2)$ に従う。

これを用いて

二項分布 $B(100,0.5)$ は,正規分布 $N(50,5^2)$ に従う。

また,確率変数 $X$ が正規分布 $N(m,\sigma^2)$ に従うとき

$Z=\cfrac{X-m}{\sigma}$

とおくと,確率変数 $Z$ は標準正規分布 $N(0,1)$ に従う。

正規分布を標準正規分布に合わせることで,正規分布表を用いて確率を求めることができる。

$Z=\cfrac{X-50}{5}$

とすると,$Z$ は標準正規分布 $N(0,1)$ に従う。

$X=36$ とすると

$Z=\cfrac{36-50}{5}=\cfrac{-14}{5}=-2.8$

よって

$p_5=P(X\leqq36)=P(Z\leqq-2.8)$
$=P(Z\geqq0)-P(0\leqq Z\leqq2.8)$

正規分布表より

$0.5-0.4974=0.0026$

したがって,① $0.003$ が最も適当である。

・・・オ

母比率を $0.4$ とするとき,上と同様にして

$E(X)=100\times0.4=40$
$\sigma(X)=\sqrt{100\times0.4\times(1-0.4)}$
$=\sqrt{100\times0.4\times0.6}$
$=\sqrt{100\times0.24}$
$=\sqrt{24}=2\sqrt{6}$

よって,$X$ は正規分布 $N(40,2\sqrt{6})$ にしたがう。

また

$Z=\cfrac{36-40}{2\sqrt{6}}$
$=\cfrac{-4}{2\sqrt{6}}=-\cfrac{2}{\sqrt{6}}$
$=-\cfrac{\sqrt{6}}{3}$

よって

$p_4=P(X\leqq36)=P\Big(Z\leqq-\cfrac{\sqrt{6}}{3}\Big)$
$=P(Z\geqq0)-P\Big(0\leqq Z\leqq\cfrac{\sqrt{6}}{3}\Big)$

ここで,$p_5$ と $p_4$ の大小関係を考えると

$p_5=P(Z\geqq0)-P(0\leqq Z\leqq2.8)$
$p_4=P(Z\geqq0)-P\Big(0\leqq Z\leqq\cfrac{\sqrt{6}}{3}\Big)$

$p_5$ と $p_4$ の大小は,$\cfrac{\sqrt{6}}{3}$ と $2.8$ の大小関係によって決まる。

$\cfrac{\sqrt{6}}{3}$ と $2.8$ を比べると,$\Big(\cfrac{\sqrt{6}}{3}\Big)^2=\cfrac{6}{9}$ より

$\cfrac{4}{9}<\cfrac{6}{9}<\cfrac{9}{9}$
$\cfrac{2}{3}<\cfrac{\sqrt{6}}{3}<1$

すなわち,$2.8>\cfrac{\sqrt{6}}{3}$ である。

正規分布表のグラフをもとに考えると

$P\Big(0\leqq Z\leqq\cfrac{\sqrt{6}}{3}\Big)<P(0\leqq Z\leqq2.8)$

が成り立つことが分かる。したがって

$p_4>p_5$

・・・カ

(3)

母標準偏差を $\sigma$ とする。標本の大きさ $n$ が十分に大きいとき,母平均 $m$ に対する信頼度95%の信頼区間は

$\Big[\bar{X}-1.96\cdot\cfrac{\sigma}{\sqrt{n}},\bar{X}+1.96\cdot\cfrac{\sigma}{\sqrt{n}}\Big]$


これを用いて

$1.96\cdot\cfrac{\sigma}{\sqrt{n}}=1.96\times\cfrac{150}{\sqrt{100}}$
$=1.96\times\cfrac{150}{10}=1.96\times15$
$=29.4$

信頼区間は

$[204-29.4,204+29.4]$
$=[174.6,233.4]$

したがって

$C_1+C_2=174.6+233.4=408$

・・・キクケ

$C_2-C_1=233.4-174.6=58.8$

・・・コサシ

また,母平均 $m$ と $C_1,C_2$ の関係について考えると

信頼度95%の信頼区間であることから,$C_1\leqq m$,$m\leqq C_2$,$C_1\leqq m\leqq C_2$ は成り立つとは限らない。したがって,③が正しい。

・・・ス

(4)

校長先生の調査と図書委員会の調査で抽出された標本は同一であるとは限らないので,$n$ と $36$ の大小はわからない。したがって,③が正しい。

(5)

校長先生の調査と図書委員会の調査で抽出された標本は同一であるとは限らないので,標本平均 $\bar{X}$ も同一であるとは限らない。

信頼度95%の信頼区間は
$\Big[\bar{X}-1.96\cdot\cfrac{\sigma}{\sqrt{n}},\bar{X}+1.96\cdot\cfrac{\sigma}{\sqrt{n}}\Big]$

であることを踏まえると,$C_1$ と $D_1$,$C_2$ と $D_2$ の大小は分からない。よって,⓪と①は不適。

②は正しい。

また

$C_2-C_1=\bar{X}+1.96\cdot\cfrac{150}{\sqrt{100}}-\Big(\bar{X}-1.96\cdot\cfrac{150}{\sqrt{100}}\Big)$
$=2\times1.96\cdot\cfrac{150}{\sqrt{100}}$

$D_2-D_1=\bar{X}+1.96\cdot\cfrac{150}{\sqrt{199}}-\Big(\bar{X}-1.96\cdot\cfrac{150}{\sqrt{100}}\Big)$
$=2\times1.96\cdot\cfrac{150}{\sqrt{100}}$

となるので,④が正しく,③と⑤は不適。

したがって,②と④が正しい。

・・・ソ,タ

問題文

第3問~第5問は,いずれか2問を選択し,解答しなさい。

第3問

以下の問題を解答するにあたっては,必要に応じて 29 ページの正規分布表を用いてもよい。 

Q高校の校長先生は,ある日,新聞で高校生の読書に関する記事を読んだ。そこで,Q高校の生徒全員を対象に,直前の 1 週間の読書時間に関して,100 人の生徒を無作為に抽出して調査を行った。その結果,100 人の生徒のうち,この 1 週間に全く読書をしなかった生徒が 36 人であり,100 人の生徒のこの 1 週間の読書時間(分)の平均値は 204 であった。Q高校の生徒全員のこの 1 週間の読書時間の母平均を $m$,母標準偏差を $150$ とする。

(1) 全く読書をしなかった生徒の母比率を $0.5$ とする。このとき,100 人の無作為標本のうちで全く読書をしなかった生徒の数を表す確率変数を $X$ とすると,$X$ は $\boxed{\boxed{\sf ア}}$ に従う。また,$X$ の平均(期待値)は,$\boxed{\sf イウ}$,標準偏差は $\boxed{\sf エ}$ である。
$\boxed{\boxed{\text ア}}$ については,最も適当なものを,次の⓪~⑤のうちから一つ選べ。 

⓪ 正規分布 $N(0,1)$
① 二項分布 $B(0,1)$
② 正規分布 $N(100,0.5)$
③ 二項分布 $B(100,0.5)$
④ 正規分布 $N(100,36)$
⑤ 二項分布 $B(100,36)$

(2) 標本の大きさ 100 は十分に大きいので,100 人のうち全く読書をしなかった生徒の数は近似的に正規分布に従う。

全く読書をしなかった生徒の母比率を $0.5$ とするとき,全く読書をしなかった生徒が 36 人以下となる確率を $p_5$ とおく。$p_5$ の近似値を求めると,$p_5=\boxed{\boxed{\sf オ}}$ である。

また,全く読書をしなかった生徒の母比率を $0.4$ とするとき,全く読書をしなかった生徒が 36 人以下となる確率を $p_4$ とおくと,$\boxed{\boxed{\sf カ}}$ である。 

$\boxed{\boxed{\text オ}}$ ついては,最も適当なものを,次の⓪~⑤のうちから一つ選べ。 

⓪ $0.001$ ① $0.003$
② $0.026$ ③ $0.050$
④ $0.133$ ⑤ $0.497$

$\boxed{\boxed{\text カ}}$ の解答群 
⓪ $p_4<p_5$ ① $p_4=p_5$ ② $p_4>p_5$

(3) 1 週間の読書時間の母平均 $m$ に対する信頼度 95 % の信頼区間を $C_1\leqq m\leqq C_2$ とする。標本の大きさ 100 は十分大きいことと,1 週間の読書時間の標本平均が 204,母標準偏差が 150 であることを用いると,$C_1+C_2=\boxed{\sf キクケ}$,$C_2-C_1=\boxed{\sf コサ}$,$\boxed{\sf シ}$ であることがわかる。

また,母平均 $m$ と $C_1$,$C_2$ については,$\boxed{\boxed{\text ス}}$。

$\boxed{\boxed{\text ス}}$ の解答群
⓪ $C_1\leqq m\leqq C_2$ が必ず成り立つ 
① $m\leqq C_2$ は必ず成り立つが,$C_1\leqq m$ が成り立つとは限らない
② $C_1\leqq m$ は必ず成り立つが,$m\leqq C_2$ が成り立つとは限らない
③ $C_1\leqq m$ も $m\leqq C_2$ も成り立つとは限らない 

(4) Q 高校の図書委員長も,校長先生と同じ新聞記事を読んだため,校長先生が調査をしていることを知らずに,図書委員会として校長先生と同様の調査を独自に行った。ただし,調査期間は校長先生による調査と同じ直前の 1 週間であり,対象をQ高校の生徒全員として 100 人の生徒を無作為に抽出した。その調査における,全く読書をしなかった生徒の数を $n$ とする。 
校長先生の調査結果によると全く読書をしなかった生徒は 36 人であり,$\boxed{\boxed{\sf セ}}$。 

$\boxed{\boxed{\text セ}}$ の解答群 
⓪ $n$ は必ず 36 に等しい
① $n$ は必ず 36 未満である 
② $n$ は必ず 36 より大きい 
③ $n$ と 36 との大小はわからない 

(5) (4) の図書委員会が行った調査結果による母平均 $m$ に対する信頼度 95 % の 信頼区間を $D_1\leqq m\leqq D_2$,校長先生が行った調査結果による母平均 $m$ に対する信頼度 95 % の信頼区間を (3) の $C_1\leqq m\leqq C_2$ とする。ただし,母集団は同一であり,1 週間の読書時間の母標準偏差は 150 とする。

このとき,次の⓪~⑤のうち,正しいものは $\boxed{\boxed{\sf ソ}}$ と $\boxed{\boxed{\sf タ}}$ である。

$\boxed{\boxed{\text ソ}}$,$\boxed{\boxed{\text タ}}$ 解答群(解答の順序は問わない。) 
⓪ $C_1=D_1$ と $C_2=D_2$ が必ず成り立つ。
① $C_1<D_2$ または $D_1<C_2$ のどちらか一方のみが必ず成り立つ。
② $D_2<C_1$ または $C_2<D_1$ となる場合もある。
③ $C_2-C_1>D_2-D_1$ が必ず成り立つ。
④ $C_2-C_1=D_2-D_1$ が必ず成り立つ。
⑤ $C_2-C_1<D_2-D_1$ が必ず成り立つ。 

正規分布表 

次の表は,標準正規分布の分布曲線における右図の灰色部分の面積の値をまとめたものである。

$z_0$ 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09
0.0 0.0000 0.0040 0.0080 0.0120 0.0160 0.0199 0.0239 0.0279 0.0319 0.0359
0.1 0.0398 0.0438 0.0478 0.0517 0.0557 0.0596 0.0636 0.0675 0.0714 0.0753
0.2 0.0793 0.0832 0.0871 0.0910 0.0948 0.0987 0.1026 0.1064 0.1103 0.1141
0.3 0.1179 0.1217 0.1255 0.1293 0.1331 0.1368 0.1406 0.1443 0.1480 0.1517
0.4 0.1554 0.1591 0.1628 0.1664 0.1700 0.1736 0.1772 0.1808 0.1844 0.1879
0.5 0.1915 0.1950 0.1985 0.2019 0.2054 0.2088 0.2123 0.2157 0.2190 0.2224
0.6 0.2257 0.2291 0.2324 0.2357 0.2389 0.2422 0.2454 0.2486 0.2517 0.2549
0.7 0.2580 0.2611 0.2642 0.2673 0.2704 0.2734 0.2764 0.2794 0.2823 0.2852
0.8 0.2881 0.2910 0.2939 0.2967 0.2995 0.3023 0.3051 0.3078 0.3106 0.3133
0.9 0.3159 0.3186 0.3212 0.3238 0.3264 0.3289 0.3315 0.3340 0.3365 0.3389
1 0.3413 0.3438 0.3461 0.3485 0.3508 0.3531 0.3554 0.3577 0.3599 0.3621
1.1 0.3643 0.3665 0.3686 0.3708 0.3729 0.3749 0.3770 0.3790 0.3810 0.3830
1.2 0.3849 0.3869 0.3888 0.3907 0.3925 0.3944 0.3962 0.3980 0.3997 0.4015
1.3 0.4032 0.4049 0.4066 0.4082 0.4099 0.4115 0.4131 0.4147 0.4162 0.4177
1.4 0.4192 0.4207 0.4222 0.4236 0.4251 0.4265 0.4279 0.4292 0.4306 0.4319
1.5 0.4332 0.4345 0.4357 0.4370 0.4382 0.4394 0.4406 0.4418 0.4429 0.4441
1.6 0.4452 0.4463 0.4474 0.4484 0.4495 0.4505 0.4515 0.4525 0.4535 0.4545
1.7 0.4554 0.4564 0.4573 0.4582 0.4591 0.4599 0.4608 0.4616 0.4625 0.4633
1.8 0.4641 0.4649 0.4656 0.4664 0.4671 0.4678 0.4686 0.4693 0.4699 0.4706
1.9 0.4713 0.4719 0.4726 0.4732 0.4738 0.4744 0.4750 0.4756 0.4761 0.4767
2.0 0.4772 0.4778 0.4783 0.4788 0.4793 0.4798 0.4803 0.4808 0.4812 0.4817
2.1 0.4821 0.4826 0.4830 0.4834 0.4838 0.4842 0.4846 0.4850 0.4854 0.4857
2.2 0.4861 0.4864 0.4868 0.4871 0.4875 0.4878 0.4881 0.4884 0.4887 0.4890
2.3 0.4893 0.4896 0.4898 0.4901 0.4904 0.4906 0.4909 0.4911 0.4913 0.4916
2.4 0.4918 0.4920 0.4922 0.4925 0.4927 0.4929 0.4931 0.4932 0.4934 0.4936
2.5 0.4938 0.4940 0.4941 0.4943 0.4945 0.4946 0.4948 0.4949 0.4951 0.4952
2.6 0.4953 0.4955 0.4956 0.4957 0.4959 0.4960 0.4961 0.4962 0.4963 0.4964
2.7 0.4965 0.4966 0.4967 0.4968 0.4969 0.4970 0.4971 0.4972 0.4973 0.4974
2.8 0.4974 0.4975 0.4976 0.4977 0.4977 0.4978 0.4979 0.4979 0.4980 0.4981
2.9 0.4981 0.4982 0.4982 0.4983 0.4984 0.4984 0.4985 0.4985 0.4986 0.4986
3.0 0.4987 0.4987 0.4987 0.4988 0.4988 0.4989 0.4989 0.4989 0.4990 0.4990
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