【スマホで読む・わかりやすい】共通テスト数学IA2021本試【解説・正解・問題】
第3問 正解
ア,イ 3,8 ウ,エ 4,9
オカ,キク 27,59
ケコ,サシ 32,59
ス 3 セソタ,チツテ 216,715
ト 8
(1)
(i)
箱 A において,3 回中ちょうど 1 回当たる確率は,反復試行の確率より
$_3C_1\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^1\Big(\cfrac{1}{2}\Big)^2=\cfrac{3}{8}$ ・・・・・・①
・・・・・・アイ
箱 B において,3 回中ちょうど 1 回当たる確率は
$_3C_1\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^1\Big(\cfrac{2}{3}\Big)^2=\cfrac{12}{27}=\cfrac{4}{9}$ ・・・・・・②
・・・・・・ウエ
(ii)
$P(A\cap W)=\cfrac{1}{2}\times\cfrac{3}{8}=\cfrac{3}{16}$
$P(B\cap W)=\cfrac{1}{2}\times\cfrac{4}{9}=\cfrac{2}{9}$
また
$P(W)=P(A\cap W)+P(B\cap W)$
$=\cfrac{3}{16}+\cfrac{2}{9}=\cfrac{59}{144}$
条件付き確率を求めるには,3回中ちょうど1回当たる確率 $P(W)$ を全事象として考えると良い。
条件付き確率
$A$ を全事象としたときに,事象 $B$ の起こる確率
$P_A(B)=\cfrac{n(A\cap B)}{n(A)}$
$P_W(A)=\cfrac{P(A\cap W)}{P(W)}$
$=\cfrac{\enspace\cfrac{3}{16}\enspace}{\cfrac{59}{144}}=\cfrac{\enspace\cfrac{3}{16}\times144\enspace}{\cfrac{59}{144}\times144}=\cfrac{27}{59}$
・・・・・・オカキク
また
$P_W(B)=\cfrac{P(B\cap W)}{P(W)}$
$=\cfrac{\enspace\cfrac{2}{9}\enspace}{\cfrac{59}{144}}=\cfrac{\enspace\cfrac{2}{9}\times144\enspace}{\cfrac{59}{144}\times144}=\cfrac{32}{59}$
・・・・・・ケコサシ
(2)
事実(*)について,選択肢を一見しただけで法則性を見抜くことは難しい。そこで,選択肢を一つずつ検討していくことになるが,①2乗の和や③3乗の和は計算が煩雑になることが容易に予測できる。したがって,計算が容易なものから検討してくと良い。
・⓪和を考えると
$P_W(A)+P_W(B)$
$\cfrac{27}{59}+\cfrac{32}{59}=\cfrac{59}{59}=1$
①の確率+②の確率
$\cfrac{3}{8}+\cfrac{4}{9}=\cfrac{27+32}{72}=\cfrac{59}{72}$
よって,不適。
・③比を考えると
$P_W(A):P_W(B)$
$\cfrac{27}{59}:\cfrac{32}{59}=27:32$
①の確率:②の確率
$\cfrac{3}{8}:\cfrac{4}{9}=\cfrac{3}{8}\times72:\cfrac{4}{9}\times72$
$=27:32$
したがって
$P_W(A)$ と $P_W(B)$ の比は,①の確率と②の確率の比に等しい。
・・・・・・ス
(3)
太郎と花子の会話をもとに,事実(*)が成り立つ理由を考えると
①と②の比は $\cfrac{3}{8}:\cfrac{4}{9}$ であり,また
$P(A\cap W):P(B\cap W)$
$=\cfrac{1}{2}\times\cfrac{3}{8}:\cfrac{1}{2}\times\cfrac{4}{9}=\cfrac{3}{8}:\cfrac{4}{9}$
となり,互いの比は一致する。さらに
$P_W(A):P_W(B)$
$=\cfrac{P(A\cap W)}{P(W)}:\cfrac{P(B\cap W)}{P(W)}$
$=P(A\cap W):P(B\cap W)$
となり,$P_W(A):P_W(B)=\cfrac{3}{8}:\cfrac{4}{9}$ となる。
このように,条件付き確率の比を求めるときに,それぞれの反復試行の確率の比を用いることができることが分かる。この結果は,(4)で利用する。
(1)より
・選んだ箱が A のときの確率は $\cfrac{3}{8}$
・選んだ箱が B のときの確率は $\cfrac{4}{9}$
・選んだ箱が C のときの確率は
$_3C_1\Big(\cfrac{1}{4}\Big)^1\Big(\cfrac{3}{4}\Big)^2=\cfrac{27}{64}$
よって
$P(A\cap W)=\cfrac{1}{3}\times\cfrac{3}{8}=\cfrac{1}{8}$
$P(B\cap W)=\cfrac{1}{3}\times\cfrac{4}{9}=\cfrac{4}{27}$
$P(C\cap W)=\cfrac{1}{3}\times\cfrac{27}{64}=\cfrac{9}{64}$
$P(W)=P(A\cap W)+P(B\cap W)+P(C\cap W)$
$=\cfrac{1}{8}+\cfrac{4}{27}+\cfrac{9}{64}$
通分するには,$8,27,64$ の最小公倍数を求める必要があるが,これには整数の性質の単元で習った方法を用いると良い。
$8=2^3$,$27=3^3$,$64=2^6$ だから
最小公倍数は $2^6\times3^3=1728$
$=\cfrac{216+256+243}{1728}$
$=\cfrac{715}{1728}$
選んだ箱が A である条件付き確率は
$P_A(W)=\cfrac{\enspace\cfrac{1}{8}\enspace}{\cfrac{715}{1728}}$
$=\cfrac{\cfrac{1}{8}\times1728}{\cfrac{715}{1728}\times1728}=\cfrac{216}{715}$
・・・・・・セソタチツテ
(4)
(1)と(3)より,箱A,B,Cを選んだときの確率は,それぞれ $\cfrac{3}{8}$,$\cfrac{4}{9}$,$\cfrac{27}{64}$ である。
・選んだ箱が D のときの確率は
$_3C_1\Big(\cfrac{1}{5}\Big)^1\Big(\cfrac{4}{5}\Big)^2=\cfrac{48}{125}$
事実(*)より,箱 A,B,C,D を選んだときのそれぞれの条件付き確率の比は
$\cfrac{3}{8}$,$\cfrac{4}{9}$,$\cfrac{27}{64}$,$\cfrac{48}{125}$
に等しい。
これらを可能性の高い方から順に並べる。
しかしながら,A,B,C,D についてすべて検討するのは煩雑であるため,選択肢から絞り込んでいくと良い。
選択肢より,最も可能性が高いものは A または B である。A と B を比べると
$\cfrac{3}{8}:\cfrac{4}{9}=27:32$ だから
A < B
選択肢は⑤~⑧に絞られる。それらの選択肢より,次に A と C を比べると良い。
$\cfrac{3}{8}:\cfrac{27}{64}$
$=\cfrac{24}{64}:\cfrac{27}{64}$ だから
A < C
選択肢は⑦または⑧に絞られる。さらに,A と D を比べると
$\cfrac{3}{8}:\cfrac{48}{125}$
$\cfrac{375}{1000}<\cfrac{384}{1000}$ だから
A < D
したがって,⑧が正しい。
・・・・・・ト
問題文
第3問~第5問は,いずれか2問を選択し,解答しなさい。
第3問
中にくじが入っている箱が複数あり,各箱の外見は同じであるが,当たりくじを引く確率は異なっている。くじ引きの結果から,どの箱からくじを引いた可能性が高いかを,条件付き確率を用いて考えよう。
(1) 当たりくじを引く確率が $\cfrac{1}{2}$ である箱 A と,当たりくじを引く確率が $\cfrac{1}{3}$ である箱 B の二つの箱の場合を考える。
(i) 各箱で,くじを 1 本引いてはもとに戻す試行を 3 回繰り返したとき
箱 A において,3 回中ちょうど 1 回当たる確率は $\cfrac{\boxed{\sf ア}}{\boxed{\sf イ}}$ ・・・①
箱 B において,3 回中ちょうど 1 回当たる確率は $\cfrac{\boxed{\sf ウ}}{\boxed{\sf エ}}$ ・・・②
である。
(ii) まず,A と B のどちらか一方の箱をでたらめに選ぶ。次にその選んだ箱において,くじを 1 本引いてはもとに戻す試行を 3 回繰り返したところ,3 回中ちょうど 1 回当たった。このとき,箱 A が選ばれる事象を $A$,箱 B が選ばれる事象を $B$,3 回中ちょうど 1 回当たる事象を $W$ とすると
$P(A\cap W)=\cfrac{1}{2}\times\cfrac{\boxed{\text{ア}}}{\boxed{\text{イ}}}$,$P(B\cap W)=\cfrac{1}{2}\times\cfrac{\boxed{\text{ウ}}}{\boxed{\text{エ}}}$
である。$P(W)=P(A\cap W)+P(B\cap W)$ であるから,3 回中ちょうど 1 回当たったとき,選んだ箱が A である条件付き確率 $P_W(A)$ は $\cfrac{\boxed{\sf オカ}}{\boxed{\sf キク}}$ となる。また,条件付き確率 $P_W(B)$は $\cfrac{\boxed{\sf ケコ}}{\boxed{\sf サシ}}$ となる。
(2) (1)の $P_W(A)$ と $P_W(B)$ について,次の事実(*)が成り立つ。
事実(*)
$P_W(A)$ と $P_W(B)$ の $\boxed{\boxed{\sf ス}}$ は,①の確率と②の確率の $\boxed{\boxed{\text{ス}}}$ に等しい。
$\boxed{\boxed{\text{ス}}}$ の解答群
⓪ 和 ① 2 乗の和 ② 3 乗の和
③ 比 ④ 積
(3) 花子さんと太郎さんは事実(*)について話している。
花子:事実(*)はなぜ成り立つのかな?
太郎:$P_W(A)$ と $P_W(B)$ を求めるのに必要な $P(A\cap W)$ と $P(B\cap W)$ の計算で,①,②の確率に同じ数 $\cfrac{1}{2}$ をかけているからだよ。
花子:なるほどね。外見が同じ三つの箱の場合は,同じ数 $\cfrac{1}{3}$ をかけることになるので,同様のことが成り立ちそうだね。
当たりくじを引く確率が,$\cfrac{1}{2}$ である箱 A,$\cfrac{1}{3}$ である箱 B,$\cfrac{1}{4}$ である箱 C の三つの箱の場合を考える。まず,A,B,C のうちどれか一つの箱をでたらめに選ぶ。次にその選んだ箱において,くじを 1 本引いてはもとに戻す試行を 3 回繰り返したところ,3 回中ちょうど 1 回当たった。このとき,選んだ箱が A である条件付き確率は $\cfrac{\boxed{\sf セソタ}}{\boxed{\sf チツテ}}$ となる。
(4)
花子:どうやら箱が三つの場合でも,条件付き確率の $\boxed{\boxed{\text{ス}}}$ は各箱で3 回中ちょうど 1 回当たりくじを引く確率の $\boxed{\boxed{\text{ス}}}$ になっているみたいだね。
太郎:そうだね。それを利用すると,条件付き確率の値は計算しなくても,その大きさを比較することができるね。
当たりくじを引く確率が,$\cfrac{1}{2}$ である箱A,$\cfrac{1}{3}$ である箱 B,$\cfrac{1}{4}$ である箱 C,$\cfrac{1}{5}$ である箱 D の四つの箱の場合を考える。まず,A,B,C,D のうちどれか一つの箱をでたらめに選ぶ。次にその選んだ箱において,くじを 1 本引いてはもとに戻す試行を 3 回繰り返したところ,3 回中ちょうど 1 回当たった。このとき,条件付き確率を用いて,どの箱からくじを引いた可能性が高いかを考える。可能性が高い方から順に並べると $\boxed{\boxed{\text{ト}}}$ となる。
$\boxed{\boxed{\text{ト}}}$ の解答群
⓪ A,B,C,D ① A,B,D,C
② A,C,B,D ③ A,C,D,B
④ A,D,B,C ⑤ B,A,C,D
⑥ B,A,D,C ⑦ B,C,A,D
⑧ B,C,D,A
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