【スマホで復習!高校化学】高分子化合物教科書まとめ
アミノ酸
アミノ基 $-\text{NH}_2$ とカルボキシル基 $-\text{COOH}$ を持つものを α-アミノ酸といい,α-アミノ酸のことをアミノ酸という。
さまざまなアミノ酸
側鎖 $-\text{R}$ によってさまざまなアミノ酸が存在する。
- グリシン 側鎖 R が H であるもの。
- アラニン 側鎖 R が $-\text{CH}_3$ であるもの。
- 分子中に $-\text{COOH}$ と $-\text{NH}_2$ を 1 個ずつもつものを中性アミノ酸という。
- 側鎖 R の中に $-\text{COOH}$ をもつものを酸性アミノ酸という。
- 側鎖 R の中に $-\text{NH}_2$ をもつものを塩基性アミノ酸 という。
アミノ酸の双性イオン・陽イオン・陰イオン
双性イオン アミノ酸は水溶液中で COOH から $\text{H}^+$ が電離し,$-\text{NH}_2$ と結合して $-{\text{NH}_3}^+$ になる。こうして,正・負の両方の電荷をもつ双性イオンとなる。
陽イオン 水溶液に酸を加えると $\text{H}^+$ を受け取り陽イオンになる。
陰イオン 水溶液に塩基を加えると $\text{H}^+$ を放出して陰イオンになる。
アミノ酸の反応
- アミノ酸をアルコールでエステル化すると酸としての性質がなくなる。
- アミノ酸を無水酢酸でアセチル化すると塩基としての性質がなくなる。
- ニンヒドリン反応 アミノ酸にニンヒドリン水溶液を加えて温めると,紫色に呈色する。
タンパク質
多数のアミノ酸がペプチド結合によって縮合重合したものをタンパク質という。
ペプチド アミノ酸どうしから生じたアミド結合-CO-NH-を特にペプチド結合という。ペプチド結合をもつ物質をペプチドという。
- 単純タンパク質 加水分解するとアミノ酸だけを生じるもの。
- 複合タンパク質 加水分解するとアミノ酸のほかに糖類,リン酸などを生じるもの。
- 球状タンパク質 ポリペプチド鎖が球状に丸まったもの。
- 繊維状タンパク質 ポリペプチド鎖が束状になったもの。
タンパクの一次~四次構造
- 一次構造 さまざまな種類のアミノ酸が結合するとき,その配列順序を一次構造という。
- 二次構造 ペプチド結合の部分に水素結合が形成され安定化した構造。らせん状のα-ヘリックス構造,ジグザグ状に折れ曲がったβ-シート構造がある。
- 三次構造 アミノ酸の一種であるシステインの側鎖の間につくられるジスルフィド(S-S)結合などによって複雑に折りたたまれた立体構造。
- 四次構造 三次構造のポリペプチド鎖が集合して複合体をつくったもの。
タンパク質の塩析・変性
- 塩析 水に溶けるタンパク質の水溶液はコロイド水溶液になる。多量の電解質を加えるとコロイド粒子が凝縮して沈殿することを塩析という。
- タンパク質の変性 タンパク質は加熱,強酸・強塩基,有機溶媒などの作用で水素結合などが切れ立体構造が変化し,凝固・沈殿する。変性したタンパク質はもとにもどらないことが多い。
タンパク質の反応
タンパク質水溶液に関係する反応は以下のものがある。
- ビウレット反応 水酸化ナトリウム水溶液と少量の薄い硫酸銅(II)水溶液を加えると赤紫色になる。トリペプチド(2つ以上のペプチド結合をもつもの)以上のペプチドで見られる。
- キサントプロテイン反応 濃硝酸を加えて加熱すると黄色になる。冷却後にアンモニア水を加えると橙黄(とうおう)色になる。この反応はベンゼン環のニトロ化によって起こり,芳香族アミノ酸が含まれていることしめす。
- 硫黄の検出 濃NaOH水溶液を加えて加熱し,酢酸で中和し,$(\text{CH}_3\text{COO})_2\text{Pb}$ 水溶液を加えると,硫化鉛(II) PbS の黒色沈殿を生じる。この反応は硫黄 S を含むアミノ酸がふくまれていることを示す。
酵素としての性質
酵素はタンパク質を主成分とし,触媒としてはたらく。
- 基質特異性 酵素はそれぞれ決まった物質(基質という)に作用する。
- 最適温度 酵素は35~40℃で最もよくはたらく。これより高温になると酵素のタンパク質が変質し活性を失う(酵素の失活という)
- 最適 pH 酵素が最もよくはたらく pH を最適 pH といい,多くの酵素は中性付近に最適 pH を持つが,中性付近でないものもある。
核酸
- リン酸,五炭糖,環状構造の塩基を持つヌクレオチドを構成単位とする。さらにヌクレオチドどうしが結合し,糖の 3 位の -OH とリン酸が縮合した鎖状構造をもつ。
- 糖部分がデオキシリボース $\text{C}_5\text{H}_{10}\text{O}_4$ でできているものをDNA(デオキシリボ核酸)という。2 位の炭素に -H が結合している。DNAを構成する核酸塩基はアデニン(A),グアニン(G),シトシン(C),チミン(T) の 4 種類。DNAは塩基どうしが水素結合を形成して二重らせん構造をとる。
- 糖部分がリボース $\text{C}_5\text{H}_{10}\text{O}_5$ でできているものをRNA(リボ核酸)という。2 位の炭素に -OH が結合している。RNA を構成する核酸塩基はアデニン(A),グアニン(G),シトシン(C),ウラシル(U) の 4 種類。
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