【数ⅡBベクトル】位置ベクトルの意味が分からない 三角形の重心

位置ベクトルって習ったんですけど、意味がさっぱり分かりません。
位置ベクトルって相対的な位置関係のことなの。解説していくね。

位置ベクトルの考え方

例えばなんだけど、自分が今いる場所からみて学校、駅がこんな感じの位置にあったとするじゃない?

この位置からすると学校は西、駅は南にある。で、今度は自分の位置を変える。

そうすると、今度は学校は北、駅は東になる。このとき自分のいる場所を始点Oってすると、学校と駅のある場所を表すベクトルって自分のいる地点次第で色々変わることになる。つまり、位置ベクトルってのは始点Oからみた相対的な位置のことなの。

ただそれでも、学校から見たら駅って南東にあるのは変わらないよね。

建物動かないですからね。

今度はベクトルでいくよ。

ベクトルの最初の方で習ったけど、AB=OBOA\overrightarrow{\text{AB}}=\overrightarrow{\text{OB}}-\overrightarrow{\text{OA}} だった。

うしろ引く前、でしたっけ?

そうそう。で、同じように始点をO’\text{O’} として考たら O’BO’A=AB\overrightarrow{\text{O’B}}-\overrightarrow{\text{O’A}}=\overrightarrow{\text{AB}} ってなる。つまり、始点をどこに置こうが AB\overrightarrow{\text{AB}} は同じ。さっきの話で言うと、自分のいる場所が変わっても建物同士の位置関係は変わらないってこと。

重心を求める方法その1

なんとなく意味は分かったけど、これ何か役に立つんですか?

位置ベクトルってのは要するに始点は自分が好きな位置に決めていいってことなの。ここから重心に関する問題2つやるけど、場合によって始点の位置を変えることでうまく対処できるのを確認して。

問題 三角形ABCにおいて、AE=BE、BD=CD とするとき、AG:GDを求めよ。

まあ、重心だから答えは2:1って分かってるけど、計算してみようか。今回はAを始点ってことにしてみるよ。

内分点の公式より
AD=1AB+1AC1+1=12AB+12AC\displaystyle\overrightarrow{\text{AD}}=\frac{1\cdot\overrightarrow{\text{AB}}+1\cdot\overrightarrow{\text{AC}}}{1+1}=\frac{1}{2}\overrightarrow{\text{AB}}+\frac{1}{2}\overrightarrow{\text{AC}}
また AG=kAD\overrightarrow{\text{AG}}=k\overrightarrow{\text{AD}} とおくと
AG=12kAB+12kAC\displaystyle\overrightarrow{\text{AG}}=\frac{1}{2}k\overrightarrow{\text{AB}}+\frac{1}{2}k\overrightarrow{\text{AC}}\cdots
さらに点Gを辺ECの内分点として式を作ると
AG=(1t)AE+tAC\overrightarrow{\text{AG}}=(1-t)\overrightarrow{\text{AE}}+t\overrightarrow{\text{AC}}
AE=12AB\displaystyle\overrightarrow{\text{AE}}=\frac{1}{2}\overrightarrow{\text{AB}} だから
AG=12(1t)AB+tAC\displaystyle\overrightarrow{\text{AG}}=\frac{1}{2}(1-t)\overrightarrow{\text{AB}}+t\overrightarrow{\text{AC}}\cdots

①、②より係数を比べて
12k=12(1t)\displaystyle\frac{1}{2}k=\frac{1}{2}(1-t)\cdots
12k=t\displaystyle \frac{1}{2}k=t\cdots
③、④より
12k=12(112k)\displaystyle\frac{1}{2}k=\frac{1}{2}(1-\frac{1}{2}k)
k=23\displaystyle k=\frac{2}{3}
したがって、AG:DG=2:1 (答え)

こんな感じで、ベクトルの始点を全部Aに合わせて表していくのがポイント。始点は一度決めたら変えないようにね。

重心を求める方法2

問題 A(a)(\vec{a})、B(b)(\vec{b})、C(c)(\vec{c})、D(d)(\vec{d})、E(e)(\vec{e})、G(g)(\vec{g}) とするとき、g\vec{g}a\vec{a}b\vec{b}c\vec{c} を用いて表せ。


んー、急に分からなくなった。a\vec{a} ってどこ?

前の問題と同じことなんだけど、書き方が変わったよね。これって、どこかに始点Oがあるんだけど省略されてるって思えばいい。

例えば、AB\overrightarrow{\text{AB}}
AB=OBOA=ba\overrightarrow{\text{AB}}=\overrightarrow{\text{OB}}-\overrightarrow{\text{OA}}=\vec{b}-\vec{a}
として表せる。
b\vec{b} が三角形とカブって見えづらいです。
そうね。図形がこれより複雑になったらもっとヒドいことになる。だからあえてOを書かないで、数式上だけで AB=ba\overrightarrow{\text{AB}}=\vec{b}-\vec{a} ってして片付けちゃうの。そうすると、始点がどこにあるかいちいち考えなくてすむようになるから、位置ベクトル便利じゃね?ってことが言える。

これから解いていくけど、前の問題と比べて書き方がシンプルになってるから、有難み実感してね。

あーりーがーとぅー。

点D、Eはそれぞれ中点だから
e=12a+12b\displaystyle\vec{e}=\frac{1}{2}\vec{a}+\frac{1}{2}\vec{b}
d=12b+12c\displaystyle\vec{d}=\frac{1}{2}\vec{b}+\frac{1}{2}\vec{c}

g=(1t)e+tc\vec{g}=(1-t)\vec{e}+t\vec{c}
g=12(1t)a+12(1t)b+tc\displaystyle\vec{g}=\frac{1}{2}(1-t)\vec{a}+\frac{1}{2}(1-t)\vec{b}+t\vec{c}\cdots
また
g=(1s)a+sd\vec{g}=(1-s)\vec{a}+s\vec{d}
g=(1s)a+12sb+12sc\displaystyle\vec{g}=(1-s)\vec{a}+\frac{1}{2}s\vec{b}+\frac{1}{2}s\vec{c}\cdots
①、②より係数を比べて
12(1t)=1s\displaystyle\frac{1}{2}(1-t)=1-s\cdots
12(1t)=12s\displaystyle\frac{1}{2}(1-t)=\frac{1}{2}s\cdots
t=12s\displaystyle t=\frac{1}{2}s\cdots
③、④より
1s=12s\displaystyle 1-s=\frac{1}{2}s
s=23\displaystyle s=\frac{2}{3}
②に代入して
g=(123)a+1223b+1223c\displaystyle\vec{g}=(1-\frac{2}{3})\vec{a}+\frac{1}{2}\cdot\frac{2}{3}\vec{b}+\frac{1}{2}\cdot\frac{2}{3}\vec{c}
g=a+b+c3\displaystyle\vec{g}=\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3} (答え)

こんな感じで式の書き方がシンプルになったよね。位置ベクトルって結局はどこかに始点Oをおいたら、a=OA\vec{a}=\overrightarrow{\text{OA}} ってことだよね。位置ベクトルやっててわかんなくなったら、どこかに始点をおいて考えると見えてくるようになるからね。