北極にはマイクロプラスチックの雪が降っている 大気に飛散するプラスチックはどこからやってくるか?

最近では、報道などで海洋プラスチックの問題が大きく取り上げられるようになり、使い捨てストローなどのプラスチック廃棄の問題への取り組みが注目されています。そして、マイクロプラスチックは私たちの周辺だけでなく、遠い北極の氷の中からも発見されています。

”彼らはマイクロプラスチックを見つけただけではない。チームが発見した「多くの数」は、バーグマンに衝撃を与えた。「私たちはマイクロプラスチックを見つけることを期待していましたが、私たちが見つけた数は大きな驚きでした」と彼女は言った。北極圏のほぼすべてのサンプルに数千個の微小プラスチック粒子が含まれていた。1リットルの雪に14,000粒が含まれていた。マイクロプラスチックはヨーロッパではさらに豊富であり、雪1リットルあたり150,000粒ものマイクロプラスチックが存在した。”

大気中のマイクロプラスチックが雪になって降り注ぐ

北極の氷にマイクロプラスチックが含まれるということは、そのプラスチックは海からではなく空から降ってきたと考えるのが自然です。そうしたプラスチックは私たちが日常で使用しているプラスチックの表面が削れて目に見えないほどの微小な粉になったものです。微小なプラスチックは大気中を漂い、やがて雪の一部として北極に降り注いでいるのです。

北極の氷には船舶の塗料などに使われる有機物が多く含まれていた。

そして調査結果を発表したバーグマンを最も困惑させたのは、北極で発見されたマイクロプラスチックの多くが船舶や建築物の塗料に使用されているワニスであったことです。つまり劣化によって自然にはがれた塗料が空気中に飛散し、北極まで運ばれた可能性が高いのです。そのため、バーグマンは消費者の取り組みによって使い捨てストローを減らす方がむしろ簡単であり、こうした塗料の使用を減らす方がはるかに困難であることを指摘しています。