満月が人間を狂わせる? 欧米人が広く信じている迷信

ヨーロッパでは古くから満月が人間の行動に影響を与えると信じられてきました。現代においてでも、満月の夜には交通事故が増える、スポーツの試合で乱闘が起こる、犯罪率が上昇するなどと言われ、それを示す調査結果が存在すると言われることもあります。

“ある調査が明らかにしたことによれば、大学生の45パーセントが月の影響で気の狂った人間は通常ではない行動をする傾向があると信じており、また他の調査において精神保健の専門家は普通の人に比べ未だにこうしたことを確信していることが多いことが示唆されている。 (立教大)”

月にまつわる英語フレーズ「外は満月に違いない」

古くからさまざまな文学作品でThere must be a full moon out there「外は満月に違いない」というフレーズが用いられてきました。

このフレーズが使われるのは、ある夜、建物の中で何か不吉で通常では起こらないようなことが起こったときです。満月が人間の行動を狂わせると広く信じられているからこそ、このフレーズを読んだ読者は何か不吉なことが起こっていると予期することができるのです。

「満月が人を狂わせる」は都市伝説

とは言え、なぜ満月が人間を狂わせるのでしょうか。その理由は、人間の体の大部分は水でできているため、月の重力によって体の水分が引っ張られて精神に異常をもたらすからだと考えられています。

一瞬、なるほど、と思ってしまうかもしれませんが、冷静になって考えると、そもそも満月と三日月で重力の大きさが変わるはずがありません。例え見た目の大きさが違っていても、それは表面で光を反射している面積が大きいか小さいかの違いであり、月の質量自体が変化しているわけではないのです。

その上、月の重力が人間の体を引っ張ると言っても、その影響は無視できるほど微小なものであり、それが人間の精神に影響を与えることはあり得ません。

また、満月の夜には交通事故が増えたり犯罪率が高くなると言われていたのですが、ちゃんと調査した結果、それを裏付ける統計的根拠は存在しなかったようです。

古くから信じられてきた満月の迷信ですが、現代では都市伝説として受け継がれているようです。

最後にクイズです。都市伝説は英語で何と言うのでしょうか?

答えは urban legend。案外、普通でした。