座標空間において,O を原点とし,A (2,0,0),B (0,2,0),C (1,1,0) とする。△OAB を直線 OC の周りに 1 回転してできる回転体を L とする。以下の問に答えよ。
(1) 直線 OC 上にない点 P (x,y,z) から直線 OC におろした垂線を PH とする。 OH と HP を x,y,z の式で表わせ。
(2) 点 P (x,y,z) が L の点であるための条件は
z2≦2xy かつ 0≦ x+y≦2
であることを示せ。
(3) 1≦ a≦2 とする。L を平面 x=a で切った切り口の面積 S(a) を求めよ。
(4) 立体 {(x,y,z)∣(x,y,z)∈ L,1≦ x≦2} の体積を求めよ。
内積 0 を利用する
(1)から始めます。
点 H は直線 OC 上の点なので,k を用いて
OH=k(1,1,0)
=(k,k,0)
と表すことができます。よって
HP=OP−OH
=(x,y,z)−(k,k,0)
=(x−k,y−k,z)
また,OH と OC は垂直の関係にあるので,その内積は 0 になります。
そこ注意。
k=0 のとき
OH は
(0,0,0) ってなって,いわゆる零ベクトルになる。このとき,点 P がどの座標にあったとしても,OH と PH の内積は 0 になる。
零ベクトルってベクトルの長さが存在しないので,直角の関係が作れない。
OC だったら,ベクトルの長さがちゃんと存在するので直角が作れる。
つまり,内積が 0 だからと言ってつねに直角とは限らないということだよね。今回でいうと,
OH みたいに零ベクトルになり得るものは除外して考えたほうがよい。
HP⋅OC=x−k+y−k+z⋅0=0
x−k+y−k=0
x−y−2k=0
k=2x+y
したがって
OH=(2x+y,2x+y,0)
HP=(2x−y,2y−x,z) (答え)
回転体上の点
図を描いてみると,点 P が回転体の周または内部の点であるための条件がみえてきます。
⎩⎨⎧x≧0y≧00≦ k≦10≦∣OH∣≦20≦∣PH∣≦2∣PH∣≦∣OH∣
図を見るとわかるけど,PH の長さが OH より長いと点 P が回転体の外に行ってしまう。だから,
∣PH∣≦∣OH∣ という条件が必要。
∣OH∣2=(2x+y)2+(2x+y)2
=2(x+y)2≦2
(x+y)2≦4
よって
0≦ x+y≦2
さらに
∣PH∣2=(2x−y)2+(2y−x)2+z2
=4x2−2xy+y2+y2−2xy+x2+z2
=42(x2−2xy+y2)+z2
=2(x−y)2+z2≦2
よって
∣PH∣≦∣OH∣ より
∣PH∣2≦∣OH∣2
2(x−y)2+z2≦2(x+y)2
z2≦2(x+y)2−(x−y)2
z2≦2x2+2xy+y2−x2+2xy−y2
z2≦24xy
z2≦2xy (証明終わり)
切断面の面積
(3)に進みます。
平面で切った切り口は回転体の周または内部の点です。そこで(2)で証明した不等式を利用します。
x=a とすると
z2≦2ay
2az2≦ y ・・・①
a は定数だから,y と z の関係を表すことができました。
また
0≦ a+y≦2
0≦ y≦2−a ・・・②
①,②より
2az2≦ y≦2−a
なってる。円錐ナナメに切断して半月の形になるのは想像つくと思うけど,曲線の部分が 2 次関数の曲線になるってのはちょっと意外かもね。
y=2−a と y=2az2 の交点の z 座標を α,−α としておきます。
面積は 6 分の 1 公式を使って求めましょう。
S(a)=6∣∣2a1∣∣{α−(−α)}3
=12a8α3
=3a2α3
ここで,α を求めると
2−a=2az2
z2=2a(2−a)
z=±2a(2−a)
よって,α=2a(2−a) です。
S(a)=3a2⋅2a(2−a)2a(2−a)
=34(2−a)2a(2−a) (答え)
体積を求める
(4)に進みます。
ようするに,(3)で求めた切断面の面積を
1≦ x≦2 の区間で積分して体積求めろってこと。
V=∫1234(2−a)2a(2−a) da
定数を前に出しておきます。
=342∫12(2−a)a(2−a) da
難易度高いかもね。何やっていいか分からないカンジかも。
ルートの中を展開すると 2a−a2 となります。方針としては,ルートの中に 2 次関数が出てきたらいったん平方完成してみると良いでしょう。
平方完成して
=342∫12(2−a)1−(a−1)2 da
ここで,a−1=sinθ とすると
da=cosθ dθ
aθ1→20→2π
また,a=1+sinθ だから
=342∫02π(2−1−sinθ)1−sin2θ⋅cosθ dθ
=342∫02π(1−sinθ)cos2θ dθ
=342∫02πcos2θ−sinθcos2θ dθ
積分の中に
cos2θ がきたら半角の公式。ここはお約束。
=342∫02π21+cos2θ−sinθcos2θ dθ
sinθcos2θ は?
cos3θ を微分すると,
3cos2θ⋅(−sinθ) ってなる。
cos3θ は合成関数だから
cosθ を微分した
−sinθ をかけるのを忘れずに。これを利用する。
=322[θ−21sin2θ]02π+342[31cos3θ]02π
=322⋅2π−942
=32π−942 (答え)
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