数III高校数学の解法

【数III積分】置換積分が何をやってるのか分からないので掘り下げて考えてみる

置換積分って「とにかくやり方覚えろ」みたいな感じで習ったけど,結局何やってるかよく分かってないです。

まあ,ほとんどの高校生そんなもの。微積は掘り下げると迷宮に入るからね。ぼちぼち掘り下げるくらいの説明はできるから,一緒に考えてみようか。

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ルートの置き換え

$\displaystyle\int\cfrac{x}{\sqrt{x+1}}\space dx$

不定積分の問題。パターンなのだけど,ルートあったらルートごと置換するとよい。

$\sqrt{x+1}=t$ とおくと,両辺を2乗して

$x+1=t^2$

$x=t^2-1$

両辺を微分して

$dx=2t\space dt$

なんで,微分でこれになるの?

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置換積分で微分を行う仕組み

$x=t^2-1$ を $t$ で微分すると $\cfrac{dx}{dt}=2t$ です。これを変形して $dx=2t\space dt$ となります。横軸 $t$,縦軸 $x$ のグラフを考えると $\cfrac{dx}{dt}=2t$ は「横方向の微小な変位量と縦方向の微小な変位量の比は $2t$ である。」という意味です。また $dx=2t\space dt$ は$1\space dx=2t\space dt$ と考えることができ,同じように変位量の比が $2t$ であるという意味になります。つまり,言ってることはどちらも同じです。

本来,$dx$ とか $dt$ は数式ではないから方程式として操作できないけど,意味が一緒だから書き換えてもいい,という理屈。

置換積分で行っている操作とはこういうことです。$dy$ と $dx$ の比から積分することが難しい場合,いったん $dx$ と $dt$ の比を考えることで,$dy$ と $dx$ の比を,$dy$ と $dt$ の比に置き換えようとしているのです。
問題文の積分の式を逆に考えると,求めようとしている関数の微分が $\cfrac{dy}{dx}=\cfrac{x}{\sqrt{x+1}}$ であるということです。これは,$1\space dy=\cfrac{x}{\sqrt{x+1}}\space dx$ と同じことであり,$dy$ と $dx$ の比は $1:\cfrac{x}{\sqrt{x+1}}$ と言えます。
上の 2 つの比の関係をつなげると,$t$ の微小な変位量の $2t$ 倍が $x$ の微小な変位量で,$x$ の微小な変位量の $\cfrac{x}{\sqrt{x+1}}$ 倍が $y$ の微小な変位量となります。
ここで,$\sqrt{x+1}=t$,$x=t^2-1$ より,
$\cfrac{x}{\sqrt{x+1}}=\cfrac{t^2-1}{t}$
よって,$t$ の微小な変位量の $2t$ 倍の $\cfrac{t^2-1}{t}$ 倍が $y$ の微小な変位量である,ということになります。これで,$x$ が消え,$t$ の微小な変位量と $y$ の微小な変位量の関係式になりました。
こうして
$\displaystyle\int\cfrac{x}{\sqrt{x+1}}\space dx=\int \cfrac{t^2-1}{t}\cdot 2t\space dt$
が成り立つのです。

んー,何となくわかったけど,結構複雑。

だね。

置換が終わればあとは普通に積分の計算をしていきます。

$\displaystyle\int\cfrac{t^2-1}{t}\cdot2t\space dt=2\int t^2-1\space dt$

$=2\Big(\cfrac{t^3}{3}-t\Big)+C=\cfrac{2}{3}t(t^2-3)+C$

$t=\sqrt{x+1}$ より

$=\cfrac{2}{3}\sqrt{x+1}(x+1-3)+C$

$=\cfrac{2}{3}(x-2)\sqrt{x+1}+C$ ($C$は積分定数)・・・(答)

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三角関数の置換

基本的な仕組みを理解したところで,これを三角関数の式に利用してみましょう。

$\displaystyle\int\cfrac{\cos^3x}{1-\sin x}\space dx$

この問題は少しテクニックが必要で,いったん式を変形してから置換します。

$=\displaystyle\int\cfrac{\cos^3x(1+\sin x)}{(1-\sin x)(1+\sin x)}\space dx$

$\displaystyle=\int\cfrac{\cos^3x(1+\sin x)}{1-\sin^2x}\space dx$

$\displaystyle=\int\cfrac{\cos^3x(1+\sin x)}{\cos^2x}\space dx$

$\displaystyle=\int\cos x(1+\sin x)\space dx$

$\sin x=t$ とすると

$\cos x\space dx=dt$

$dx=\cfrac{dt}{\cos x}$

これでうまいこと $\cos x$ が消去できる。

$\displaystyle=\int\cos x(1+t)\cdot\cfrac{dt}{\cos x}$

$\displaystyle=\int1+t\space dt$

$=t+\cfrac{t^2}{2}+C$

$=t\Big(1+\cfrac{t}{2}\Big)+C$

$=\sin x\Big(1+\cfrac{\sin x}{2}\Big)+C$ ($C$は積分定数) ・・・(答)

何を置換するかってのはひらめきだけど,経験値が必要。とにかく色々問題解いてみてレベルアップすべし。

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