【スマホで読む・わかりやすい】センター数学IA2014追試【解説・正解・問題】
第1問
〔1〕 定数 $a$,$b$,$c$ は $a+b+c=1$,$ab+bc+ca=-2$,$abc=-1$ を満たすとする。
(1) $a^2+b^2+c^2=\boxed{\text{ ア }}$,$\cfrac{1}{a}+\cfrac{1}{b}+\cfrac{1}{c}=\boxed{\text{ イ }}$ である。
次に,$\cfrac{1}{a}+\cfrac{1}{b}+\cfrac{1}{c}=\boxed{\text{ イ }}$ の両辺を 2 乗することで
$\cfrac{1}{a^2}+\cfrac{1}{b^2}+\cfrac{1}{c^2}=\boxed{\text{ ウ }}$
であることがわかる。
(2) $x$ の 2 次式 $A$ を
$A=\bigg(ax-\cfrac{1}{a}\bigg)^2+\bigg(bx-\cfrac{1}{b}\bigg)^2+\bigg(cx-\cfrac{1}{c}\bigg)^2$
とおく。
$A=\boxed{\text{ エ }}x^2-\boxed{\text{ オ }}x+\boxed{\text{ カ }}$
であり,$A=7$ を満たす $x$ の値は $\cfrac{\boxed{\text{ キ }}\pm\sqrt{\boxed{\text{ クケ }}}}{\boxed{\text{ コ }}}$ である。
〔2〕 実数 $a$,$b$ に関する条件 $p$,$q$ を次のように定める。
$p:|a+b|=|a|+b$
$q:ab^2≧0$
(1) 次の ⓪~④ のうち, $q$ の否定 $\overline{q}$ と同値である条件は $\boxed{\text{ サ }}$ である。
$\boxed{\text{ サ }}$ に当てはまるものを,次の⓪~④ のうちから一つ選べ。
⓪ $a < 0$ ① $a < 0$ かつ $b < 0$
② $a < 0$ または $b < 0$ ③ $a < 0$ かつ $b\not =0$
④ $a < 0$ または $b\not =0$
(2) 下の$\boxed{\text{ シ }}$,$\boxed{\text{ ス }}$,$\boxed{\text{ セ }}$に当てはまるものを,次の⓪~④のうちから一つずつ選べ。ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。
⓪ $\gt$ ① $\geqq$ ② $=$
③ $\leqq$ ④ $\lt$
(i) $p$ を満たす $a$,$b$ について,$a+b \geqq 0$ ならば $a\boxed{\text{ シ }}\space 0$ である。
(ii) $p$ を満たす $a$,$b$ について,$a \geqq 0$ ならば $a+b\boxed{\text{ ス }}\space 0$ である。
(iii) $a+b < 0$ を満たす $a$,$b$ について, $b\boxed{\text{ セ }}\space 0$ であることと $p$ を満たすことは同値である。
(3) $p$ は $q$ であるための $\boxed{\text{ ソ }}$。
$\boxed{\text{ ソ }}$ に当てはまるものを,次の⓪~③のうちから一つずつ選べ。
⓪ 必要十分条件である
① 十分条件であるが,必要条件ではない
② 必要条件であるが,十分条件ではない
③ 必要条件でも十分条件でもない
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解答・解説
ア 5 イ 2 ウ 6
エ,オ,カ 5,6,6
キ,クケ,コ 3,14,5
サ 3 シ 1 ス 1
セ 2 ソ 1
〔1〕
(1)
$(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca$ だから
$a^2+b^2+c^2=(a+b+c)^2-2(ab+bc+ca)$
$=1^2-2(-2)$
$=5$
また
$\cfrac{1}{a}+\cfrac{1}{b}+\cfrac{1}{c}=\cfrac{ab+bc+ca}{abc}$
$=\cfrac{-2}{-1}=2$
次に
$\bigg(\cfrac{1}{a}+\cfrac{1}{b}+\cfrac{1}{c}\bigg)^2=\cfrac{1}{a^2}+\cfrac{1}{b^2}+\cfrac{1}{c^2}+\cfrac{2}{ab}+\cfrac{2}{bc}+\cfrac{2}{ca}$
よって
$\cfrac{1}{a^2}+\cfrac{1}{b^2}+\cfrac{1}{c^2}=\bigg(\cfrac{1}{a}+\cfrac{1}{b}+\cfrac{1}{c}\bigg)^2-2\bigg(\cfrac{1}{ab}+\cfrac{1}{bc}+\cfrac{1}{ca}\bigg)$
$=2^2-2\bigg\{\cfrac{a^2bc+ab^2c+abc^2}{(abc)^2}\bigg\}$
$=4-\cfrac{2abc(a+b+c)}{(abc)^2}$
$=4-\cfrac{2(a+b+c)}{abc}$
$=4-\cfrac{2\cdot1}{-1}=6$
(2)
$A=\bigg(ax-\cfrac{1}{a}\bigg)^2+\bigg(bx-\cfrac{1}{b}\bigg)^2+\bigg(cx-\cfrac{1}{c}\bigg)^2$
$=a^2x^2-2x+\cfrac{1}{a^2}+b^2x^2-2x+\cfrac{1}{b^2}+c^2x^2-2x+\cfrac{1}{c^2}$
$=(a^2+b^2+c^2)x^2-6x+\cfrac{1}{a^2}+\cfrac{1}{b^2}+\cfrac{1}{c^2}$
$=5x^2-6x+6$
次に $A=7$ より
$5x^2-6x+6=7$
$5x^2-6x-1=0$
$x=\cfrac{3\pm\sqrt{9+5}}{5}$
$=\cfrac{3\pm\sqrt{14}}{5}$
〔2〕
(1)
$q:ab^2\geqq0$ より $\overline{q}:ab^2\lt0$
このとき $b^2$ はつねに $0$ 以上の値となるが,$b$ が $0$ のときに不等式が成立しないことに注意する。よって,$b\not=0$
また,$b^2$ が $0$ 以上であることから,$a$ は 負の値をとる必要がある。したがって
$\overline{q}:a\lt0$ かつ $b\not=0$
(2)
(i) $a+b\geqq0$ のとき
$|a+b|$ の絶対値の記号はそのまま外してよい。
$p:a+b=|a|+b$
$a=|a|$
これは $a\geqq0$ のときに成り立つ。
(ii) $a\geqq0$ のとき
$|a|$ の絶対値の記号はそのまま外してよい。
$p:|a+b|=a+b$
これは $a+b\geqq0$ のときに成り立つ。
(iii)
$a+b\lt0$ のとき
$|a+b|$ は符号を逆にして絶対値の記号を外す。
$p:-a-b=|a|+b$
$2b=-a-|a|$
$b=-\cfrac{a+|a|}{2}$
式に $|a|$ があるので,場合分けをして考えるとよい。
$a\geqq0$ のとき
$b=-\cfrac{2a}{2}=-a$
これを $a+b\lt0$ に代入すると $a-a\lt0$ となり,不等式が成り立たない。よって不適。
$a\lt0$ のとき
$b=-\cfrac{a-a}{2}=0$
これを $a+b\lt0$ に代入すると $a\lt0$ となり,適する。
したがって,$a+b\lt0$ のとき $a\lt0$,$b=0$ である。
(3)
$p\implies q$ を考える。上で $\overline{q}$ を求めたので,これを利用して $p\implies\overline{q}$ を考えた方が判断しやすい。
たとえば,(2)の(i)のとき $p\implies\overline{q}$ は偽である。よって,$p\implies q$ は真である。このような考え方を背理法という。
また $q\implies p$ を考えると,$a\geqq0$,$b\lt0$ のとき(2)の(ii)は成り立たない場合がある。よって,$q\implies p$ は偽。
したがって,$p$ は $q$ であるための十分条件であるが,必要条件ではない。
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