【スマホで読む・わかりやすい】センター数学IA2013本試【解説・正解・問題】
第1問
〔1〕
$A=\cfrac{1}{1+\sqrt{3}+\sqrt{6}}$,$B=\cfrac{1}{1-\sqrt{3}+\sqrt{6}}$ とする。
このとき
$AB=\cfrac{1}{(1+\sqrt{6})^2-\boxed{\text{ ア }})}=\cfrac{\sqrt{6}-\boxed{\text{ イ }}}{\boxed{\text{ ウ }}}$
であり,また
$\cfrac{1}{A}+\cfrac{1}{B}=\boxed{\text{ エ }}+\boxed{\text{ オ }}\sqrt{6}$
である。以上により
$A+B=\cfrac{\boxed{\text{ カ }}-\sqrt{6}}{\boxed{\text{ キ }}}$
となる。
〔2〕
三角形に関する条件 $p$,$q$,$r$ を次のように定める。
$p$ :三つの内角がすべて異なる
$q$:直角三角形ではない
$r$: $45\degree$ の内角は一つもない
条件 $p$ の否定を $\overline{p}$ で表し,同様に $\overline{q}$,$\overline{r}$ はそれぞれ条件 $q$,$r$ の否定を表すものとする。
(1) 命題「$r\implies (p$ または $q)$」の対偶は「$\boxed{\text{ ク }} \implies \overline{r}$ 」である。
$\boxed{\text{ ク }}$ に当てはまるものを,次の⓪~③ のうちから一つ選べ。
⓪ $(p$ かつ $q)$
① $(\overline{p}$ かつ $\overline{q})$
② $(\overline{p}$ または $q)$ ③ $(\overline{p}$ または $\overline{q})$
(2) 次の⓪~④のうち,命題「$(p$ または $q )\implies r$ 」に対する反例となっている三角形は $\boxed{\text{ ケ }}$ と $\boxed{\text{ コ }}$ である。
$\boxed{\text{ ケ }}$ と $\boxed{\text{ コ }}$ に当てはまるものを,⓪~④ のうちから一つずつ選べ。ただし,$\boxed{\text{ ケ }}$ と $\boxed{\text{ コ }}$ の解答の順序は問わない。
⓪ 直角二等辺三角形
① 内角が $30\degree$,$45\degree$,$105\degree$ の三角形
② 正三角形
③ 三辺の長さが $3$,$4$,$5$ の三角形
④ 頂角が $45\degree$ の二等辺三角形
(3) $r$ は $(p$ または $q)$ であるための $\boxed{\text{ サ }}$。
$\boxed{\text{ サ }}$ に当てはまるものを,次の⓪~③ のうちから一つ選べ。
⓪ 必要十分条件である
① 必要条件であるが,十分条件ではない
② 十分条件であるが,必要条件ではない
③ 必要条件でも十分条件でもない
解答・解説
ア $3$
イ,ウ $2,4$
エ,オ $2,2$
カ,キ $4,2$
ク $1$
ケ,コ $1,4$ または $4,1$
サ $2$
〔1〕
AB$=\cfrac{1}{(1+\sqrt{3}+\sqrt{6})(1-\sqrt{3}+\sqrt{6})}$
$=\cfrac{1}{\{(1+\sqrt{6})+\sqrt{3}\}\{(1+\sqrt{6})-\sqrt{3}\}}$
$=\cfrac{1}{(1+\sqrt{6})^2-(\sqrt{3})^2}$
$=\cfrac{1}{1+2\sqrt{6}+6-3}$
$=\cfrac{1}{2(2+\sqrt{6})}$
分母を有理化すると
$=\cfrac{2-\sqrt{6}}{2(2+\sqrt{6})(2-\sqrt{6})}$
$=\cfrac{2-\sqrt{6}}{2(4-6)}$
$=\cfrac{\sqrt{6}-2}{4}$
また
$\cfrac{1}{A}+\cfrac{1}{B}=1+\sqrt{3}+\sqrt{6}+1-\sqrt{3}+\sqrt{6}$
$=2+2\sqrt{6}=2(1+\sqrt{6})$
以上により
$\cfrac{1}{A}+\cfrac{1}{B}=\cfrac{A+B}{AB}$
$A+B=AB\bigg(\cfrac{1}{A}+\cfrac{1}{B}\bigg)$
$=\cfrac{\sqrt{6}-2}{4}2(1+\sqrt{6})$
$=\cfrac{(\sqrt{6}-2)(1+\sqrt{6})}{2}$
$=\cfrac{\sqrt{6}+6-2-2\sqrt{6}}{2}$
$=\cfrac{4-\sqrt{6}}{2}$
〔2〕
(1)
例えば,$p\implies q$ の対偶は $\overline{q}\implies\overline{p}$ である。
同様に $r\implies p\cup q$ の対偶は $\overline{p\cup q}\implies\overline{r}$ であり,ド・モルガンの定理より
$\overline{p}\cap\overline{q}\implies\overline{r}$ と表せる。よって,①が当てはまる。
(2)
$p\implies r$ または $q\implies r$ の反例を考えるとよい。
①のとき $p\implies r$ は偽。
④のとき $q\implies r$ は偽。
したがって,①,④が反例となっている。
(3)
(2)より$p\cup q\implies r$ は偽であるので,あとは $r\implies p\cup q$ の真偽を確かめる必要がある。しかしこのままでは真偽を確かめることは難しいので,ある命題とその対偶では真偽が一致することを用いるとよい。
$r\implies p\cup q$ の対偶は $\overline{p\cup q}\implies \overline{r}$,つまり $\overline{p}\cap\overline{q}\implies\overline{r}$ である。
$\overline{p}\cap\overline{q}$:2 つ以上の内角が等しく,直角三角形である。つまり直角二等辺三角形であり,内角は$45\degree,45\degree,90\degree$ である。
$\overline{r}$:$45\degree$ の内角が 1 つ以上ある。
これより,$\overline{p}\cap\overline{q}\implies\overline{r}$ は真だから,$r\implies p\cup q$ も真である。
したがって,$r$ は ( $p$ または $q$ ) であるための十分条件であるが,必要条件ではない。
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