第1問
〔1〕
不等式
4{log2(3−x)}2+3log81(3−x)2−2>0⋯①
を満たす x のとり得る値の範囲を求めよう。
まず,真数は正であるから
0≦x< ア ⋯②
である。ただし,対数 logab に対し,a を底といい,b を真数という。
y=log81(3−x)2 とおくと,(81)y=(3−x)2 である。 2 を底とする両辺の対数をとれば
y=− ウ イ log2(3−x)
であることがわかる。
よって,X=log2(3−x) とおくと,①は
エ X2−X−1>0⋯③
と表すことができる。
不等式③を解くと
X<− オ 1,X> カ
となり,X=log2(3−x) により
3−x< ク キ ,3−x> ケ ⋯④
であることがわかる。②と④から,不等式①を満たす x のとり得る値の範囲は
0≦x< コ , ス サシ − セ キ <x< ア
である。
〔2〕
0≦θ≦2π として,f(θ)=8sinθcosθ+6cos2θ とおく。
(1) 2 倍角の公式と三角関数の合成を用いると
f(θ)= ソ sin2θ+ タ (cos2θ+1)
= チ sin(2θ+α)+ タ ⋯⑤
となる。ただし,α は
sinα= チ ツ ,cosα= チ テ ,0<α<2π
を満たすものとする。
0≦θ≦2π のとき,2θ+α のとり得る値の範囲は
α≦2θ+α≦π+α
であるから,0<α<2π に注意すると,sin(2θ+α) は,θ= ト で最大値 1,θ= ナ で最小値 − ヌ ニ をとることがわかる。ただし, ト , ナ については,当てはまるものを,次の⓪~⑤のうちから一つずつ選べ。
⓪ 0 ① 4π−α
② 4π−2α ③ 2π−α
④ 2π−2α ⑤ 2π
以上のことから,0≦θ≦2π のとき,f(θ) のとり得る値の範囲は ネ ≦f(θ)≦ ノ である。
(2) f(θ)=6,0≦θ≦2π を満たす θ を求めよう。⑤を用いると,f(θ)=6 から
sin(2θ+α)= ヒ ハ
である。ここで,sinα= テ ツ と,すべての x について sin(π−x)= フ であることに注意すると,求める θ は ヘ と ホ であることがわかる。ただし, フ については,当てはまるものを,次の⓪~③ のうちから一つ選べ。
⓪ cosx ① −cosx ② sinx ③ −sinx
また, ヘ , ホ については,当てはまるものを,次の⓪~⑤のうちから一つずつ選べ。 ヘ と ホ は解答の順序を問わない。
⓪ 0 ① α ② 2π−α
③ 2π ④ π−2α ⑤ π−α
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解答・解説
ア 9 イ,ウ 2,3 エ 2
オ,カ 2,1 キ,ク 2,2
ケ 2 コ 1
サシ,ス,セ 19,2,3
ソ 4 タ 3 チ 5
ツ,テ 3,4 ト 2
ナ 5 ニ,ヌ 3,5
ネ,ノ 0,8 ハ,ヒ 3,5
フ 2
ヘ,ホ 0,2 または 2,0
〔1〕
(1)
真数条件(真数は 0 以上の数)から
3−x>0
x<3
x<9
したがって 0≦<x<9⋯⋯②
次に (81)y=(3−x)2 の両辺の 2 を底とする対数をとると
log2(81)y=log2(3−x)2
ylog281=2log2(3−x)
y(log21−log28=2log2(3−x)
y(0−3)=2log2(3−x)
y=−32log2(3−x)
X=log2(3−x) とおくと,①は
4X2+3y−2>0
4x2+3(−32)X−2>0
4X2−2X−2>0
2X2−X−1>0⋯⋯③
これを解くと
(2X+1)(X−1)>0
X<−21,X>1
X=log2(3−x) より
log2(3−x)<−21
ここで logac=b は ab=c と表すことができることを考えると
3−x<2−21
3−x<2211
3−x<21
3−x<22
また
log2(3−x)>1
3−x>2
したがって
3−x<22,3−x>2⋯⋯④
x のとり得る範囲を求めると④より
3−x<22
3>3−22
x>(3−22)2
x>9−32+21
x>219−32
ここで 219−32 を考えると
1<2<2
3<32<6
−6<−32<−3
219−6<219−32<219−3
27<219−32<213
また
3−x>2
x<1
両辺を 2 乗して
x<1

したがって
0≦x<1,219−32<x<9
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