身長が高いほどガンになりやすい 理由は細胞の数
ドイツの研究者によると、人間の身長は糖尿病やがんと相関関係があります。先日、人間は身長が低いほど糖尿病になりやすく、身長が高いほどがんになりやすいという調査結果が発表されました。
”身長が高い人ほど、多くのさまざまな癌を発症するリスクが高くなる。実際、人の一般的ながんのリスクは、身長が10センチメートル(3.9インチ)増えるごとに10%増加する。特にいくつかの癌(腎臓がん、乳がん、卵巣がん、直腸がん、および前立腺がん)は、人の身長に関連して最も大きなリスクの増加を示す。”
身長が低いほど肝臓脂肪がたまりやすい
調査では、身長が10センチ高くなると、男性では糖尿病のリスクが41%、女性では33%減少することが明らかになりました。つまり身長が低いほど糖尿病のリスクが高いのです。
同時に、身長が低い人ほど肝臓のまわりに脂肪がたまりやすいことも判明しました。つまり、肝臓のまわりの脂肪が糖尿病の原因である可能性が高いのです(その他の研究でも脂肪肝が糖尿病の原因となる可能性が指摘されています)。
しかし、なぜ身長の低い人ほど肝臓のまわりに脂肪がたまりやすいのかについて原因は分かっていません。
身長が高いほどがんになりやすい
調査では、身長が高いほど糖尿病になりにくい一方で、がんになる可能性は高くなることが分かりました。
なぜ身長が高いほどがんになりやすいのかについてもはっきりとした原因は分かっていません。しかし、推測できるのは身長が高い人ほど純粋に細胞の数が多いからであるということです。
がんは細胞分裂の突然変異によって起こるので、細胞が多いほどがん細胞が出現する確率が高くなると言えます。
しかし、これはすべての動物に当てはまる法則ではないようです。理屈から言えば、ゾウのような体の大きな動物はがんになる可能性が非常に高く、ネズミはがんになる可能性は低いと考えられます。しかし、実際はそうではありません。
その理由は、ゾウは人間よりもはるかに優れたがん抑制機能を体内に持っているためです。体の大きなゾウは、進化の過程で他の動物よりも高度ながん免疫システムを構築する必要があったと推測されます。
人間はみな同じ免疫システムを持っているので、同じ人間同士で比べた場合ならば体の細胞の数が多いほどがんになりやすいという法則は成り立つようです。
例えば身長が10センチ高くなると皮膚がんになる可能性は2%高くなります。これは、身長が高ければそれだけ皮膚の面積が広くなるからだと説明できます。
とは言え、身長ががんの発症に与える影響は小さなものなので、もしあなたが身長が高かったとしてもがっかりする必要はありません。
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