二項定理
an=k=0∑nnCk
たとえば,n=3 なら
an=3C0+3C1+3C2+3C3
となります。
二項定理はたとえば (a+b)3 なら
=3C0a3b0+3C1a2b1+3C2a1b2+3C3a0b3
でした。
もし,ここで a と b を 1 としたら,上の式と同じ形になります。
つまり
an=(1+1)n=2n (答え)
C の定義を利用する
bn=k=0∑nnCkk
k=0 のとき,nCkk は 0 になるので,この式は
bn=k=1∑nnCkk
と同じことです。
ここからは,C の定義を用いる必要があります。
たとえば
5C3 ならどういう計算する?
3⋅2⋅15⋅4⋅3 ですね。
この式の分子は 5⋅4⋅3 ですが,これは 5 の階乗を 2 の階乗で割るという計算になおすことができます。
5C3=3⋅2⋅1⋅(2⋅1)5⋅4⋅3⋅2⋅1=3!(5−3)!5!
これが C の定義になります。
nCr=r!(n−r)!n!
よって
bn=k=1∑nk!(n−k)!n!⋅k
ここで
k!k=1⋅2⋅3⋯(k−1)⋅kk=(k−1)!1
となるので
bn=k=1∑n(k−1)!(n−k)!n!
また
n!=1⋅2⋅3⋯(n−1)⋅n
=(n−1)!⋅n
となるので
bn=nk=1∑n(k−1)!(n−k)!(n−1)!
さらに
n−k=(n−1)−(k−1)
だから
bn=nk=1∑n(k−1)!{(n−1)−(k−1)}!(n−1)!
bn=nk=1∑nn−1Ck−1
あとは (1)でやったように,二項定理で考えます。
=n⋅2n−1 (答え)
2 項定理を利用するときの注意点
cn=k=0∑nk+1nCk
(2)と同様に C の定義で考えていきます。
=k=0∑nk+11⋅k!(n−k)!n!
はいはい質問。
k が 0 のとき
k! ってどうなるんですか?
0!=1 になる。理屈というよりは組合せの計算を成り立たせるための決まりごとだと思って。
ここで,k!⋅(k+1)=(k+1)! だから
=k=0∑n(k+1)!(n−k)!n!
(n+1)!=n!⋅(n+1) より
=n+11k=0∑n(k+1)!(n−k)!(n+1)!
=n+11k=0∑n(k+1)!{(n+1)−(k+1)}!(n+1)!
=n+11k=0∑nn+1Ck+1
ここから 2 項定理にもちこむときに注意が必要です。
最初の話に戻ると
(a+b)3=3C0a3b0+3C1a2b1+3C2a1b2+3C3a0b3
のように,2 項定理は 3C0 の項から始まります。つまり
n+1C0+n+1C1+⋯n+1Cn+1=(1+1)n+1
としたいのですが
k=0∑nn+1Ck+1=n+1C1+n+1C2+⋯
となるので,2 項定理になおすときに n+1C0 の項が足りません。そこで
=n+11k=0∑nn+1Ck+1
=n+11{k=0∑nn+1Ck+1+n+1C0−n+1C0}
として,つじつま合わせをします。
=n+11{2n+1−n+1C0}
=n+11(2n+1−1) (答え)
さらに C の定義を利用する
dn=k=0∑nnCkk2
k=0 のとき nCkk2=0 なので
=k=1∑nk!(n−k)!n!⋅k2
=k=1∑n(k−1)!(n−k)!n!⋅k
k を細工して k=k−1+1 とします。
=k=1∑n(k−1)!(n−k)!n!⋅{(k−1)+1}
=k=1∑n(k−1)!(n−k)!n!⋅(k−1)+k=1∑n(k−1)!(n−k)!n!
ここも,k=1 のとき (k−1) の部分が 0 になるので
=k=2∑n(k−2)!(n−k)!n!+k=1∑n(k−1)!(n−k)!n!
あとは(2)でやった計算を思い出しながら進めていきましょう。
=n(n−1)k=2∑n(k−2)!(n−k)!(n−2)!+nk=1∑n(k−1)!(n−k)!(n−1)!
=n(n−1)k=2∑nn−2Ck−2+nk=1∑nn−1Ck−1
=n(n−1)⋅2n−2+n⋅2n−1
=n(n−1)⋅2n−2+2n⋅2n−2
={n−1+2}⋅n⋅2n−2
=n(n+1)⋅2n−2 (答え)
極限を求める
cndnanbn
=n+12n+1−1⋅n(n+1)⋅2n−22n⋅n⋅2n−1
=(2n+1−1)⋅2n−22n⋅2n−1
=2n+1−12n+n−1−n+2
=2n+1−12n+1
となるので
n→∞limcndnanbn
=n→∞lim2n+1−12n+1
分母・分子を 2n+1 で割ると
=n→∞lim1−2n+111
=1−01=1 (答え)
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