接線を求める
グラフを描いてみると分かりますが,直線のうち 1 つは x=a における接線です。ただし,これが ℓ1 なのか ℓ2 なのかはわからないので,あとで決めたいと思います。
微分して
f(x)=x3−kx
f′(x)=3x2−k
x=a における接線の傾きは
f′(a)=3a2−k
これが,(a,a3−ka) を通るので,接線の式は
y=(3a2−k)(x−a)+a3−ka
式を整理していきましょう。
=(3a2−k)x−(3a2−k)a+a3−ka
=(3a2−k)x−3a3+ka+a3+ka
=(3a2−k)x−2a3 ・・・①
これで直線の方程式が 1 つできました。
接点の x 座標を b とおく
こういう場合,点 P を基準にして直線の式をつくろうとするとうまくいきません。
もう 1 の直線をよく見てみると,点 Q における接線になっていることが分かります。
そこで,点 Q の座標を (b,f(b)) として直線の式を作ってみましょう。
x=b における接線の傾きは
f′(b)=3b2−k
これが (b,b3−kb) を通るので,直線の式は
y=(3b2−k)(x−b)+b3−kb
=(3b2−k)x−2b3 ・・・②
これが (a,a3−ka) を通るので,代入すると
a3−ka=(3b2−k)a−2b3
a3−ka=3ab2−ka−2b3
2b3−3ab2+a3=0
これを b についての方程式とみなし,方程式を解いて b を求めます。この方程式は b=a とすると左辺が 0 になります。つまり式は b−a で割り切れます。
組立除法を用いて因数分解しましょう。
22−3a2a−a0−2a2−a2a3∣a−a30
(b−a)(2b2−ab−a2)=0
さらに 2b2−ab−a2 は b=a とすると 0 になるので,やはり b−a で割り切れます。
22−a2aa−a2∣aa20
(b−a)2(2b+a)=0
2b+a=0 とすると
b=−2a
方程式の解は b=a,−2a となりますが,b=a は点 P のことなので,b=−2a を点 Q の x 座標としましょう。
これを②に代入して
y=(3b2−k)x−2b3
={3⋅(−2a)2−k}x−2(−2a)3
=(43a2−k)x+4a3 ・・・③
直線の決定
y=(3a2−k)x−2a3 ・・・①
y=(43a2−k)x+4a3 ・・・③
2 つの直線の式ができあがったので,傾きを比べて ℓ1 と ℓ2 を決めましょう。
a がどんな値でも a2 は正の数です。ということは
3a2>43a2
3a2−k>43a2−k
が成り立ちます。よって,①の式が ℓ1,③の式が ℓ2 です。
ℓ1:y=(3a2−k)x−2a3
ℓ2:y=(43a2−k)x+4a3
(答え)
共有点の座標を求める
あとは Q1 と Q2 の座標を求めましょう。
まずは Q1 から。
Q1 は ℓ1 と C の交点だから,式を連立して
x3−kx=(3a2−k)x−2a3
x3−kx−(3a2−k)x+2a3=0
x3−kx−3a2x+kx+2a3=0
x3−3a2x+2a3=0
式を因数分解します。
ここも
x=a とすると左辺が 0 になるし,そもそも共有点の 1 つは
x=a なんだから,解の 1 つは
x=a であるとも考えられるよね。
110aa−3a2a2−2a22a3−2a30∣a
(x−a)(x2+ax−2a2)=0
x2+ax−2a2=0 とすると,同様に x−a で割り切れるので
11aa2a−2a22a20∣a
(x−a)2(x+2a)=0
よって x=a,−2a
x=a は点 P のことなので,Q1 の x 座標は −2a です。これを y=x3−kx に代入して
y=(−2a)3−k(−2a)
=−8a3+2ka
したがって
Q1(−2a,−8a3+2ka) (答え)
さらに Q2 の座標を求めましょう。
Q2 の x 座標は上でいったん求めていて,x=−2a でした。これを y=x3−kx に代入して
y=(−2a)3−k(−2a)
=−8a3+2ka
したがって
Q2(−2a,−8a3+2ka) (答え)
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