点 O を中心とする半径 1 の円に内接する三角形 ABC があり,
2OA+3OB+4OC=0
をみたしている。この円上に点 P があり,線分 AB と線分 CP は直交している。次の問いに答えよ。
(1) 内積 OA⋅OB と ∣AB∣ をそれぞれ求めよ。
(2) 線分 AB と線分 CP の交点を H とするとき,AH : HB を求めよ。
(3) 四角形 APBC の面積を求めよ。
内積を利用して辺の長さを求める
(1)から始めます。
まず,式を 2 乗して内積を求めていきます。
2OA+3OB=−4OC
両辺を 2 乗して
4∣OA∣2+12OA⋅OB+9∣OB∣2=16∣OC∣2
∣OA∣=∣OB∣=∣OC∣=1 より
4+12OA⋅OB+9=16
OA⋅OB=41 (答え)
また
AB=OB−OA より
∣AB∣2=(OB−OA)2
=∣OB∣2−2OA⋅OB+∣OA∣2
=1−2⋅41+1
=23
したがって
∣AB∣=26 (答え)
内分点を求める
(2)に進みます。
まず,点 H は AB を t:1−t に内分する点と考えます。
OH=(1−t)OA+tOB
とは言え,このままでは話が進みません。そこで,問題文にあるもう一つの条件,AB と CP が直交することを式にしてみます。
ただし,点 P はベクトルとして表しようがないので,AB ⊥ CP としないで,AB ⊥ CH としてみます。そうすると
AB⋅CH=0
(OB−OA)⋅(OH−OC)=0
という関係が成り立ちます。問題文の式に戻って OC を求めましょう。
2OA+3OB+4OC=0 より
4OC=−2OA−3OB
OC=−21OA−43OB
よって
(OB−OA)⋅(OH−OC)
=(OB−OA)⋅{(1−t)OA+tOB+21OA+43OB}
=(OB−OA)⋅{(1−t)OA+tOB+21OA+43OB}
=(OB−OA)⋅{(23−t)OA+(43+t)OB}
=(23−t)OA⋅OB+(43+t)∣OB∣2−(23−t)∣OA∣2−(43+t)OA⋅OB
=(23−t)⋅41+43+t−23−t−(43+t)⋅41
=83−41t+43+t−23+t−163−41t
=23t−169=0
よって
t=83
したがって
AH : HB = 3 : 5 (答え)
辺の比を利用して面積を求める
(3)に進みます。
図に戻って考えてみると,方べきの定理が成り立つことに気づきます。
方べきの定理より
AH・BH = CH・PH
(1)から AH と BH の長さは求めることができるので,あとは CH の長さが分かれば,それをもとに PH の長さを求めることもできそうです。
(2)より
CH=(23−t)OA+(43+t)OB
式に t=83 を代入すると
CH=(23−83)OA+(43+83)OB
=89(OA+OB)
両辺を 2 乗して
∣CH∣2=6481(∣OA∣2+2OA⋅OB+∣OB∣2)
=6481(1+21+1)
=6481⋅25
∣CH∣=89⋅210=16910
CH の長さが分かったので PH の長さを求めてみましょう。
AH・BH = CH・PH
83⋅26⋅85⋅26=16910⋅PH
85=10⋅PH
PH=8105
=1610
ここで,辺の比を考えます。
CH : PH = 16910:1610=9:1
よって,△ABC の面積を 910 倍すれば,四角形 APBC の面積となります。
△ABC の面積は
21⋅26⋅16910
=32915
したがって,四角形 APBC の面積は
32915⋅910=16515 (答え)
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