【数III】2 の x 乗の積分のやり方を分かりやすく(原始関数の推定)

[問題] $\displaystyle\int2^x\space dx$ を求めよ。

原始関数の推定をやるよ。このままでは積分できないから,反対に微分してみて,そこからの逆算で原始関数を求めてみる。
何で積分なのに微分するの?
理屈というより,たまたま微分してみたらうまくいくカンジ。積分がうまくいかないときに,こういうやり方もあるってのは知っておいた方が得するだろうね。

まず,$k=2^x$ とおきます。

このまま微分しようにも,$x$ 乗がジャマです。そこで対数をとってみます。

両辺の対数をとると

$\log k=\log 2^x$
$\log k=x\log 2$

両辺を微分します。ただし,これは合成関数の微分であることに注意しましょう。$x$ で微分するとき $(\log k)’=\cfrac{1}{k}$ としないように。これは $k$ で微分したことになります。

合成関数の微分ってどうするんでしたっけ?
問題集とかでよくやるパターンに,$\sin2x$ の微分とかあったよね。
$(\sin2x)’=2\cos2x$ だった。
それそれ。$\sin$ を微分するだけじゃなく,中にある $2x$ を微分したヤツをかけるんだったよね。いわゆる中ビブン。それと考えは同じ。

両辺を $x$ で微分すると

$\cfrac{1}{k}\cdot k’=\log 2$

$\log$ の中身は $k$ だから $k$ を微分した $k’$ をかける。
右辺は $\log 2$ を微分して $\cfrac{1}{2}$ とかならないんですか?
それゴッチャになってる。$\log x$ を微分したら $\cfrac{1}{x}$ になるっていうのはあくまで $\log$ の中身が $x$ のときの話であって,こういうのを関数っていうの。一方 $\log 2$ っては $0.3010\cdots$ で表される定数だから別物。だから $2x$ を微分したら $=2$ ってなるように,$x\log 2$ を微分したら $\log2$ になる。係数だけ残るの。

よって
$k’=k\log2$
$\cfrac{k’}{\log2}=k$
$\Big(\cfrac{k}{\log2}\Big)’=k$

$k’$ を微分したものを $\log2$ でわるのと,$\cfrac{k}{\log2}$ を微分するってのは同じこと。

$k=2^x$ だったので

$\Big(\cfrac{2^x}{\log2}\Big)’=2^x$

両辺を積分すると

$\displaystyle\cfrac{2^x}{\log2}+C=\int2^x\space dx$

左辺がよく分からない。
微分の反対は積分。つまり,微分したものを積分したらもとに戻るという理屈。ただ,不定積分だから $C$ を付けるの忘れずにね。

したがって

$\displaystyle\int2^x\space dx=\cfrac{2^x}{\log2}+C$
 ($C$は積分定数)(答え)