log x の微分が
x1 になるって習ったけど,何でそうなるのか分かりません。
公式だから暗記すれば良い。入試で聞かれることはまずないと思うけど,証明に
e の定義を使うから,考えてみるといい練習にはなるよ。
log x の微分
まず,微分係数のおさらいから。
f′(x)=h→0limhf(x+h)−f(x)
微分ってのは結局この式を求めることに他ならないわけで。
式に f(x)=log x を当てはめると
hlog(x+h)−log x
=h1{log(x+h)−log x}
=h1logxx+h
=h1log(1+xh)
ここでネイピア数の定義を利用します。
ネイピア数とはいわゆる e のことです。
数IIIで
e って出てくるけど,何でこんなの使うんですか?
e についてはあんまり分からないでも気にしない方がいいと思うけど。結局
(ex)’=ex っていう公式にあるように,微分してももとの式と同じなるっていう便利な性質を持つ特殊な数として理解しておけば良い。
式をこの定義に合わせていきましょう。
k=xh とすると
e=xh→0lim(1+xh)hx
が成り立ちます。
これを利用して
h1log(1+xh)
=h1⋅xh⋅hxlog(1+xh)
=h1⋅xhlog(1+xh)hx
=x1log(1+xh)hx
こんな感じで強引に
e の定義に合わせていく。
そうねかもね。普通にやっててひらめくものではないから,ここでテクニックを盗むといいよ。
ネイピア数の定義より
xh→0limx1log(1+xh)hx
=x1log e
=x1
したがって
(log x)’=x1 (証明終わり)
log a x の微分
基本的な流れは上と同じです。
(loga x)’=h→0limhloga(x+h)−loga x として
hloga(x+h)−loga x
=h1logaxx+h
=h1loga(1+xh)
=h1⋅xh⋅hxloga(1+xh)
=h1⋅xhloga(1+xh)hx
=x1loga(1+xh)hx
e=xh→0lim(1+xh)hx より
xh→0limx1loga(1+xh)hx
=x1loga e
=x1⋅loge aloge e
=x1loge a1
=xlog a1 (証明終わり)
微分の証明は必ずしも覚える必要はありませんが,ネイピア数の定義を利用する解法は難関大ではまれに問われることがあるので,log x の微分の方法を通じてその使い方を学習しておくことは無駄ではないでしょう。
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