【数IIB微分積分】6分の1公式で突破!二次関数と直線で囲まれた面積の求め方・基本レベル(北海道大2021文系第4問)

入口で何やっていいか分からないって人多いよね。微積使って曲線と直線でつくる面積の話,一からおさらいするよ。

kk を k>1k>-1 を満たす実数とする。直線 :y=(1k)x+k\ell:y=(1-k)x+k および放物線 C:y=x2C:y=x^2 を考える。CC と \ell で囲まれた部分の面積を S1S_1 とし,CC と \ell と直線 x=2x=2 の 3 つで囲まれた部分の面積を S2S_2 とする。(北海道大2021)

(1) S1S_1 を kk を用いて表せ。

(2) S2S_2 を kk を用いて表せ。

(3) kk が k>1k>-1 を満たしながら動くとき,S2S1S_2-S_1 の最大値を求めよ。

初めに交点の座標を考える

(1)から始めます。

ぼんやりイメージはつくけど,何からやって良いのやら。
まず,ざっくりグラフ描くよ。\ell の傾きは 1k1-k だから,傾きはおおむねマイナスって考えて,右下がりの直線を描いておく。今回の問題はこれで大丈夫。

面積を求めるには,もう少し S1S_1 の形が分からないと話が進みません。そこで \ell と CC の交点を求めることから始めましょう。

交点を求めるには,2 つの式を連立します。

(1k)x+k=x2(1-k)x+k=x^2
x2(1k)xk=0x^2-(1-k)x-k=0
x=1k±(1k)2+4k2x=\cfrac{1-k\pm\sqrt{(1-k)^2+4k}}{2}
=1k±12k+k2+4k2=\cfrac{1-k\pm\sqrt{1-2k+k^2+4k}}{2}
=1k±1+2k+k22=\cfrac{1-k\pm\sqrt{1+2k+k^2}}{2}
=1k±(1+k)22=\cfrac{1-k\pm\sqrt{(1+k)^2}}{2}

k>1k>-1 より 1+k>01+k>0 だから

=(1k)±(1+k)2=\cfrac{(1-k)\pm(1+k)}{2}
=1,k=1,-k

実は最初の段階で因数分解できることに気づくと話が早い。

x2(1k)xk=0x^2-(1-k)x-k=0
(x1)(x+k)=0(x-1)(x+k)=0
x=1,kx=1,-k

気づかなかった。

6 分の 1 公式を使う

二次関数と直線において,2 つの交点の xx 座標が分かると,6 分の 1 公式が使えます。

y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c と直線との 2 つの交点の xx 座標を α,β\alpha,\beta とすると

S=a6(βα)3S=\cfrac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3

したがって

S1=16(1+k)3S_1=\cfrac{1}{6}(1+k)^3 (答え)

積分で面積を求める

(2)に進みます。

今度は積分を使って面積を求めます。

1 から 2 までの区間では,二次関数の方が直線より上にくるから二次関数から直線を引く。上から下を引くように。

 S2=12 x2(1k)xk  dx\displaystyle S_2=\int_1^2 x^2-(1-k)x-k\space dx
=[x331k2x2kx]12=\Big[\cfrac{x^3}{3}-\cfrac{1-k}{2}x^2-kx\Big]_1^2
=832(1k)2k(131k2k)=\cfrac{8}{3}-2(1-k)-2k-\Big(\cfrac{1}{3}-\cfrac{1-k}{2}-k\Big)
=832+2k2k13+12k2+k=\cfrac{8}{3}-2+2k-2k-\cfrac{1}{3}+\cfrac{1}{2}-\cfrac{k}{2}+k

符号ミスしやすいから丁寧に計算していくべし。

=k2+56=\cfrac{k}{2}+\cfrac{5}{6} (答え)

微分して増減表を作る

(3)に進みます。

S2S1=k2+5616(1+k)3S_2-S_1=\cfrac{k}{2}+\cfrac{5}{6}-\cfrac{1}{6}(1+k)^3
=k2+5616(k3+3k2+3k+1)=\cfrac{k}{2}+\cfrac{5}{6}-\cfrac{1}{6}(k^3+3k^2+3k+1)
=k2+56k36k22k216=\cfrac{k}{2}+\cfrac{5}{6}-\cfrac{k^3}{6}-\cfrac{k^2}{2}-\cfrac{k}{2}-\cfrac{1}{6}
=k36k22+23=-\cfrac{k^3}{6}-\cfrac{k^2}{2}+\cfrac{2}{3}

最大値出すの平方完成でしたっけ?
この式は 3 次関数だから平方完成はできない。となると,微分して増減表つくると良い。

f(k)=k36k22+23f(k)=-\cfrac{k^3}{6}-\cfrac{k^2}{2}+\cfrac{2}{3} として

f(k)=k22kf'(k)=-\cfrac{k^2}{2}-k

12k2k=0-\cfrac{1}{2}k^2-k=0 として

k22+k=0\cfrac{k^2}{2}+k=0
k(k2+1)=0k\Big(\cfrac{k}{2}+1\Big)=0
k=0,2k=0,-2

k>1k>-1 より k=0k=0

増減表は

 k(1)0  f(k)+0 f(k)(13)↗23↘\def\arraystretch{1.5}\begin{array}{|c|c|c|c|c|}\hline k&(-1)&\cdots&0&\cdots \\\hline f'(k)&&+&0&-\\\hline f(k)&(\frac{1}{3})&\nearrow&\frac{2}{3}&\searrow\\\hline\end{array}

f(13)=(1)36(1)22+23f\Big(\cfrac{1}{3}\Big)=-\cfrac{(-1)^3}{6}-\cfrac{(-1)^2}{2}+\cfrac{2}{3}
=1612+23=\cfrac{1}{6}-\cfrac{1}{2}+\cfrac{2}{3}
=13+46=13=\cfrac{1-3+4}{6}=\cfrac{1}{3}

f(0)=23f(0)=\cfrac{2}{3}

したがって,S2S1S_2-S_1 の最大値は 23\cfrac{2}{3} (答え)